2014年5月

国政報告(第234号)

 東京の日中は、はや梅雨の走りのような蒸し暑さです。朝は結構涼しかったりして、体調管理に気を使う時節です。先週末から今週は地元からの国会見学が相次ぎました。23日(金)が党福光女性部(武田県議ほか)、26日(月)が射水市伊勢副議長後援会、27日(火)が党福野支部(山辺県議ほか)、28日(水)が福光南部地域(川辺副議長ほか)と皆様に来訪、激励頂きました。改めて厚く御礼申し上げます。ちょうど国会見学も、中学生の修学旅行を始め、最高潮で、全国から1万人近い見学者が訪れる日もありました。

 この間、24日(土)は裏千家淡交会の信越・北陸地区大会が新潟県佐渡島にて開催され、高岡支部長として出席しました。25日(日)は東京にて結婚披露宴に出席、一晩だけ富山で過ごし、在京が続いています。27日は北陸新幹線の事業促進大会にて石井知事ほかの上京、県内10市の議長さん達も恒例の県選出国会議員への要請行動にて揃っての来訪となりました。

 一方、国会審議は淡々と日程をこなしており、衆議院は27日と29日の本会議で15件の法案・条約を可決し、小生の所属する内閣委員会は、30日(金)に最後の内閣提出案件の審査を終える見通しです。会期末まであと3週間余り、参議院の案件審議状況を睨みつつ、議員立法をどの程度で成立させる事ができるのか、関係者が気を揉む展開です。もっとも、民主党政権下の3年と、参議院選挙を控えた昨年はこのような状況にはならず、内閣退出案件の処理で手一杯でした。この点での違いも、第二次安倍内閣への素朴な評価ではないかと思っています。

 さて、国政における重要課題の動きですが、TPPは引き続き肉類の関税について日米間の事務レベル交渉が行われており、九州電力川内原発の再稼働は申請書の指摘箇所の訂正に時間を要し、提出が6月にずれ込む事となりました。6月末の成長戦略改訂に向け、法人税の実効税率引き下げの議論に加え、雇用・医療・農業分野での規制改革の提案が内閣の産業競争力会議や規制改革会議から相次いで打ち出され、党側の考えをまとめなければならない局面を迎えています。来週も、参院側での案件審議を精力的に進める一方、夏場の新年度予算概算要求と併せた制度面での新規施策の展開に向けた党内の議論が進んで行くものと思います。安全保障問題についても、28日の衆院予算委員会集中審議等も踏まえ、自公両党間の協議が続きます。

 いずれも、万人を納得させる解答が容易に見出せず、慎重な検討が求められる一方、安易な先送りが許されないものばかりです。考慮すべき条件を落とさずに、より良い答えを見出すべく、丁寧に議論し、時期を逃さず決断する。そんな地道な作業が最盛期を迎えつつあり、まさに正念場です。持ち場である党の総務会や政務調査会部会で、自分も努力を重ねていきます。

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国政報告(第233号)

 通常国会も会期末の6月22日(日)まであと一カ月となりました。衆議院側では、内閣提出案件の審議の目途が立ってきた委員会も出てきていて、内閣委員会も現在審議中の独立行政法人通則法の一部改正案の後は、内閣提出案件が1本残るのみです。今週は20日(火)、22日(木)と本会議があり、教育委員会や電力事業の制度を改革する法案を可決、参議院に送られました。一方、参議院の審議は大詰めを迎えており、与党国対関係者も気の抜けない毎日となっています。21日(水)には、参議院本会議の議場配布資料に政府事務方のミスがあり、議事が紛糾したまま散会する事態となりました。ここから先は1日たりとも審議を無駄にできない局面で、緊張感を持続させる踏ん張りどころです。

