2016年3月

国政報告(第322号)

 春分を過ぎてもまた寒めの日があったりで、季節も一進一退の毎日です。連休の週末でしたが、19日(土)は国道8号線の射水市坂東立体交差化事業の竣工式に出席しました。平成18年から10年をかけた事業でしたが、庄川右岸の県西部有数の渋滞箇所が解消され、朝晩の車通勤の時間が確実に短縮されます。先に下流で架橋された牧野大橋とあわせ、射水・高岡間の道路網が充実し、後は最下流部の国道415号線新庄川橋の架け替えが残された課題です。

 過日、国道8号線倶利伽羅トンネルの更新についてもルートが決まり、検証作業が長引いていた利賀ダムについても下旬に関係自治体の会合が再開され、手続きがパブリック・コメントへ前進する見通しとなったそうです。新幹線開業で一段落していた社会資本整備ですが、新たな整備項目の準備が進み始めており、東海北陸道の四車線化の着手についても一層努力して行こうと思います。

 土曜は党福光支部の総会にも出席し、20日(日)に高岡市・中田町合併50周年記念式典に参列した後、21日(月)の夜に上京しました。明けて22日(火)の総務委員会で、懸案のNHK予算案の審議を終え、与党とおおさか維新の会の賛成で承認に至りました。党総務会でも了承に3回かかるなど難航してきましたが、24日(木)の本会議で可決、参議院に送付するに至りました。年度末に向け、参議院でも新年度予算が29日(火)に成立の見込みとなりました。さらに、税制改正法案やNHK予算の年度内成立に向け、野上議院運営委員会筆頭理事ほか関係者が頑張っておられます。一方、衆議院では法案審議と並行して24日にTPP特別委員会が設置され、残る2カ月余の会期でTPP条約本体の批准と関連法案の成立を目指します。後半国会は、ここへ来て弱含みとなってきた景気の動向に注視しつつ、TPPを焦点に展開しそうです。

 このほか党の会議も、23日(水)に2020年財政構想小委、24日に北陸新幹線敦賀以西PTなど議論が進んでいます。2020年小委は30日(水)の第2回全体討議を踏まえて4月中旬にも次世代の皆さんへのメッセージの形で総論を取りまとめる予定です。新幹線PTでは、JR西日本・東海2社から新大阪駅への乗り入れ問題のヒアリングを行い、新幹線・リニア新幹ともに、新大阪駅の地下に乗り入れたいとの希望を聴取しました。来週は、参議院選挙向けに総務部会関連の公約の取りまとめに入って行く段取りです。

 さて、最近、都市部を中心に保育所の待機児童の問題が深刻化しているとの報道が相次ぐ折、厚生労働省児童家庭局に現下の情勢をレク頂きました。待機児童数は4月時点の数字を公表していますが、赤ちゃんはどんどん生まれてきて、母親が産休・育休を終えて職場復帰しようとした折、年度途中の入所希望者が保育所側に断られることが問題化しています。一番深刻なのは0歳児で、次いで1-2歳児です。いわゆる3歳未満児の保育ニーズへの対応は、一億総活躍の実現の上でも重要な視点です。次世代へのメッセージにはこのような厳しい現実に与党としてどう対処していくかも書き込む必要があろうかと思います。

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国政報告(第321号)

 先週末の12日(土)、故高平公嗣県議の通夜に参列しました。「ありし日のお姿」として、元気に活躍されていたスナップが映写されましたが、今また現世でお会いできそうな錯覚を感じ、寂しさがつのりました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 13日(日)の党大会、富山県連の国会議員は、宮腰県連会長ほか皆さんが富山で葬儀に参列されたため、田畑議員と私で出席し、優秀党員などで表彰された皆さんに祝意を伝えました。大会では参議院議員選挙の勝利を目指し、候補予定者の皆さんと「ガンバロー」を三唱して気勢を挙げました。とりわけ安倍総裁の演説では、3年3カ月の政権運営による実績の上に、「日本を取り戻す」という私たちの初心としての公約を実現するべく、経済成長、地方創生、1億総活躍、地球儀を俯瞰する外交など、到達するべき目標、解決するべき課題に引き続き全力で取り組んで行く姿勢を強調されました。

