2020年11月

国政報告(第553号)

 11月も下旬となり、富山は週末の強風で街路樹の葉もすっかり落ち、初冬の装いです。東京でも、銀杏の葉がさらさらと落ちる中、来年度の税制改正を審議する党税制調査会(税調)が始まりました。臨時国会は、本日(24日(火))の衆院本会議で、日英経済連携協定を参院に送付し、公務員の定年延長法案を除く内閣案件は全て衆院を通過しました。併せて、各委員会の議員立法も5本可決され、この後は、特別委員会での大臣所信聴取・質疑を順次こなし、予定通り12月5日(土)に平穏に閉会の運びとなりそうです。

 一方、コロナウイルスは「第3波」とも言える感染者数急増が、北海道、大阪などで発生し、連休前の20日(金)夜の有識者会合を経て、政府はGOTO事業の一部見合わせの方針を示しました。ようやく一息ついていた関係業種の皆さんには申し訳ないですが、「正しく恐れる」という、予防と生活・経済の回転とのギリギリのせめぎ合いで、苦渋の決断が迫られる現状です。世界全体の感染者数を見ると、累計は5800万人を超えましたが、現在感染者数は54万人で、前週より減少しています。我が国とは比較できない規模ですが、世界的に流行小休止の兆候が表れ、一筋の光明を感じます。百年前の「スペイン風邪」の時も、猛威は2-3年続いたそうで、今回も腰を据えて現状に向き合う必要があるのかもしれません。

 先週に戻り、18日(水)の夕刻、久しぶりに「2020年以降の経済社会構想会議」を開催しました。小泉環境大臣から2050年までに「カーボン・ニュートラル」(脱炭素)を目指す菅内閣の方針について説明してもらい、参加者で討議しました。19日(木)は、衆院総務委員会で、土曜配達を取りやめる郵便法等の一部改正法案を審議し、全会一致で可決しました。20日(金)は、朝の総務部会役員会で、第三次補正予算に盛り込むべき経済対策について議論しました。お昼の地方税勉強会を経て、午後からは、党税調にて、部会長ヒアリングに臨みました。固定資産税、自動車税等について、コロナウイルスで影響を被っている業種から種々対応を求められていますが、自治体側では、行政運営の基礎となる税収の確保が必要である旨、基本的な立場を申し述べました。

 週末の22日(日)、富山市にて党県連の支部長・幹事長会議が開催され、知事選敗北の総括と併せ、宮腰会長・五十嵐幹事長から野上会長・宮本幹事長への交代が了承されました。これに伴い、私も会長代行を仰せつかり、野上会長を支えて県連の前進に努力してまいります。23日(月)朝は、射水神社の新嘗祭に参列し、今秋の収穫への感謝と併せ、コロナウイルスの克服を念じました。再び上京して24日(火)には、新田新知事と県選出の党国会議員との顔合わせに参加し、一緒に二階幹事長に挨拶しました。新知事とともに、県勢の発展にも改めて努力していきます。

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国政報告(第552号)

 14日(土)、穏やかな秋晴れに木々の紅葉が鮮やかな佳き日に、砺波市の若鶴酒造株式会社取締役の稲垣貴彦さん・彩花(さやか)さんの結婚式が挙行され、私ども夫婦は、16年ぶりに媒酌人を務めさせて頂きました。新郎は、IT関係会社での勤務を経てふるさとに戻り、ウイスキー製造事業を復活させ、さらに高岡銅器の技を活用した鋳造型蒸留器「ZEMON」を開発、特許も取得されました。地方創生が叫ばれる中、地場の伝統工芸にも目を向けて新しい価値を産み出す若き企業家の前途に幸多かれと祈念しました。