  先週末の17日(土)、18日(日)と地元6市の市会議員の皆さんの集まり(慶政会)経済界等支援者の皆さんの集まり(慶友会)が二晩続きで開かれ、この間の国政の動き、当面する課題等、報告する機会を頂戴しました。概ね、この場で毎週綴っている事柄をまとめてお話しした所ですが、選挙区内の国の事業では、庄川河口部の新庄川橋(国道415号)の万葉線橋脚と一括しての架け替え、倶利伽羅トンネル(国道8号)の新規開削、砺波東バイパス(国道359号)、利賀ダム関連工事(連絡道路)及び能越自動車道氷見南インター新設工事の進捗等を指摘しました。いわば、「ポスト新幹線」の立場で、地域の交通体系の不十分な箇所に今しばらく注力する必要があると考えます。また、能越道小矢部砺波JCT・高岡IC間の無料化、高岡駅での氷見線・城端線の直通化等、注力すべき課題も残っています。県・6市の当局・議会の皆さんとも連携して地域の発展のためにも頑張ります。

  20日の夜は、野上副大臣・堂故先生とともに、3人揃って高岡商工会議所議員有志の皆さんと東京で親睦を深め、22日の朝には、党本部でTPP対策委員会に臨みました。甘利大臣と西川議員から、週初にシンガポールで開催された閣僚級交渉の結果報告がありました。4月の日米首脳会談等、日米間の個別交渉の成果を関係12カ国で共有した上、難航している物品市場アクセス(関税)と知的財産権、国有企業、環境の3分野について交渉を加速化するよう、各国の足並みを揃えたとの事。米国とは、来週、交渉次席の大江・カトラー間の協議を再開する由、農産物5品目を中心に、我が国の国益を守りつつ、ギリギリの交渉が続きそうです。

 以前から度々述べてきた、TPP、原発再稼働、沖縄辺野古基地の建設という当面する3課題の解決を目指す一方、安全保障上の諸問題にも道筋をつけて向き合わなければなりません。通常国会での法案成立率も一定の水準を超える状況である一方、第二次安倍内閣は国政の重要局面にさしかかりつつある現状です。6月には、昨年同時期に策定した「日本再興戦略」の見直し・施策追加が予定されており、法人税の実効税率の引き下げも、見合いの財源確保の前提で、関係議員が強く希望しています。党税調もここしばらく、重要な局面を迎えています。

 来週も、参議院を主に、審議の大詰め状態が続きます。また報告します。

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国政報告(第232号)

 5月も半ばとなり、東京の緑は日に日に濃くなり、雨が降れば、早くも梅雨の走りのようです。連休明けの国会は、引き続き重要案件の審議が進み、本日(15日(木))の本会議では、医療・介護の一括法案を可決、参議院に送付しました。所管の厚生労働委員会では、総理入り質疑を含め、39時間の審議で、野党側からは時間不足との意見もありますが、自分なりに野党・与党を経験した感覚からすれば、与党として一定の対応はされていると思います。

 先週末の10日(土)は、党の南砺市利賀支部井波支部の総会に連続して顔を出しました。通常は、国道471号で行き来できるのですが、生憎、土砂崩れで通行止めとなっており、行きは東海北陸道の五箇山インターから平地区経由、峠越えで入り、井波へは同じく平から国道156号を下るルートで迂回しました。利賀の皆さんからは、471号の復旧はもちろん、利賀ダム関連工事で予定されているトンネル掘削による直通道路の一日も早い着手を望まれ、まさに努力の必要を「痛感」したところです。

 明けて13日(火)、党総務会に続き、懇談会が持たれ、最近、肥大化が指摘されている内閣官房・内閣府の組織の見直しが話題となりました。折々の内閣が重要と考える施策の立案・遂行をついつい総理膝元の内閣官房・内閣府に命じてしまう事が歴代積み重なって今日の事態を招いており、一部事務を各省に戻すべきとの認識で概ね一致しました。もとより、総論はOKなのですが、具体的にどの仕事を、という各論は難しいものと思われ、今後、党の行政改革本部で具体案を検討していく事となります。

 さて、今週も、TPP始め重要課題には少しずつ動きがありました。TPPは、ベトナムでの首席交渉官レベルの協議が終わり、週末からシンガポールで閣僚レベルの交渉が予定されていますが、どうやら今回も「水入り」で終わりそうです。14日(水)にはJAグループの皆さんの中央集会もありましたが、政府は、牛肉・豚肉を始め各項目について引き続き慎重に交渉に当たっていくようです。エネルギーについては、夏場の電力需給見通しがまとまり、原発抜きで、火力等のフル稼働と自主的節電の徹底で凌ぐ方針となりました。近年の再生エネルギー導入と節電努力の積み重ねが形になってきた訳ですが、安定的な供給のためには安全性の確認された原発の再稼働が必要と思います。鹿児島県の川内原発の再稼働申請について、九電が原子力規制委員会から指摘された書類上の不備を訂正し、来週は次の段階に進めるか、注視しています。