 14日(月)に富山で後援会の皆さんとの会合があったので、結局東京と富山を2往復、金曜から月曜まで毎日北陸新幹線のお世話になりました。その新幹線も13日で開業2年目に入り、地域に与えたこの1年間の大きな効果を実感しています。金沢以西の早期開業、敦賀以西の小浜・京都・新大阪への早期延伸を望みつつ、この高速交通体系を活かした地域づくりという新たな選挙区の課題に国政の立場でしっかり取り組んで行きたいと思っています。

 通常国会は会期の折り返し点を迎え、参議院で新年度予算案の審議が大詰めとなる一方、衆議院でも各委員会がスタートし、法案も今週は本会議で5本を可決し、参議院に送付しました。私の所属する総務委員会も、15日(火)に放送全般についての質疑をした上、NHK予算案に審議入りし、17日(木)に2時間の質疑がありました。18日(金)には東日本大震災復興特別委員会で、発災5周年を踏まえて最近の状況について質疑が行われます。いずれも与党の質疑時間は短く、党としての2期生以下の質問経験を増やす方針のため、今国会では私の出番はまだ無い現状です。その分、委員会の円滑な運営のために、役所やNHKと打ち合わせたり、附帯決議の与野党調整をこなしたりしています。

 このため、表面に出てくる活動は、党政務調査会の会議となります。15日は国土交通部会・北海道振興特委で、事務局長として第8期北海道総合開発計画案の承認を取り、16日(水)は郵政問題特命委・総務部会・財務金融部会で、部会長としてゆうちょ銀行、かんぽ生命の限度額引き上げの政令案の承認を取りました。4月1日から貯金の預入限度額は1千万円から1千3百万円に引き上げられ、保険は4年経過後の積み増し限度額が3百万円から1千万円に引き上げられます。

 また、16日には文化GDPのPTの初会合があり、堂故政務官にも出席頂きました。文化庁の取り組みの説明を受けた後、英国人で日本の文化財修理会社の経営に携わっておられるデイビッド・アトキンソンさんから、文化財を活用して地域経済を元気にする具体的な取り組みや提言を講話頂き、大いに啓発されたところです。

 2020年財政構想小委も、4月中旬の次世代へのメッセージ取りまとめに向け、同日、メンバーの全体討議を1時間半行いました。桜の季節に向け、自分の進める仕事も花開くよう取り組んで行きます。

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国政報告(第320号)

 9日(水)の朝一番に携帯電話に吉田秘書からのメールが着信し、高平公嗣県議が急逝された由、信じられない訃報でした。議長はもとより、党県連の幹事長や県議会議員会長など要職を歴任され、県政の要のお一人であっただけに、ぽっかり空いた穴の大きさを痛感しています。ご冥福をお祈り申し上げます。

 通常国会は、参議院の予算審議がたけなわとなっていますが、今週は衆議院も8日(火)、10日(木)と本会議があり、雇用保険法、在日米軍協定と年度末に向けて成立を急ぐ案件の審査が始まりました。東日本大震災の発災から5年を迎え、11日(金)には国立劇場で追悼祈念式典が予定されています。衆院の復興特別委員会も9日に大臣所信を聴取、一方、総務委員会は10日、15日(火)と一般質疑をこなした後、NHK予算案の審議に入る予定です。本件は、衆参両院で年度内に成立するよう担当者として努力します。

 さて、先週末は5日(土)に党高岡市連の女性部・青年局・部の合同懇親会、6日(日)に高岡市二塚地区の集会南砺市連井口支部の総会に野上・堂故参議院議員等と一緒に出席し、夏の参議院選挙への支援をお願いしました。いつものように7日(月)朝、新高岡駅7時28分発の臨時かがやき536号で上京し、国会・議員会館・党本部を行ったり来たりの生活が続いています。

