2021年3月

国政報告(第570号)

 東京も富山も桜が満開の週末でした。昔、富山では入学式のころに咲いていたと記憶していますが、どうやら2週間は早くなったように思います。これも地球温暖化の効果なのでしょう。

 26日(金)に新年度予算案が参院本会議で可決、成立し、通常国会の審議も半ばを過ぎた感です。一方、新型コロナウイルスの感染者数は再拡大の兆候を示しており、宮城、愛媛などで急増し、飲食店の営業時間短縮要請が新たに出されました。発生から一年が経過し、「三密を避ける」など予防策は確立してきたものの、究極は、ワクチン接種により「集団免疫」を獲得しなければ克服できない事がはっきりしてきました。4月からは、医療従事者に並行して65歳以上の高齢者への接種が始まります。これまで90万人近い接種が済みましたが、高齢者は、毎週各県500人程度の接種からスタートし、5月以降に本格化する見込みです。ただ、欧州からのワクチン輸入が順調に推移することが肝心で、改めて国産ワクチンの早期開発が望まれます。当面は、「感染予防と社会経済活動の両立」の方針の下、慎重に対処していく事が政策の基本になります。

 週末の地元では、久しぶりに行事が多く、それぞれ感染対策を施して開催されました。27日(土)朝一番は裏千家淡交会高岡支部の初茶会で、濃茶席に伺いました。お茶席も一年ぶりで、通例は三人で一碗を頂くところ、各自一服とするなど随所に工夫が見られました。在田支部長が明治維新期の書付など披露下さり、様々な困難を乗り越えてきた茶道の伝統に思いを馳せ、今日を喜び合いました。次いで、第三選挙区支部の幹事会に出席、今後の地方選挙と秋までに実施される総選挙での勝利を目指し、支部総務会に提出する議案をまとめました。県議、市議始め、地域・職域支部の皆様の支援あってこそ、国政での活動が続けられている事、改めて感謝です。

 午後は党福光支部の党員総会に出席し、国政報告の機会を頂きました。コロナ対策、デジタル化・グリーン化・国土強靭化を柱とした成長戦略について菅内閣の取り組みをお伝えしました。夕刻、富山市に移動し、市長選に向けて藤井裕久前県議の激励集会に出席、さらに党県連の常任顧問会議も開かれました。一つ一つの選挙に確実に勝利することが党勢拡大の基本であると心得て臨んでいきます。

 28日(日)、氷見市長選挙が告示され、2期目を目指す林市長の出陣式に出席しました。夕刻には無投票当選となりました。次いで、明るい社会づくり高岡市民会議の50周年記念式典(株)日東さんのおとぎの森公園への防災用手押しポンプ贈呈式国際工芸アワードとやま2020表彰式に順次出席し、祝辞を述べました。久しぶりにフル回転の週末となり、多くの方々にお会いでき、充実感がありましたが、「ウイズコロナ」が続く状況下であることに注意し、慎重に活動していきます。

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国政報告(第569号)

 昨日(21日(日))、春雨の中、第88回党大会がグランドプリンスホテル新高輪にて開催されました。コロナウイルス対策が必須なため、国会議員のみが出席、各県連の代議員は各々の事務局からリモート参加となりました。昨年、党本部8階ホールにて内輪だけで済ましたのに比べ、今年は報道を通じて発信もでき、大会運営委員の皆さんのご苦労に感謝です。党歌も斉唱に代え、手話で「歌い」ました。菅総裁の演説では、新型コロナウイルスの終息を第一に、グリーン化とデジタル化の2大改革を進め、我が国を再び成長軌道に乗せるという基本方針が明瞭に述べられました。地方創生、子育て対策、日米関係を基軸とする外交、安全保障、憲法改正、東日本大震災からの復興と東京オリンピック・パラリンピックの開催と、施策の柱を列挙された上、4月の長野・広島県での参院補選、7月の都議会議員選挙、そして「遅くとも秋までに」実施される総選挙での勝利に向けて頑張る決意を示され、参加者で共有しました。

 20日(土)朝、富山から東海北陸道・中部縦貫道を通って高山市に行き、イルカ交通さんが支店と併せて開設された「インフォメーションカフェ・Ryu」のオープニングに出席しました。東海北陸道の全線開通から10年余、イルカ交通の村西会長はこの道路を利用した中長距離バス路線の開設に先頭に立って努力してこられました。同業者との連携路線も含め、県西部からの名古屋便、東京便、さらに、北陸新幹線新高岡駅や小矢部アウトレットモールと南北地域をつなぐ氷見・七尾線、白川・高山線と、着実にネットワークを張られています。「飛越能」なる地域概念を打ち出し、観光・経済の交流を進めるべきと提唱されたのは故瀬島龍三先生で、四半世紀前のことです。今や、高速交通体系が概成し、中部国際空港から能登まで、路線の形に因んで「昇龍道」と呼ばれる人流・物流の動脈が育っています。越中・能登をPRする、このカフェの名前も「龍」に合わせたようです。高山市は近年のインバウンド観光で最も注目される拠点の一つであり、まさに本州の「へそ」の如く、各地へのバス路線が発着する「ハブ」に成長しています。コロナの影響で、観光客の足はいったん止まった状態ですが、ウイルス終息後の大いなる飛躍を念じ、村西さんの永年の尽力に感謝の挨拶を述べました。

