2021年6月

国政報告(第583号)

 6月も最終週となり、夏至を過ぎて梅雨空と夏空の交錯する毎日です。国会が閉会し、先週は23-4(水-木)日のみの上京で、党政務調査会の会議に出席、司会を務めました。

 23日には総務部会・情報通信調査会の合同会議で、総務省の情報通信白書の案を了承しました。5G、デジタル化などまさに日進月歩の分野で、国民の情報通信機器の活用状況も大きく変化しています。いかに対応・活用するか、行政の効率化、経済の成長等、様々な面からの政策対応が求められており、当局の努力に期待する発言が寄せられました。併せて、来年度予定されている電波利用科の見直しに向けた懇談会の検討状況も聴取しました。

 24日は沖縄振興調査会のヒアリングが午前・午後の2回ありました。今年度で10年間の沖縄振興計画が期限切れとなるため、新たな振興策のあり方を議論するべく、小渕会長の下、17回にわたるヒアリングを重ねてきて、その最終回となりました。この日の1回目は、若手経営者の視点からアフターコロナの観光施策や若年層の貧困への効果的な対策について、ご意見を伺いました。2回目は、カーボンニュートラルを目指す下での沖縄での発電事業の在り方や、製造業の振興策について伺いました。今後は、コロナウイルスの状況も見ながら、早期に現地に伺い、意見交換を持つ予定です。

 コロナウイルス対策については、県内でも高齢者のワクチン接種が進んでいます。先週末で1回打ち終えた方が6割に近づき、2回終えた方も4人に1人に達しています。立山町から64歳以下の方への接種も始まり、県主催の集団接種も、高岡会場では教育・介護等の職種の方々が対象となっています。28日(月)には、94日ぶりに県内での感染者がゼロとなるなど、接種の効果発現が期待されます。一方、欧州ではデルタ株と言われる変異したウイルスが流行し始め、ワクチンを2回接種しないと十分な免疫力を獲得できないとの報道もあります。東京圏では感染者数が再び増加傾向にあり、東京オリンピック・パラリンピックの開催方法など、注意深い対応が必要と思います。

 週末の地元では、26日(土)に南砺市福野地区にて、となみ青年会議所の50周年記念式典が、コロナ対策を施して開催されました。本来は昨年開催を計画されながら、見合わせて来られた由。この時期のイベント開催には、主催者の皆さんのご苦労が大きいと思いますが、それだけに、OB会員も含めて一定の方々が集い、想いを新たにされる機会は貴重であり、意義深いものだと実感しました。27日(日)には高岡市長選が告示され、一週間の選挙戦に入りました。このため、今週は7月1日(木)を除いて地元滞在となる予定です。各市の来年度に向けた要望事項を整理し、来週からの東京での活動に備えます。

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国政報告(第582号)

 前号で報告すべきでしたが、13日(日)朝、高岡市にて城端線と交差する市施工の都市計画道路下伏間江福田線の京田アンダーパスの竣工式があり、出席しました。25年前の平成8(1996)年、全国都市緑化フェアが「おとぎの森公園」を主会場に開催された折、暫定的に踏切を設けて開通したこの道は、フェア終了後に不通となりました。再度の開通を願う市民の声を受け、平成17(2005)年に市が将来のアンダーパス化をJR西日本に約束して、再び踏切を設置して通れるようになりました。平成29(2017)年度からアンダーパスの工事に着手され、このほど、暫定二車線で供用に至ったものです。四半世紀にわたる基盤整備の課題が解決を見た訳で、途中、市長として関わった立場から感慨深い式典でした。思えば、北陸新幹線や能越自動車道も先人の方々の努力が連綿と受け継がれ、今も建設途上です。次代のために、想いを持って粘り強く取り組む事も、今を生きる私たちの責務と決意を新たにしました。

 さて、通常国会は当初の会期通り、16日(水)に閉会しました。これに先立ち、野党側から会期延長要求が出されましたが、案件の審議が概ね終了しており、コロナウイルス対策等の事案は閉会中審査でも足りるとの判断から与党側は応じませんでした。これを受けて菅内閣不信任決議案が提出されましたが、15日(火)の衆院本会議で否決されました。野党側(日本維新の会を除く。)は、政府のコロナウイルス対策を批判し、感染拡大を防止するため、東京オリンピック・パラリンピックの中止・延期も求めています。しかし、不信任決議案を提出することは、内閣がこれを拒んで衆議院を解散しても受けて立つ決意である事を意味しており、感染防止の観点からは矛盾すると思います。ましてや、与野党の議席差からして否決を予想して、会期末に自分たちのポーズを国民に見せるための決議案だとすれば、中身の無い話で、筋が通らないと考えています。