 東京での移動は、議事進行係を務めていた時は衆議院の自動車が専属でついてくれていたのですが、今年は元に戻って、くじ引きで、日に拠って党から自動車が手配されたり無かったりしています。幸い9日に配車頂いたので、ビッグサイトの建築資材関係の展覧会に足を伸ばしてみました。ブースに出展された、折井着色所の折井社長にご挨拶、近況を伺う事ができました。伝統的な金属表面の着色技術を活かした内装材を開発され、売り上げも順調に伸び、新入社員も採用しているとのこと。10年前から高岡市独自の小中学校の学科として続く「ものづくり・デザイン科」で市内在住の職人さんから鋳物や漆の手ほどきを受けた世代が成長し、入社している事を知り、学科導入に関わった一人として嬉しく思いました。そのほか、塩谷建設、ナンゴ―、大建工業、カイスイマレン、ベルクなど地元企業の皆さんが出展されており、それぞれに進取の意気込みを感じました。

 国政の主要課題を見ると、TPP関連法案が閣議決定され、4月以降、国会審議に付される見込みです。沖縄の普天間基地移設の取り組みは、辺野古沖埋め立て許可を巡る沖縄県との訴訟が和解に至り、国・県で再び精力的に協議する事になりました。原子力発電所は、九電川内原発に続き、再稼働に入っていた関電高浜原発3・4号の運転停止の仮処分決定が大津地裁で出され、一段の法的手続きが求められる事態となりました。また、10日には与党の北陸新幹線敦賀以西ルート検討委員会が開催され、国土交通省にデータ整理をお願いするルート案を、小浜・京都案(JR西日本案)、舞鶴・京都案、米原案の3案に絞り、なお、新大阪駅への乗り入れの形を確認することとなりました。様々な課題が錯綜する国政ですが、少しでも解決するよう努力していきます。

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国政報告(第319号)

 今週の一番の報告は、1日(火)の衆院本会議で新年度予算案が、関連する国税・地方税法案や赤字国債の発行を向こう5年度許容する法案とともに可決、参議院送付となったことです。これで年度内の予算成立が確実となり、通常国会の焦点は参院の予算委員会に移りましたが、私とすれば、NHK予算案の両院総務委員会での年度内承認をも確実に成し遂げる事が当面の課題です。

 さて、週末の27日(土)は河合常則前参議院議員の政治回想録「則天去私」の出版記念パーティに出席しました。生い立ちに始まり、城端町議、富山県議、参議院議員と活動の幅を広げて行かれた先生の折々の出来事が、絵巻物のように的確かつ興味深く描かれています。私ども後に続くものにとっては、過去の県政界を知るとともに、難しい決断を迫られた折に先生がどのように身を処されたのかを学ぶ上で、貴重なご執筆であると思います。河合先生には、来春の全国山・鉾・屋台保存連合会城端大会に向け、健康に留意され、お過ごしなさるように御礼のご挨拶を申し述べました。

 28日(日)は珍しく予定が無く、29日(月)の夕刻に上京し、既述の予算案審議に臨んだところです。一方、総務部会では先週に引き続き、予算関連外の法案として「行政機関個人情報保護法案」を審議・了承しました。国の各省庁や独法の持つ様々な情報の中で、特定個人を識別できない形で加工したものを、民間部門といわば横並びで提案者に提供する手続きを定めたものです。交通ICカード利用者の膨大な行動パターンを、個人が識別できない形で加工・提供しようとした試みに端を発するビッグ・データの活用ルールが一段と整備される訳で、今後は地方自治体の条例ベースでの対応が課題となるそうです。

 2020年経済財政構想小委は、2日(水)に第4回会合を持ちました。今回は、親会である財政再建特命委員会のアドバイザーの一人でもある慶応大学の大屋教授に「世代間公平」を実現して行く上で直面するであろう問題を法哲学の立場から論じて頂きました。政治の場では、有権者内の利害調整は取り組めるものの、まだ見ぬ世代との間で社会保障の負担額などを調整しようという動機は、民主制の下であっても存在しにくい訳です。後に続く世代を顧みず、現世代だけで地球上に存在する資源を使い切ったり、膨大な借金を付け回したりする行為を防ぐ方法は何かと考えて行くと、教育の果たす役割はもとより、政治に携わる私たちの次世代への姿勢が問われるという認識を新たにしました。

 さて、参院に舞台を移し、安倍総理始め閣僚と与野党議員との論戦が続いていますが、日本銀行のマイナス金利導入の効果と今後の展開や、来春の消費税10%引き上げの判断、憲法改正に対する姿勢など、議論の展開に注目しつつ、夏の参院選に向けての党の公約づくりなど、持ち場での課題に取り組んでいきます。

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