2021年11月

国政報告(第601号)

 東京の街路樹もすっかり色付き、秋から冬へと季節の進みを実感します。例年の秋とは異なり、12月上旬の臨時国会召集までの間、党務だけをこなす毎日です。とはいえ、コロナウイルスが収まっていることから、首長を始め、各種団体の方々が次々と上京され、様々な全国大会も「リアル」な状態で開催されています。組織運動本部長代理を拝命したことから、22日(月)から一週間は、党本部にて各種友好団体の代表から税・予算要望を伺う会議に可能な限り出席しています。党税制調査会も来週から本格的審議に入るため、総務省などから税の論点のポイントのレクも受けています。

 先週は、18日(木)に北海道開発特別委員会、19日(金)に沖縄振興調査会と、総選挙後の初会合に出席しました。北海道はゼロ・カーボン政策で再生エネルギーなど地域特性を生かそうと努力しており、沖縄は来春が現行振興計画の期限で、次期振興策の議論が続いています。24日(水)には東日本大震災復興加速化本部の会議も予定されており、今後ともフォローしていきます。

 19日に経済対策が閣議決定されました。コロナウイルス対策は、12月からの3回目のワクチン接種、経口治療薬(飲み薬)の手当て、感染拡大に備えた地域医療体制の充実が主眼です。この間ご苦労の多かった業種への事業復活支援金の支給、住民税非課税世帯、児童手当受給世帯への10万円給付で底支えします。さらに、マイナンバーカードの普及策も兼ねて、マイナポイントを最大2万円します。「新しい資本主義」の起動として、科学技術・イノベーションへの投資強化、デジタル化、グリーン化の推進、分配戦略としての看護師、介護士、保育士、幼稚園教諭の待遇改善などが予算措置されます。税収の上振れに応じ、今年度分の地方交付税も増額されます。さらに、文化・スポーツ活動の再開の後押しや国土強靭化の推進など、広範囲にわたる対策で、事業規模は78.9兆円程度と大型の内容となっています。一方、これに要する国費は43.7兆円で、うち補正予算分は一般会計で31.9兆円が見込まれています。補正予算の閣議決定は近々の予定ですが、歳入、すなわち財源の手当てがどうなるか、注目しています。前年度の繰越分や税収の上振れ分を充てるにせよ、かなりの部分は特例公債(赤字国債)に依るものと想定され、財政のバランスは一段の悪化が見込まれます。

 「百年に一度」の国家的危機への対応であり、世界各国も財政出動している状況ですから必要性が高いとは思いますが、中長期的に収支をどう均衡させていくのか、後世代への責任があると思います。党では財政健全化推進本部を立ち上げ、この点を議論していく事となりました。折しも、日米の金利差拡大で円安傾向が鮮明となるなど、財政・金融政策には一段の注意が必要な現状と思います。自分なりに処方箋も含め、しっかり考えていこうと思います。

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国政報告(第600号)

 週一回の国政報告も12年間、600回を数えました。野党から与党へ転じ、安倍、菅、岸田と内閣も三代を経ました。東日本大震災の発災と復興、東京オリンピック・パラリンピックを目前にした新型コロナウイルスの感染拡大など、予想もできない事態にも見舞われました。経済はまずまずの状況で推移したものの、成長戦略の実現は未だ課題であり、消費税は5%から10%に引き上げられたものの、財政再建の道筋は不透明な現状です。国際社会では中国の経済成長が著しく、「地球儀を俯瞰する外交」の成果で、TPPやRCEPが締結されたものの、我が国を取り巻く東アジアの情勢は予断を許さないものがあります。自分自身は、毎週の富山と東京との往復に加え、職務により東北や沖縄を訪ね、南部アフリカ、欧州、東南アジア、中国で見聞を拡げる機会もありました。この600回の軌跡をも我が糧ととらえ、新たな前進を期します。本日、党組織本部長代理を拝命し、小渕優子本部長の下、来夏の参議院選挙に向けて党組織を強化すべく、持ち場で努力して参ります。

 先週は10日(水)から12日(金)まで、第206国会(特別国会)が開かれ、初日に新たに細田議長、海江田副議長を選出した後、記名投票により、岸田文雄議員を総理に指名し、第2次岸田内閣が発足しました。週末の13日(土)、地元で携帯電話を「ガラケー」からスマホに替えました。数多くの機能と、指タッチでの操作に戸惑いながらも、使いこなすよう努力中です。

 14日(日)は、南砺市にて松村謙三先生の没後50周年記念フォーラムに出席しました。河野洋平元衆議院議長が、直に先生の薫陶を受けられたエピソードを含め、熱の籠った基調講演を務めて下さいました。過日の総選挙や日中関係の現状など、現下の話題にも言及され、先生の熱量に感銘を受ける1時間でした。改めて、国政に携わる者として、志や問題意識の大切さを感じました。講演後は、高岡商工ビルにも立ち寄られ、高峰譲吉博士由来の松楓殿を移築した姿を見て頂きました。河野元議長は、ニューヨークで松楓殿を所有、管理されていた滝富夫さんと親戚で、高岡市への移築を仲立ち下さったご縁があります。良好な保存状態にも満足されました。

 週明けの15日(月)、党政務調査会全体会議で、政府の新たな経済対策案について意見交換がなされました。コロナ対策、経済社会活動再開の手立て、成長・分配戦略、国土強靭化の4本柱で、この間にご苦労されている業種・従業者への支援や地方自治体の財政の底支えが内容となっており、党の意見も踏まえ、今週末に閣議決定の予定です。16日(火)はNTT武蔵野研究開発センタを訪問し、R&Dフォーラムを見学しました。超高速、超低遅延、大量伝達を実現する光ファイバーネットワークの様々な利活用形態の展示から、今後の成長戦略への貢献可能性を強く感じたところです。

