20日(金)の午後1時から衆議院本会議が開かれました。野党から提出された環境委員長解任決議案と石原環境大臣不信任決議案を否決した後、通常国会の閉会手続きを済ませました。同日夜、参議院本会議も開かれ、22日(日)の会期末を待たずに実質閉会となりました。前号でも述べたように、内閣提出案件は殆ど成立し、議員立法も含め、立法府としては実績の挙がる国会でした。
一方、会期末近くになって、石原大臣の福島第一原発事故による汚染土の中間貯蔵施設地元受入れ要請を巡る不適切な発言、さらには都議会での未婚女性に対する不適切なヤジが大きな批判を浴びました。3年3か月の野党転落の反省に立った第2次安倍内閣であるだけに、政府・与党の緊張感ある政権運営が改めて求められ、自戒していきます。
24日(火)には、与党内の議論を踏まえた上で、新年度の政府の取り組みを方向付ける「骨太の方針」、「日本再興戦略(改訂版)」等が閣議決定されました。安全保障法制の見直しについても、自・公間の協議が詰まり、来週にも新たな方針の閣議決定に漕ぎ着けられそうです。これらを踏まえ、各省庁は8月末の新年度予算概算要求締切りに向けて作業を進めます。「衆・参のねじれ」が解消されて、7年振りに落ち着いて予算・施策を準備できる夏を迎えようとしています。
私の所属する内閣委員会は、23日(月)に沖縄県で開催された沖縄戦の戦没者追悼式典への出席を兼ね、2泊3日で沖縄を視察しました。式典の後、西に広がる八重山諸島の石垣島に空路赴き、24日(火)は島内視察、さらに日本西端の与那国島を空路訪ね、25日(水)に島内を視察しました。戦後70年弱、本土復帰から40年余経過した今日、米軍基地の負担は依然重くのしかかっています。日米同盟を発展させながら、沖縄の負担を軽減していく事は、引き続き国家的課題です。
一方、人口は増え続けており、1人当たり県民所得も、都道府県中最下位ながら、近年は顕著に伸びています。観光客入れ込みも順調に推移し、那覇空港も石垣空港も新ターミナルが早くも容量オーバーだそうです。石垣島の住民人口は5万人弱なれど、島外からの滞在者が5千人程度居ると言われています。与那国島では沖縄振興一括交付金を活用し、町が東京の塾会社と契約して、小3から中3までの児童・生徒向けに放課後学習塾を設けています。講師は優秀な学生で、ADSLを使った双方向の授業を展開しています。通信環境については、近々光ファイバーの敷設が予定されるなど、「ICT(情報通信技術)×教育」の好事例です。基幹作物であるさとうきびに加え、長命草の契約栽培やミドリムシの培養など、新たなプロジェクトへの取り組みもありました。沖縄の青い海、珊瑚礁、前向きな活力を糧に、夏を過ごしていきます。