 東京では、10日(火)に菅総理が第三次補正予算編成を指示し、恒例の税制改正・新年度予算編成作業と並行して党政務調査会の各種会合が精力的に開催されています。一方、コロナウイルスの感染者数は北海道で急増しているほか、大阪府、神奈川県、千葉県などで夏場を上回る状況となっています。予防と社会・経済活動との両立、「正しく恐れる」という基本線に沿って、政策をどう進めて行くか、悩ましくも、決意を持って臨んでいく必要があると思います。飲食、宿泊、交通など特定の業種では、需要が十分に回復しないまま、雇用調整助成金で雇用を維持しているケースもあり、適用期間の延長と併せて構造転換が迫られる場合も出てくるのでは、と危惧します。16日(月)に7-9月期の四半期GDPの速報値が発表され、回復がみられるものの、その足取りは、中国・欧米に遅れを取っています。「生活の痛み」を最小限に抑えるためにも、科学的に安全な行事は、むしろ積極的に実施していくべきだと考えます。

 国会の審議状況は、本会議にて予防接種法(10日)、日英連携協定(12日(木))の趣旨説明・質疑が行われたほか、内閣提出の各案件が委員会に付託されています。総務委員会も12日に大臣所信に対する一般質疑の後、郵便法改正案の趣旨説明を受けました。

 13日(金)朝、党デジタル社会推進本部の役員会があり、第一次提言案を議論しました。新設が予定されているデジタル庁の業務と組織の在り方はもとより、国と地方の行政の連携、マイナンバーカードの活用、情報保護ルールの一元化、効率的なシステムの設計、運用など、論点は多岐にわたります。これまでの施策に手戻りを生じさせぬよう、また、自治体等との意見交換を通じて、関係者の理解を深めることなど、年末までの短期間に取り組むべき事項が多々あり、まさに菅内閣の政策実現の目玉です。私にとっても、総務大臣政務官を務めた際に、「電子政府」の必要性を理解して以来、個別分野について取り組んできたテーマです。総務部会長の立場からも、地方側に実のある改革となるよう議論に参加して行きます。

 12日の夕刻、党文化立国調査会にて、東京国立博物館で「工芸2020」展と「桃山―天下人の100年」展を鑑賞する機会がありました。「忙中閑あり」、心の洗濯もして前進していきます。

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国政報告(第551号)

 先週末に遡って、1日(日)朝、砺波市の市立図書館のオープニングに出席しました。公共施設を再配置しつつ、アズマダチをイメージした大屋根や、ワンフロアで明るい館内など、工夫を凝らした設えです。砺波高校生を始め、図書館運営を支援する市民のボランティア組織も充実したとの由、ハード・ソフト一体となった取り組みに、夏野市長提唱の「もう一つ上の砺波」を実感しました。

 8日(日)に告示された砺波市長選では夏野市長が、また、南砺市長選では庁舎問題など着実に課題を解決されてきた田中市長が無投票再選となりました。同時に行われた南砺市議会議員選挙も、党推薦の17名が全員、無投票当選されました。7日(土)に、堂故参議院議員、山本県議(第三選挙区支部幹事長)とともに、各陣営を激励訪問し、知事選の御礼とお詫びもさせてもらいました。

 一方、臨時国会開会中の東京では、衆参の予算委員会で2日ずつの総括的な質疑の後、各常任委員会の審議が始まりました。私の所属する総務委員会も、本10日(火)に初回として、武田総務大臣の所信を含めた就任挨拶を受け、12日(木)には質疑を予定しています。党政務調査会も、10日の菅総理の第三次補正予算編成指示を受け、下村会長から経済対策とりまとめの支持が各部会に下りました。補正予算の柱は、①コロナウイルス感染予防、②アフターコロナの経済対策、③防災・国土強靭化の三つで、現下の情勢に的確に対応する政策を盛り込む必要があります。総務部会でも、税制改正、新年度予算編成と並行し、精力的に議論を進めていきます。