 15日には、内閣に設けられた懇談会の取りまとめが公表され、集団的自衛権を含め、今日の我が国を取り巻く環境の下でのあるべき姿を与党内でも議論し、成案を煮詰めて行く事になります。「集団的自衛権」自体は、国際連合憲章に基づく概念で、今日議論されている様々なケースを必ずしも指す概念ではない事が、誤解を招いている面もあるように思います。例えば、集団的自衛権は相手国の了解の下に行使される訳ですから、今日現在、対象はアメリカしか存在しないし、仮に行使した場合は国連の安全保障理事会に報告しなければならない事など、前提が抜け落ちた形で議論されています。今後は個別的自衛権でのグレーゾーンから始めて、慎重な場合分けが必要と考えます。この点も自分なりに考えを深めて行きます。

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国政報告(第231号)

 ゴールデン・ウィーク後半、1日(木)に高岡御車山祭の勢揃い式を見て、2日(金)は全国山・鉾・屋台保存連合会総会にて、愛知県知立市へ出向きました。今回は、3月末に国の無形民俗文化財となっている各会員の祭りを一括してユネスコの無形遺産登録を申請するとの文化庁の決定があったことで、350名の参加で大いに盛り上がりました。地元知立の本祭りが3日(土)で、2日間にわたり、林市長さん、加藤会長さんはじめ地元の皆さんに大変お世話になりました。知立は、元は「池鯉鮒」と書き、東海道五十三次の39番目の宿場町です。市内の旧街道筋には、往年を偲ぶ松並木が残り、郊外の景勝、「八橋」は京都の銘菓八橋の発祥の地とのこと。平安初期の歌人、在原業平が伊勢物語で「かきつばた」を歌に詠んだ場所だそうです。祭りの見どころは、屋台を担ぎ上げ、どーんと落とす仕草で、観客の声援が盛んに飛びました。穏やかな晴天に恵まれた宵祭りも風情があり、「知立祭 踏ん張る曳き子 星ひとつ」(雲仙人)と詠んでみました。

 富山に戻って、5日(月)は南砺市城端で庵唄を聴き6日(火)の氷見市新市庁舎開所式で連休を終えました。元の県立有磯高校の体育館2棟を活用、リフォームされた庁舎には、本川市長始め職員の皆さんのアイデアが随所に散りばめられていました。市民の皆さんの手続きをワン・ストップで処理する工夫が印象に残りました。

 7日(水)に上京し、いよいよ通常国会も後1か月半、所属の内閣委員会も9日(金)の一般質疑から審議再開です。この後、憲法改正手続法の改正案や医療・介護関係の法案など重要法案を精力的にこなしていく事となります。一方、消費税8%への引き上げから1カ月余りですが、日銀の地域レポートや景気の先行き見通しを見ても、駆け込み需要とその反動減はあるものの、内需や輸出の先行きは底堅いようです。TPPについては、12日(月)からベトナムのホーチミン市で首席交渉官の会合が設定され、先の日米首脳会談を受けた展開が注目されます。「道筋は見えた」とされている訳ですが、具体的に国益を巡り、どのような落ち着きに、いつ、向かっていくのか、注視していきます。原発については、先月末に九州電力から原子力規制委員会に提出された川内原発の再稼働申請書について、8日(木)の審査会合で27項目42件の不備が指摘されました。九電がこれを補充し、委員会が審査書を作成した段階で、これを4週間のパブリック・コメントにかける手順を踏んで行く事になります。

 集団的自衛権については、内閣に設けられた懇談会の取りまとめが近く公表されるとのことで、沖縄の辺野古沖での基地建設の工程とともに、今後の進め方が焦点となってきます。後半国会も、所属委員会の円満な運営に与党理事として汗をかきながら、国政の重要課題の進展を総務会等の場で見守っていきます。

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