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国政報告(第599号)

 ここのところ、秋晴れの日が続き、コロナウイルスも収まって、晩秋を前に一息つきながら、明後日(10日(水))の特別国会召集を待っています。会期は3日間で、正副議長の選挙、岸田総理への首班指名のみ行い、実質審議は臨時国会に回す予定です。

 先週は、上京早々に平井全国知事会長から補正予算でコロナ対策の地方創生臨時交付金を2兆円増額するよう要望を受けました。党の新人事が出るまで、政調の総務部会長の職務を遂行する中での対応です。「第5波」がほぼ終息したことから、北陸新幹線の乗客も回復の肌感覚があり、東京の各ターミナルにも人が溢れています。知事会の要望は、感染予防や医療体制の一層の充実を図りながら、社会経済活動の再開に向け、キメ細かい対策を講ずるための自治体の所要経費への手当てを求めるもので、予算化に努力します。

 5日(金)に地元に戻り、6日(土)は射水市議会議員選挙に向けて党推薦・支持の候補予定者の陣営を激励訪問しました。7日(日)、市長選・市議会議員選挙が告示され、夏野元志市長の出陣式に出席しました。同日、無投票で無事4選を果たされました。

 再び新幹線で上京し、本日(8日(月))は砺波土地改良協議会の岩田会長ほか皆さんに同行し、宮崎農林水産政務官に農地整備事業の促進を要望しました。近年、水田の大区画化への要望が高まっており、事業採択を待つ地区が管内では23地区に上っています。予算の総額確保が何よりも必要であり、補正予算を含め、党側でも努力します。コロナウイルスが落ち着いた事で、この後も富山からの各種団体の上京予定が相次いでおり、久々に会館も活況を呈してきました。できるだけ都合を付けて対応するよう心掛けます。

 総選挙を受けて、目下、党人事が進められており、来週には新たな政務調査会の体制で補正予算の議論がなされるものと思います。コロナ感染の再拡大の有無について、確たることは言えませんが、欧州では気温が下がるにつれて感染者数が増加している一方、インドなどアジアでは落ち着いているようです。また、接種率が8割を超えた国では効果があり、3回目接種も有効のようです。8日現在、我が国のワクチンの1回以上接種者の国民に占める割合は、77.9%、2回接種者が73.7%で、もう一段の前進とともに、12月からの3回目接種の効果が期待されます。社会経済活動については、冒頭に記したように、自発的な動きが活発化しており、感染予防と両立させながら行き渡らせていく手立てが必要です。金銭給付については公明党の案が出ていますが、「困窮する方々への一段の底支え」という目的に照らし、内容の吟味が必要です。さらに、燃油や原材料価格の高騰が事業活動に影響を及ぼし始めており、経済安全保障の観点から、事態の正確な把握と対策が求められています。もろもろ含めて、党内議論に参画していきます。

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国政報告(第598号)

 5期目最初の国政報告は11月3日(水)付けとなりました。先月14日(木)の衆議院解散とともに地元に戻ったので、3週間ぶりの上京となりました。

 総選挙の結果は、我が党が議席を15減らしたものの、公明党との合計で安定多数を確保し、船出早々の岸田政権は数の上では信任された形となりました。一方、野党第1党の立憲民主党は、共産党等との共闘で臨んだものの、議席を減らし、枝野代表が辞任を表明する結果となりました。一方、日本維新の会が議席を伸ばし、野党第2党となったほか、国民民主党も堅調でした。

 過去を顧みると、「55年体制」と言われた自民党、社会党の保革対立期に、社会党が次第に左傾化しつつ党勢が衰えていったことが思い出されます。他党の事ですが、立憲民主党は中道から右にウィングを広げなければ先細りになるのでは、と思います。元を辿れば、国民民主党と同根であり、前回の総選挙前に民進党を解党した事の是非から反省してみるべきではないでしょうか。

 選挙戦を振り返って、個々の候補者に問われた事は、コロナ禍でとかくコミュニケーションが細りがちだった1年半を含め、自らの選挙区・有権者の声、課題を如何に把握し、対応してきたかであったように思います。与野党問わず、国政の中枢で著名な方が落選した一方、地元をしっかり回るように言われていた若手が比例復活であれ、粘り強く議席を確保しています。自分自身も、選対スタッフの皆さんの考えもあり、従前型の個人演説会に代えて、若い方々との対話型車座ミニ集会女性部の皆さんとのリレー街宣、SNSでの発信強化と、これまでとは異なる運動内容になりました。自分なりに、「コミュニケーション」は今後の日常活動のキーワードと感じ、今後はこの週1回の国政報告に加え、月1回のミニ対話集会を続けて行くことを選挙戦最終日に表明しました。

 コロナウイルスについては、国民の皆様の予防行動の協力と、国、自治体のワクチン接種により、「第5波」が収束し、飲食店の営業時間の制限等も解除されました。ワクチンの1回以上接種者の国民に占める割合は、2日(火)現在で77.6%、2回接種者が72.5%に達し、12月からは順次3回目に入っていきます。5-11歳への接種も可能になりそうであり、待望されていた「飲み薬」も来春には手に入るようです。まずは、「第6波」を警戒しつつも、着実に社会・経済活動を復元するべく、政府は行動指針を明確に発信するとともに、経済対策を含めた補正予算を編成すべきです。

 報道では、特別国会の召集は10日(水)の予定との由、首班指名を経て、第2次岸田内閣の下、足踏み状態だった内政・外交を前進させなければなりません。党内での新たな立ち位置で、地元も大切にしながら、心新たにこの任期に乗り出していく所存です。

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