 コロナ対策の焦点となっているワクチン接種は、先週も各地で順調に進み、富山県でも65歳以上の一回目の接種率が5割を超えました。今週末からは県主催の集団接種も富山・高岡両市で始まり、各市町村も64歳以下の接種の準備を進めています。企業等からの職域接種の申請も相次いでおり、来月に入ると社会全体に接種の効果が表れてくるものと見ています。国民全体に対する一回目の接種者の割合は17%に達しており、以前から述べている30%台への到達もそう遠くない状況です。各種世論調査でも、オリパラについては、観客を絞って開催しても良いと考える国民が増えつつあります。一方、衆議院の解散は、国会が閉じたため、事実上、オリパラ以後に遠のき、9月上旬から10月21日(木)の任期末まで、若しくは任期満了選挙の可能性もあります。ともあれ、夏の予算編成に向け、党の仕事を進めながらの毎日です。

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国政報告(第581号)

 今日(14日(月))から関東地方も梅雨入りしました。北陸はまだですが、昨13日(日)は梅雨の走りを思わせる天候でした。コロナウイルスのために一年延期された裏千家淡交会青年部の北陸信越地区ブロック大会が砺波市のチューリップ四季彩館で開催されました。感染対策を施し、県外からの参加は全てリモートでお願いするなど、制約はやむを得ないものの、世話方のご苦労の甲斐あって、久しぶりに同門の皆が触れ合う良い機会でした。その後、党砺波市連女性部の第一回政治塾に講師としてお招き頂きました。4月の市議選で、党員から大楠、山田、林、境の四人の女性議員が誕生し、県内随一の女性比率となったこともあり、コロナを「正しく恐れ」つつも、和やかな集いでした。今国会で「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の一部改正案が成立するなど、多様な人材が参加する議会を目指す国会の努力の状況を報告しました。

 先週は、三月以来懸案となっていた総務省幹部と放送・通信事業者との国家公務員倫理規程違反の会食や、東北新社の外資規制違反に係る官民のやり取りを巡る総務省第三者委員会の調査結果の公表を受け、8日(火)に衆議院総務委員会の質疑が行われました。残念ながら、倫理規定違反の会食がさらに増え、関係者が追加処分されました。また、外資規制違反の事実を東北新社が把握した際に、総務省の担当課長に知らせたか否かは、双方の主張が異なるものの、第三者委員会では、担当課長が知っていた可能性があるとされ、グレーな結果となりました。放送・通信行政について、事業者との関係を適切にし、外資規制のチェックなど制度の運用を反省し、法改正も含めて改善するなど、総務省として、襟を正して取り組むべきである旨、委員会における与野党の一致した思いだと感じました。

 10日(木)午後、政務調査会の全体会議で、来年度の予算編成ほか施策の指針となる骨太の方針、成長戦略、規制緩和推進計画の政府案が示され、各部会での議論も踏まえて審議され、意見を受けての修正を含め、下村政調会長に一任されました。コロナウイルスを克服し、新たに国が前進するための原動力として、デジタル、グリーン、地方創生、子育て・次世代育成の四点が掲げられました。また、財政再建については、2025年度を目途にプライマリーバランスを黒字化する目標を維持しつつ、年末までに再確認することとされました。その上で、社会保障、地方財政、その他の三分野に歳出の目安を向こう3年間継続することとなりました。私の立場とすれば、支持できる内容です。勿論、コロナウイルスに係る緊急対策はこの枠に関わらず、機動的に実施する事になっています。会期末を控え、野党側からの会期延長要求について、本日、与党側が拒否し、これを受けて、野党側は内閣不信任決議案を提出するようです。この後の動きについては次号で報告します。

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国政報告(第580号)

 六月に入り、通常国会もあと一週間余りとなりました。明日(8日(火))の衆院本会議で内閣提出案件の審議が終わり、9日(水)には久しぶりの党首討論が開催されます。当初の会期通り、16日(水)に閉会、政治日程は7月4日(日)の都議選が次の山です。

 コロナウイルスは第四波が次第に終息しつつあり、高齢者向けのワクチン接種も進み、国民全体に対する接種率(1回目の)も、10%を超えました。地元の高岡市でも、接種予約済の方が高齢者の6割に及び、集団接種も導入したことから、今日(7日(月))は初めて予約が上限に達しませんでした。電話やインターネットがつながりにくいとの苦情も、これで緩和されるものと思います。今後は64歳以下の接種を始めなければなりませんが、基礎疾患のある方やエッセンシャル・ワーカーの皆さんなど、優先すべき対象を確定させ、予約が殺到しない方策を今のうちにしっかり準備し、住民の皆さんに広報していく事が大切です。また、政府は21日(月)から企業による職場接種も始めると発表しており、企業からの申請や医療従事者の確保の支援では、県の役割も期待されます。ともかく、コロナからの出口に向け、皆で知恵を絞る局面だと思います。