 首都圏1都3県の緊急事態宣言が終了し、感染のリバウンドを警戒しつつ、ワクチン接種を進めるという政府の対策を後押ししつつ、ご苦労されている方々への手当てを丁寧に進めることが当面の国政の焦点です。今週は参議院での新年度予算案審議が大詰めを迎え、私の所属する衆院総務委員会ではNHK予算案を扱います。25日(木)には福島から聖火リレーがスタートします。令和3年度を目前に、直面する課題を一つ一つこなし、未来への道筋が明るくなるよう、与党の一員として努力していきます。

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国政報告(第568号)

 先週の11日(木)で、東日本大震災の発災から10年となりました。同日午後、国立劇場にて天皇・皇后両陛下も出席されて政府主催の追悼式典があり、参列致しました。復興副大臣を2度拝命し、被災地にも度々通う機会を得、関係の方々のご苦労や、復興に向けてのお気持ちなど、自分なりに感じ取らせて頂きました。小さな課題でも解決を心掛けてきましたが、原子力被災地域は、未だ大きな課題を抱えており、津波被災地域にも心のケアや生業の復活、高台移転等で生じた未利用地の活用など、取り組むべき事項が残っています。今後とも、党の立場から努力していきます。

 9日(火)の本会議では、「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」(過疎法)が全会派一致で可決、参議院送付されました。現行法による措置が年度末で期限切れとなるところ、令和12年度末まで10年間、延伸するものです。県内では、南砺市、氷見市、朝日町が引き続き対象となる見込みで、有利な起債である過疎債等を活かした地域づくりの進展が期待されます。

 11日朝、党財政再建推進本部の会合がありました。現行の財政健全化目標では、2025年度までに国・地方を通じた財政のプライマリー・バランス(「歳入」から「公債費の元利償還金を除く歳出」を引いたもの)(PB)を黒字化するとともに、債務残高対GDP比を安定的に引き下げて行く事とされています。安倍政権成立以降、逐年努力を継続し、2018年度決算では、PBはGDP比-1.9%まで改善されました。しかし、昨春からの新型コロナウイルスに伴う予防対策と経済対策により、赤字国債の大量発行を余儀なくされ、2020年度のPBは-12.9%まで悪化すると試算されています。5-6月の骨太方針の策定に際し、3年に一度の目標の見直しが予定され、ウイルスの推移も見極めながら、取り扱いを議論する事になります。今一度、経済を成長軌道に戻して税収増を図るほか、戦後生まれの「団塊世代」の後期高齢者入りに対応し、医療・介護など社会保障費の増分の抑制が課題となります。東日本大震災からの復興経費が特別会計で処理され、必要な財源も所得税の特別増税(2.1%)など別途手当てされた前例も踏まえ、コロナ対策経費を一般会計から切り離すことも考えるべきだと思います。財政再建問題については、今後ともしっかり取り組みます。

 週末の地元では、13日(土)に高岡巧美会の50周年記念式典に出席しました。高岡市伝統工芸産業技術保持者の指定を受けた、金工・漆工技術者の皆さんの団体です。市内小中学校での「ものづくり・デザイン科」での指導や、首都圏等での工芸体験事業などを通じ、伝統工芸産業技術の保持・伝承・発展に永く寄与されています。今後も、新たな技・事業への挑戦を通じ、産地として更に飛躍されるよう、感謝の気持ちを込め、祝辞を述べた次第です。

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国政報告(第567号)

 「三寒四温」で春に向かう時節、週末の地元は肌寒い空模様でした。6日(土)、富山市にて4月の市長選に向けた藤井裕久前県議の事務所開きに出席しました。党の関係支部による候補者選考を経て、体制を構築し、地道に支持を広げていく由、市外の私たちも努力していきます。高岡市長選についても、党の候補者選考の手順が概ね決まり、4月5日(月)に決定の由、推移を見守っています。7日(日)、南砺市井口支部の総会に2年ぶりに出席し、国政報告の機会を頂きました。コロナウイルス対策として、広い会場で座席の間隔も取り、飲食無しでの開催でしたが、党員の皆さんに会えた事自体、嬉しいひと時でした。

