2016年1月

国政報告(第314号)

 24日(日)、富山でも珍しい地吹雪の中、射水市六渡寺自治会の緑綬褒状受賞祝賀会に出席した後、新幹線で上京したのですが、その晩に平野部を中心にいっきに雪が降りました。地元紙によれば、海側で降雪が激しく、一番多い伏木で80cm近い積雪になったとの事、除雪や通勤・通学などご苦労の多い毎日であろうと思います。まさに冬型の天候ですから、東京は連日晴天です。しかし、政治の世界は沖縄県の宜野湾市長選の勝利に始まり、甘利経済再生担当大臣の辞任に至る激しい一週間でした。

 24日の夜、宜野湾市長選の開票結果が発表され、私たちが応援する佐喜真市長が2期目の当選を果たしました。得票は2万7千票余で、相手候補との差は約6千票と、事前予想よりも大きく開きました。ここ3年間、西普天間地区の米軍基地跡地返還の問題に党本部で関わったことで、佐喜真市長とも何度もお会いしてきましたが、明るく気さくな人柄で、フットワークも軽く、市政も着実に前進させておられ、自治体の首長に適任の方だと感じていました。基地問題という沖縄県全体の課題が争点に挙げられる選挙でしたが、市民の皆さんは、市政の舵取りを託す人を選ぶという観点で投票した方が多かったものと思います。個人的にも嬉しい結果でした。

 26日(火)から衆参2日づつ、本会議で代表質問があり、新年度予算案の審議が始まりました。先週半ばの週刊誌報道で、甘利大臣の現金授受問題が焦点に浮上し、ご本人の調査・記者会見を28日(木)に行う事として与野党間で本会議開催に合意したものです。安倍総理の施政方針全般を対象とした質疑では、内政・外交全般にわたり、3年間の政権運営の成果が着実に積み重なっている印象を持ちました。紆余曲折したTPP交渉も、甘利大臣を中心に粘り強く対処した結果、農産物主要5品目など我が国の国益を守る努力をカタチにしての最終合意となり、来月4日(木)にニュージーランドで署名の段取りです。それだけに、28日夕刻からの甘利大臣の記者会見で辞任を表明されたのは残念でした。個人の政治活動の過程での問題であり、ご本人の判断を尊重するしかありませんが、与党とすれば、気を引き締めて来週から始まる衆議院予算委員会の審議に臨み、予算の年度内成立を確実に成し遂げなければなりません。

 このほか、私自身が関わる動きでは、26日朝の党総務部会・情報通信戦略調査会の合同会議でNHKの新年度予算案を了承しました。近年は、衛星放送契約の増加と受信料収納率の着実な改善で収入が伸び、国内・国際放送の充実を図った上でも80億円の黒字を予定しています。渋谷にある放送センターの建て替えのために剰余金の積み立てを継続しており、残高は1490億円に達する見込みです。このため、国民の皆様に理解頂ける新センターの構想を示す事と、年末来発生している職員の不祥事の再発防止を徹底する事が当面の課題として指摘されており、部会としても意見していきます。26日夕には、北陸新幹線敦賀以西ルート検討PTも開催され、JR西日本、JR東海からヒアリングさせて頂きました。報道の通り、JR西は、小浜・京都駅を経由し、新大阪駅に至るルートが望ましいと表明され、JR東海は、米原駅での東海道新幹線への列車の乗り入れは過密ダイヤの現状では「とうてい困難」との立場でした。来週には北経連・関経連からのヒアリングを予定しており、こちらも佳境に入りつつあります。来週からは2月、頑張っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第313号)

 週明けの18日(月)は東京が雪となり、首都圏の交通も大いに乱れたようです。ついで、北海道東部で大雪となり、富山の平野部もついに白く覆われたとの事。除雪作業を請け負っている方々にとっては、ようやく仕事になったと言うところでしょうか。気候変動の影響を受け、以前は雪の少なかった北海道東部では一日に1mの積雪を記録しており、影響を受けた方々にお見舞い申し上げます。