 先週は、コロナウイルスに感染し、宿泊療養や自宅療養を余儀なくされている方、また、海外から帰国し、検疫所から自宅待機を要請されている方の投票機会を確保する郵便投票特例法の準備に携わりました。各党協議会を経て取りまとめられた成案を5月31日(月)の総務部会・選挙制度調査会合同会議で提案、了承頂き、1日(火)に党政調審議会、総務会、与党政策責任者会議と一気に手続きを進めました。次いで、2日(水)朝、党国会対策委員会の法案説明会を経て、同日午後、衆議院に法案提出の運びとなりました。一部野党から、都議選からの適用は準備期間が短いのでは、との意見もありましたが、総務省・厚労省にて東京都とも情報交換され、施行可能との事でした。法案は、今日の衆院・政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫選特)にて質疑・採決の結果、可決され、明日の本会議で参院送付の見込みです。

 一方、党総務部会・地方議会のあり方PTの提言に基づき、地方議員の請負規制の緩和と招集日の変更を可能にする規定を盛り込んだ地方自治法改正案も、与党手続きを経て2日の法案説明会を通過しました。しかし、一部野党会派から検討する時間的余裕が無いとして賛同を得られず、今国会での成立の見通しが立たない状況です。地元で5日(土)に6市の市議会議員有志で組織頂いている慶政会の総会が開催され、本法案の経緯を説明しました。捲土重来を期したいと思っています。このほか、1日、3日(木)と沖縄振興調査会の新計画に向けた関係者ヒアリングも精力的に進めており、今週は骨太の方針の議論も進みます。次号で報告します。

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国政報告(第579号)

 五月晴れというよりは、梅雨晴れの週末、気がつくと、いずこの田にも苗が植えられ、山々の新緑がまぶしく、自然の生命力を強く感じる季節になっていました。週末の30日(日)、感染症対策を入念にしたうえで、慶友会の年次総会を高岡にて開催しました。この報告でも毎号で綴っているように、現下の国政の最重要課題はコロナウイルスを克服し、国民の安全・安心を確保することです。社会・経済活動を再開し、対面型サービス業や文化・スポーツイベントなど、著しく厳しい環境におかれている方々を、早急にトンネルの出口へと導かなければなりません。決め手はワクチン接種であり、30日現在の我が国の接種率は7%台ですが、3割に達するであろう6月末には事態の改善が十分に期待できます。これ以上の延期が難しい東京オリンピック・パラリンピックも、観客数にはこだわらずに夏に予定通り開催し、アフター・コロナへと国を前進させることこそ、菅内閣に求められているのだと、話しました。

 幸い、今般の緊急事態宣言で、今日(31日(月))の新規感染者数は、東京都で260人(前週同曜日比80人減)、大阪府で98人(118人減)と収まってきました。残念ながら沖縄県では高止まり状況ですが、全国的には落ち着きをみせてきており、政府もワクチン接種を見越し、腰を据え、「第五波」を招かぬよう、6月20日(日)までの宣言延長を決めたものと推察します。富山県でも、前号で触れた福祉施設でクラスターの後は、新規感染者数が抑えられています。医療従事者への接種は1回目がほぼ行き渡り、高齢者の1回目の接種率も12.3%に上昇しました。予約受付の混雑もあと1~2週間で緩和されるものと思われます。ここへ来て国からのワクチンの供給量は接種回数を大きく上回り、市町村の在庫は潤沢になっています。28日(金)朝の新田知事から県選出の党国会議員へのリモート要望でも、福祉施設での接種開始が話題となりましたが、国は特段の制約を課していないので、現場判断で進めるべきと発言しました。31日から射水市のクラスター発生施設での接種が始まり、良かったと思います。国民の皆様には、感染対策の今の辛抱が最後となるよう、政府与党として努力します。

 このほか、党政調の総務部会長として、議員の成り手不足解消のための地方自治法改正法案に続き、外出が禁止されるコロナ患者の方に、特例的に郵便投票を認める法案も、与野党関係の皆さんとの協議、作成の一端を担わせて頂き、党内手続きを進めています。できれば7月4日(日)投票の東京都議会議員選挙から導入することを目指していますが、会期末を6月16日(水)に控え、限られた日程の中で各党間の調整が続けられています。2法案とも実を結ぶよう念じつつ、職務をこなすよう努めています。恒例の骨太の方針の作成作業も始まっており、次号以降で報告します。

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