 5日(金)の菅総理の最終決定により、8日(月)から首都圏1都3県の緊急事態宣言は21日(日)まで2週間の延長となりました。東京都の現在感染者数のデータを見ると、1月18日(月)の21,548人から順調に減り続け、7日には2,896人と昨年11月中旬の水準となっています。低位で安定していた10月下旬の数字まで、同じペースで減らしていくとすれば、所要期間を2週間とみる事も理解できます。一方、先に宣言解除となった関西圏等では、感染者数が若干リバウンドしている箇所もあります。夜間営業時間の一部繰り上げやクラスターの封じ込めなど適切な対策をこまめに取りながら、ワクチン接種が行き渡る間を凌いで行くのが、対応の基本線だと考えます。そのワクチンは、5日までに医療従事者4万6千人への1回目の接種が終わりましたが、予定数(460万人)の1%です。4月には、高齢者接種用ワクチンの各自治体への配布が始まりますが、当初は1週間に1箱(5~600人分)に留まり、本格接種は5月からになります。当面は「3密を避ける」対策を継続せざるをえず、飲食、旅行その他の対面型サービス業では厳しい業況が続くものと思われます。関係する従業員の方を含め、特定の業種・世帯に的を絞った社会・経済対策も同時に進める必要があると考えます。これらの延長線上に、東京オリンピック・パラリンピックの開催の可否、形態の検討が位置付けられるでしょう。

 先週5日(金)には衆院東日本大震災復興特別委員会が開催され、平沢復興大臣の所信を聴取しました。11日(木)の発災10年を前に、9日(火)、被災地出身の委員が復興の現状と課題を問う質疑が予定されています。津波被災地域では、ハード事業がほぼ終了し、生業の復興と心のケアを中心にソフト事業が継続されます。一方、福島県浜通りなど原子力災害被災地域では、除染を終えて復興が本格化する段階です。福島イノベーション・コースト構想や国際教育研究拠点構想の具体化により、産業を始め各種機能の配置により、希望者の帰還を加速していきます。復興の仕事に携わる機会を頂いた一人として、これからも応援していきたいです。

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国政報告(第566号)

 寒暖の差が激しい毎日、3月に入り、今日(2日(火))で新年度予算案を衆院本会議で採決、参院に送付できる見込みです。予算案は衆院の議決が優先し、「30日間ルール」が適用されるので、年度末の31日(水)までの成立が確実になります。この間、国会審議はコロナウイルス対策と議員・官僚の不適切な行動が焦点となり、総務省接待問題の対象となった山田内閣広報官は、体調不良で昨1日(月)辞職しました。緊急事態宣言下での国民の皆様への呼び掛け、国家公務員倫理規程の遵守など、一人一人が常識の範囲で判断、行動すれば不信を招かないはず。改めて自戒します。

 一方、新型コロナウイルスは、感染が落ち着いてきた関西圏、中部圏、福岡県で2月28日(日)をもって緊急事態宣言が解除されました。首都圏の1都3県は、7日(日)までの予定ですが、ここへきて感染者数の減少傾向が鈍化し、世界でもこの一週間は増加に転じるなど、予断を許さぬ状態です。ワクチン接種は、医療従事者への先行接種が3万人を超え、品物も1日に第3便が成田空港に到着するなど、実行段階に入りました。しかし、4月以降の自治体での接種については、ワクチンの供給計画(いつ、何個)が不明確で、会場、人員の手配が確定できない現状です。首長さん達が要望するように、具体的な計画を早期に示すことが国に求められています。

 先週は、2月25日(木)に総務委員会があり、地方税法・地方交付税法の両法案の審議が続きました。接待問題に関する質疑が多々ありましたが、交付税の税源確保、赤字地方債である臨時財政対策債の縮減、保健師の増員、脱炭素時代に向けた自動車税のグリーン化、男女共同参画の推進など、現場に即した問題提起もあり、本日で質疑を終局、採決の予定です。26日(金)には、党東日本大震災復興加速化本部総会に出席、谷事務局長に代わって司会を務めました。3月11日(木)で発災から10年となり、新年度からの第2期復興・創生期間のスタートに当たり、政府の基本方針や福島復興再生基本方針の改訂案を了承しました。地震津波被災地域ではハード面の事業がほぼ終結し、原子力災害被災地域では帰還が一歩ずつ進む一方、東電福島第一原発の処理水、汚染土壌の問題など、今後の課題も残っており、国の弛まぬ努力が必要です。

 週末の28日、南砺市の党石黒支部の総会に出席、今年初めての支部訪問でした。1日、上京前に、県立高岡高等学校の新卒業生の同窓会入会式に会長として出席、歓迎の挨拶を述べました。コロナウイルスの下、休校、受験と苦労の多い一年だったと思いますが、「ふるさとに誇りと愛着を持ち、頑張っていく」との卒業生代表の倉さんの力強い挨拶が胸に響きました。21世紀に入り、科学文明の発達した人間社会ですが、課題は尽きません。その克服を通じて前進する日本の政治でありたいと、心新たにする良い機会でした。

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