 先週末の16日(土)の昼は党砺波市連女性部の新年会、夕方は野上浩太郎議員を囲む会に出席し、7月の参議院選に向けて結束を誓い合いました。17日(日)の午後は、富山市で昨年末にノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生の県民特別栄誉賞の授与式と特別講演会に出席しました。大学院時代に出会ったカミオカンデでの実験作業の中から「ニュートリノ振動」の証拠を発見するに至る歩みを聴き、自分のやりたい事に出会う喜びと、そのために視野を広く持って努力する事の大切さが印象深く伝わりました。世界的な研究業績を挙げた先生が、富山に居を構え、週末は家族でゆっくり過ごされている点、地方創生にもつながる嬉しい話題です。

 18日の午前中に金沢地域の挨拶回りを済ませ、昼の新幹線で上京したので、首都圏の降雪の影響は受けませんでした。北陸新幹線は、長野県以西は順調だったものの、大宮・高崎間でのポイント故障や、相互乗り入れしている東北新幹線のダイヤの乱れの影響を受けたそうです。それでも、全体として見れば雪に強い交通機関であるといえるでしょう。一方、羽田・富山間の航空便は、夏ダイヤから、1日6便から4便に減便との発表もありました。残念ですが、昨年秋に示された6便存続のための乗客数には未達だったことも含め、やむを得ない措置と理解します。残る4便の運航時間帯や使用機材の面で、需要を上手くつかんでほしいと思います。

 18日の夕方には、小泉農林部会長主催の「農林骨太PT」の第1回会合に出席しました。農政新時代という部会長の掲げるスローガンを具体化し、今後の政府の施策に反映させるべく、生産コスト、人材育成、輸出の3面について若手議員で勉強し、提言をまとめようという目的です。小泉代議士から声をかけてもらい、私も幹事として参加しました。これで、同期4人が一緒に農林分野に取り組む形ができました。

 19日(火)は沖縄県宜野湾市に日帰り出張し、24日(日)が投票日の市長選を戦う佐喜真候補事務所を激励しました。取って返した東京では南砺市議会自民クラブの議員の皆さんと懇談、20日(水)には今後の社会保障制度の在り方や診療報酬改定について厚生労働省の担当者を招いての勉強会に臨みました。

 国会では、27年度補正予算案と関係法案が20日に参議院でも可決・成立し、22日(金)からはいよいよ本予算の審議に入ります。政務調査会の動きでは、20日に北海道振興特別委員会で、補正予算・本予算の説明があり、21日(木)には情報通信戦略調査会でNHKの28年予算の説明を受けました。夕刻には、北陸新幹線の敦賀以西ルート検討委員会の第8回会合があり、大阪府の松井知事、大阪市の副市長からヒアリングを行いました。関西広域連合が一度「米原ルート」を提言した事は、「横においておいて」、早期着工・早期開業に向けて検討委員会で早く結論を出すべきとの力強いお話しでした。

 来週は、本予算の審議が具体化します。会館・議事堂・党本部を文字通り、駆け回って仕事を進めて行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第312号)

 時節は小寒・大寒という時期ですが、今年の富山は雪がちらつくものの、ここまで平野部の積雪ゼロが続いています。エル・ニーニョ現象の影響でもあるのでしょうが、この先の天候が不順とならぬよう念じています。

 先週末は、富山県連女性部の初顔合わせをはじめ、各種団体の恒例の新年会に出席し、12日(火)に上京しました。通常国会は、補正予算の審議が着実に進み、13日(水)に委員会採決、14日(木)には本会議を通過、参議院に送付できました。このまま行けば来週半ばに成立し、早期に執行できるものと思われます。今回の補正予算の柱は「一億総活躍」と「TPP対策」で、主な内容は、保育・介護現場への施策充実、年金生活者への一律3万円給付、地方創生のための自治体への交付金(千億円)、農林水産業に係るハード・ソフト対策などです。予算そのものに関わる論点として、3万円給付の時期・対象者の問題、TPPの条約批准前の対策の可否などが議論され、野党側の賛成は得られませんでしたが、効果的な内容であると思います。