 その他、4日(水)朝には、財政再建推進本部会合で、小渕小委員会の全世代型社会保障制度改革に向けた提言が報告されました。5日(木)は、朝にデジタル本部にて、民間、国、地方の個人情報保護制度の一元化への取り組みについて、政府の取り組みを聴取しました。次いで、史跡保全議員連盟メンバーとして、全史協総会に出席、午後は、文化立国調査会で翁家和助師匠の太神楽(だいかぐら)の実演を鑑賞し、研修所を経て一本立ちされるまでの経緯など講話頂きました。6日(金)には、地方議会制度PTにて、都道府県・市・町村の3議長会会長に出席頂き、地方議会の活性化と成り手不足解消に向けた要望と、県議長会の有識者研究会報告書の内容の説明を受けました。議会・議員の位置付けの明確化、権能強化、処遇改善、選挙制度見直しなど多岐にわたる論点がありますが、先に実現した町村議員選挙の公営化の拡大のように、一つでも実現させたいと思います。9日(月)の夕刻、沖縄振興調査会にて、新年度の税制改正要望、沖縄振興審議会における現行振興計画の取組の検証結果の中間報告、首里城復元の現状について聴取しました。

 9日、富山では、新田知事が就任・初登庁の由、新県政と向き合い、引き続き県勢の発展に努めていきます。

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国政報告(第550号)

 11月3日(火)、「文化の日」は、晴天が多い特異日と言われます。今日も天気予報では雨でしたが、午後の始めまで青空が広がりました。恒例の高峰譲吉博士の生誕祭と子供達への科学賞の授賞式が高岡市の高峰公園(博士の生家跡地)で開催され、出席しました。今春、博士の米国・ニューヨークでの別邸、「松楓殿」の内装等が高岡商工ビルに移設され、顕彰の取り組みが進展する中、コロナウイルスに配慮しつつ行事が遂行されて良かったです。例年、受賞した子供達の研究は、身近な疑問を大切に、粘り強く実験・観察し、論理的な考察が加えられていて、頼もしく思います。

 さて、国政報告は550号を迎えました。2009(平成21)年に初当選させて頂いてから11年間、公約通り、週毎に見聞き、考えたことを綴ってきました。野党から与党へ、平成から令和へ、安倍内閣から菅内閣へ、と移り変わり、今はアメリカの大統領選の投票が続いています。この50回は、衆院文部科学委員長としての活動を主体に、予期せぬコロナウイルスに見舞われ、対策を模索した日々となりました。今後は、党政調総務部会長として、総務省関連の政策の動きの報告が主体になると思いますが、この一年の間に確実に総選挙もあるので、政治全体の大きな流れにも注目です。

 先週の10月27日(火)、党政調審議会総務会にて、総務部会長として郵便法等改正法案を報告、了承頂き、政府から今国会に提出の運びとなりました。28日(水)は、朝に財政再建推進本部の小委員会に出席、全世代型社会保障に向けての提言案がまとめられました。所得条件付きでの75歳以上高齢者の方々の医療費2割負担の導入、都道府県における医療費適正化の取り組みの強化など、制度を持続させるための方策が盛り込まれ、本部に報告する予定です。続いて、情報通信戦略調査会に事務局長として出席、携帯電話料金の引き下げ、デジタルプラットフォーマーに対する規制の動きについて、総務省他政府から説明を受けました。午後は衆院本会議で、菅総理の所信演説に対する各党代表質問が行われ、コロナ対策、行政のデジタル化、日本学術会議の委員任命問題などがテーマとなりました。本会議は29日(木)午後も開かれ、週明けの2日(月)からは衆院予算委員会に舞台を移し、論点が深彫りされています。菅総理の答弁は、実務的で堅実な印象で、質問者への反論で場内が沸いた安倍前総理とは雰囲気が異なるようです。

 30日(金)夕刻に新高岡駅に戻り、そのまま高山への路線バスに乗りました。高岡市は故瀬島龍三先生の提唱で「飛越能経済観光都市懇談会」を主導しており、高岡・高山間のバス路線開設は長年の夢だったので、嬉しく思いました。1日(日)朝、党県連の常任顧問会議があり、宮腰会長と五十嵐幹事長が、知事選敗北の責任を取って辞任を表明、了承されました。お二人に申し訳なく思います。

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