2021年10月

国政報告(第597号)

 今任期中の国政報告も最終号となりました。21日(木)の任期満了を前に、14日(木)に衆議院は解散され、19日(火)公示31日(日)投票で、総選挙が予定されています。

 この4年を振り返ると、副幹事長、2度目の復興副大臣、文部科学委員長、2度目の党政調総務部会長と、1年毎に様々な仕事に携わる機会を頂きました。東北の被災地に何度も伺ったこと、沖縄県知事選の応援で1か月近く那覇に滞在したことなど、地元の富山とは異なる風土や文化に接し、改めて我が国の豊かな多様性を体感できました。地方議会の声を受けて、町村議員の選挙公営化を進める議員立法に携わるなど、立法府の一員としての活動も形にできました。文科委員長として、大学入試共通テストへの民間英語試験の導入の是非や、コロナウイルスの発生を受けた学校の一斉休校への対応を巡る議論を扱ったことも議会人として大切な経験でした。

 党では、情報通信・選挙制度・文化・復興・沖縄振興などの分野で継続して政策立案の議論に参画しました。財政制度と地方創生には、自分なりに腰を据えて取り組みました。2025年度までのプライマリーバランスの黒字化や首都圏への人口流入の抑止という大目標の達成への道のりは、まだまだ険しいものがあります。例えば、コロナ対策に必要な予算の財源をどう手当てするか、文化庁に続く中央省庁の地方移転を如何に進めるか、今後の課題は山積しています。一方、地方財政に関しては、財政再建の中でも「一般財源総額の前年度同水準ルール」を継続させ、地方交付税の額の確保に寄与できました。自治体からの要望が強い、臨時財政対策債(赤字地方債)の残高の縮減も実現が視野に入っています。

 12年前、国政に携わらせて頂いた折の目標、「地方から始まる新しい国のかたち。」は、今も変わりません。素晴らしい自然と豊かな伝統に包まれた全国津々浦々で、次世代を育む子育て世代の皆さんが自己実現を果たしながら暮らしていける国づくり。その核心は多様な仕事の場を地方圏に設けること。そのために、政府機関や企業の本社などの地方移転を進めるべき、との思いを胸に、総選挙に臨んでいく決意です。

 8日(金)の衆院本会議で岸田新総理の所信演説があり、11日(月)から13日(水)の各党代表質問を経て、国民の皆様に信を問う段取りです。演説からは、分配を重視し、国見の声を丁寧に聞き、政策に反映させることを第一に、コロナ禍を超えて国を前進させる気概を感じました。幸い、感染状況は落ち着き、ワクチンも、1回以上接種者の国民に占める割合は、今日現在で73.6%、2回接種者が64.3%に達し、先行する英国をも抜きました。我が国と富山が、令和の時代に新たな希望を持って前進していくよう、与党の一員としての努力をお誓いし、今任期最後の報告とします。

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国政報告(第596号)

 9月29日(水)の党総裁選挙にて岸田新総裁が選出され、10月1日(金)に甘利幹事長、福田総務会長、高市政調会長など党の新体制が固まり、本日(4日(月))の第205国会(臨時会)召集を迎えました。首班指名を経て、夕刻岸田内閣が発足、年齢・期数のバランスを取り、初入閣13人と、「刷新感」ある布陣だと思います。今国会の会期は14日(木)までで、21日(木)の任期満了を前の解散が想定されます。正午前の報道ベースで、総選挙は19日(火)公示、31日(日)投票日の日程で固まった由、緊張感の高まる週明けのスタートとなりました。

 新内閣の喫緊の課題は、菅内閣が注力してきたコロナウイルス対策を、感染予防、ワクチン接種、医療体制構築、経口薬開発などの手立てで確実なものとし、社会経済活動を安心して行える環境を整える事です。1回以上接種者の国民に占める割合は、今日現在で71.3%、2回接種者が60.9%に達し、先行する英国と肩を並べました。「コロナを超え」、持続的な成長軌道に乗せるため、デジタル化、グリーン化などの柱を肉付けし、対面型サービス業のテコ入れと、困窮する方々への支援を盛り込んだ経済対策・補正予算の立案が急務です。さらに、海外との行き来も順次再開され、外交活動も活発化する中、「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進や、経済安全保障の確立など新たな前進が求められます。このような政策課題を着実にこなして行く事を約束しての選挙戦になると思います。私とすれば、「真の地方創生」も注力したい目標です。

 一連の党・政府人事での総裁選を戦った各候補・陣営の処遇については、概ね配慮された形だと見ています。私が支持した河野議員は、広報本部長に就きました。来る総選挙での党の有力な顔として、より重要なポストでも良かったのでは、と思います。一面、毎回の総裁選によって、党の体制が変わり、豊富な人材を背景に、要職を占める方が適宜交替している流れからすれば、河野議員もここが頑張り所です。私も、今後、示される持ち場で努力して参ります。

 週末の地元では、1日に高岡市美術館を訪問し、「国立美術館巡回展 国立西洋美術館コレクションによる高岡で考える西洋美術」を観ました。国立美術館の貴重な収蔵品を地方に巡回させ、多くの国民がアクセスしやすくする取り組みは嬉しく、また、伝統工芸の歴史を活かして全国で2か所の巡回場所に選ばれた高岡市美術館の皆さんの努力も素晴らしいと思いました。2日(土)は、コロナウイルスが沈静化したこともあって、大伴家持卿顕彰祭が高岡市伏木地区にて例年通り挙行されました。その後、家持ゆかりの地で順次催されている「令和の万葉大茶会」高岡大会にも参加、角田市長ほか皆さんとお茶席でひと時を過ごしました。久しぶりに県外からのお客様を迎え、対面型交流で心の通じ合いを楽しめたひと時でした。

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