 前年度の補正予算では、公共事業の残工事が増えていた事もあり、公共事業の追加がほとんど無く、27年度に入って、各地で新規事業が採択されない事態となりました。とりわけ、土地改良事業に影響が深刻であり、また、北陸新幹線関連事業が終わった富山県では工事量の落ち込みが全国一となっていました。今回の補正予算では土地改良事業を重点的に千億円程度追加しており、防災・減災関係の公共事業と併せ、一定の手当てになると思います。福祉関係の充実はもとより、自治体から追加要望の強かった学校施設整備費も追加されました。3万円給付の問題は我が党内でも予算編成時に議論があった所で、中長期的に世代間の負担・給付をどのように設計して行くかは今後稲田政調会長の下、財政再建特命委員会でも議論する事になっています。確かにこの2年間、民間給与の水準は上昇している一方、年金は過去のデフレ時に据え置いた分を解消するために増額されておらず、臨時給付には一定の意義があります。消費が盛り上がらない景気の現状への手当ての意味もあると考えます。

 補正予算に併せ、税収上振れ分の地方交付税を27年度に繰り越す法案、国家公務員の給与改正法案も併せて衆議院を通過、序盤の国会はまずまずの滑り出しで、来週末から本予算の審議に入る見込みです。私が担当する総務部会も13日に今年の初会合を持ち、総務省の通常国会提出予定法案の概要を聴取しました。昨年末の税制・予算ともに、地方にはそれなりに配慮された仕上がりとなっており、今後は年度内成立に向け、理事を務める総務委員会の運営に努力していきます。

 14日の予算成立後、行きは飛行機、帰りは新幹線で富山にトンボ帰りし、映画「人生の約束」の公開に沸く射水商工会議所の新年会に出席しました。映画も近々鑑賞の予定です。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第311号)

 新年早々、4日(月)に通常国会が召集され、晴天の下、天皇陛下にご臨席頂いて開会式がありました。次いで、安倍総理の外交報告、麻生財務大臣の財政演説があり、早速補正予算から審議が始まりました。議席は、秋の党人事を受けて、同期で一緒に政務調査会の部会長を務める小泉進次郎議員と3年ぶりに隣り合わせになり、旧交を温めています。6日(水)、7日(木)と衆参でそれぞれ各党の代表質問があり、8日(金)からは衆院予算委員会での論戦に入ります。

 異例の日程に対応するため、私も地元の挨拶回りは年末に済ませ、三が日から東京に詰める形になりました。ここまで暖冬が続き、氷見漁港の「寒ぶり宣言」も未だ出されず、平野部での積雪も全く無い状況も気がかりな所です。もちろん東京も暖かく、「松の内」気分無しに党本部の会議や各省庁のレクなど通常モードに入っています。

 昨年末から2週間ぶりの報告ですが、この間、近隣諸国との外交面で大きな動きがありました。まず、年末に韓国との間で慰安婦問題について最終解決の合意を見ました。歴史に向き合い、我が国としてもお詫びすべきは謝罪し、次の世代に負担を残さない形で両国の一層の連携を図る内容で、大きな成果だと思います。日米韓3国の連帯を強めることは、東アジアの安定に大いに寄与するものと考えます。次いで6日朝、北朝鮮が4度目の核実験を行った事が確認されました。先方は水爆実験と発表しているものの、原子爆弾であったようです。このような行為は、国際社会に対する挑発であり、国連安保理決議にも違反する暴挙です。政府はもちろん、党も早速対策本部を立ち上げ、同日夕刻の初会合で北朝鮮に抗議する緊急声明を取りまとめました。8日には衆議院本会議が予定され、抗議決議が採択される見込みです。国連安保理を始め、国際社会が連携して北朝鮮に対し、厳しく断固たる態度で臨むべきです。

 さて、190回を数える今国会ですが、会期は6月1日(水)までの150日間。後に参議院選挙を控え、大幅延長は困難で、タイトな日程が予想されます。主な論点としては、消費税への軽減税率の導入、TPP大筋合意の国内への影響と対策、沖縄の普天間基地移設問題などが挙げられます。まずは、一日も早く補正予算を成立させ、本予算も年度内成立を目指します。税法も、軽減税率の規定が置かれている事から十分な審議を求められる可能性があり、赤字国債の発行を5年間延長する特例公債法も絡みます。財政再建の道筋をしっかりつけていく不断の努力が必要です。

 野党側では、衆院で民主党と維新の党が統一会派を組み、臨時国会が開かれなかった事を含め、厳しい態度で臨んでいます。政府・与党としては、この間の内政・外交の取り組みを丁寧に説明するとともに、個々の案件について審議を尽くしていく姿勢で臨みたい所、私も総務委員会理事として努力して行きます。

カテゴリー: 国政報告 |