2023年3月

国政報告(第668号)

 26日(日)午後、京都駅に隣接するホテルで文化庁の京都移転祝賀会が開催され、富山から出席しました。岸田総理、永岡文科大臣、地方創生担当の岡田大臣、都倉文化庁長官など、挨拶があり、明治の初めに都が東京に移されて以来、初めての中央省庁の地方移転を祝い、意義が強調されました。確かに、数百人規模で職員及び家族が京都に住民票を移す事自体が画期的です。また、文化行政の面では、京都は有形・無形の文化財の宝庫であり、政策立案に携わる職員の皆さんにとっても、肌で京都の持つ雰囲気に触れ、様々な文化的経験ができる点で、創造的な「化学反応」を期待するものです。しばらく期間を空けて、移転の得失も検証されるものと思いますが、他省庁においても、「庁レベル」で全国各地のブロック都市に移転する流れを作り出せれば、民間企業の動きにも影響を与えるのでは、と期待しています。また、単に東京から出るだけでなく、移転先の土地の風土が行政に新たな活力を吹き込んでくれれば、国の機能を分散配置するメリットが高まるものと思います。

 さて、先週は20日(月)にいったん地元に戻り、春分の日の21日(火)に砺波市選出の米原県議、小矢部市選出の筱岡県議の事務所開きに出席しました。その晩に再度上京し、22日(水)は衆院文科委員会で「私立学校法改正案」の審議を進め、全会一致で可決、24日(金)の本会議で無事参院に送付しました。この本会議では岸田総理のインド・ウクライナ訪問の帰朝報告・質疑も行われました。広島サミットの前にG7のメンバーとしてウクライナを訪問しておくことが我が国外交上の課題となっていました。安全確保の面でも、極秘裏に事を運ばねばならなかったことは大方の党派の了解を得ており、質疑も概ね順調に進みました。

 一方、統一地方選は23日(木)から知事選がスタートし、4月9日(日)の投票日に向けて各地で選挙戦が展開されています。幸い内閣支持率は、ウクライナ訪問も寄与して週末の世論調査でも上昇傾向が続いています。4月23日(日)の国政の5選挙区補欠選挙にも追い風と言えそうです。一方、懸念されるのは、一部地域で党内で候補を絞り切れず、分裂選挙になっていることで、オウンゴールによる取りこぼしの無きよう、念じています。

 週末の25日(土)朝、南砺市選出の武田県議の事務所開きに出席、これで地元の党公認・推薦候補の選挙事務所が全て揃いました。夕刻には米原県議の事務所で橋本聖子参議院議員、稗苗県議の激励演説会があり、堂故議員とともに顔を出しました。午後には高岡市二塚地区の地域活性化推進協議会の設立総会に出席しました。新幹線の敦賀延伸や南環状道路の整備を踏まえ、地域の発展方向を住民・企業で構想しようという取り組みで、時宜を得たものと思います。次号からは新年度、予算成立後の展開を追っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第667号)

 統一地方選の一環として、31日(金)告示の県議会議員選挙が近づき、先週末の19日(日)は事務所開きが相次ぎました。高岡市選出の酒井県議山本県議、南砺市選出の安達県議、砺波市選出の瘧師県議と挨拶に回りました。高岡市選出の瀬川県議は、射水市で小生が長く関わってきた第一イン新湊ホテルの移転開業式典と重なって欠席となり、事前にお詫び方々激励訪問しました。21日(火)にも事務所開きが予定されています。また、19日には呉西郵便局長会の皆さんを対象に、第17回ミニ対話集会を行いました。

 国政の動向を週末の世論調査で見ると、岸田内閣の支持率は軒並み5%程度上昇しています。以前から述べてきたように、内外の政策課題に真摯に対応することが、支持回復の王道です。ここへ来て、マスク着用の緩和、大手企業の久しぶりの大幅な賃上げ、少子化対策の方針発表と実績の積み重ねが感じられ、韓国の尹大統領の訪日成果も加わって、支持が明確に好転したものと思います。今後も新年度予算の年度内成立、予備費を活用した当面の物価高対策の発動など政策の着実な前進が見込まれ、初夏のG7広島サミット開催に向けて政権の安定的な歩みが期待できそうです。

 もとより、来月の統一地方選、衆参5選挙区の補欠選挙に勝利を収めることがこのシナリオの前提であり、脇を締めて臨まなければ、と思います。そんな折、13日(月)に党組織運動本部主催で友好団体の事務局担当の方々を対象とした研修会が開催され、政策責任者の講演と併せ、選挙への支援をお願いしました。

 一方、私が与党筆頭理事を務める衆院文部科学委員会では、15日(水)、17日(金)と、内閣提出「私立学校法改正案」の審議を進めました。近年、一部私立大学で理事長等役員の不祥事が発生し、改めてガバナンスを強化する視点で、公益法人など他の法人の制度も参考に、改正案が立案されました。理事会、評議員会、監事の役割を明確化し、相互にけん制する仕組みを導入する内容ですが、対象となる法人は、大規模な大学から園児が僅かな幼稚園まで多様な運営形態となっており、規制の濃淡が必要です。また、私立学校にはそれぞれ、創立者の教育に対する確固たる想い、即ち、「建学の精神」があり、これを尊重するために、血縁関係など人的つながりも配慮するよう、関係者から強い要望がありました。このため、当局は、硬軟双方の立場を折衷するよう苦心して制度設計した経緯があります。委員による質疑と参考人の意見聴取を通じ、私なりにこの間の経緯が再確認され、より良い制度構築の視点で着実に前進した内容であるとの心証を持って、今週の審議・採決に臨みます。

 14日(火)には東日本大震災復興加速化本部で、今春開設される福島国際研究教育機構の山崎理事長予定者の抱負を聴きました。「浜通り」の新たな発展への寄与を大いに期待します。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第666号)

 先週末は季節外れの暖かさとなり、気が付いたら、我が家の雑草もはや目立つ位に伸びていて、一足早く草むしりをしました。国会は、参院予算委で新年度予算案の審議が進み、衆院でも10日(金)に文科委で大臣所信に対する質疑を行い、内閣提出の私学学校法改正案の趣旨説明も聴取し、今週から法案審議を進めます。

 前号末尾で記載した事柄について、まず、日韓間の徴用工問題については、韓国政府から元徴用工の方々に対する金銭負担を自らする案が出され、我が国の立場に歩み寄った形になりました。日本政府としても、従前通り、過去の出来事への反省を維持しつつ、両国関係を発展させる取り組みを進めることで、今週末にも首脳会談が実現する見通しです。今後、北朝鮮に対し、日米韓の連携を強化することはもとより、日韓両国間の懸案の解決促進が期待されます。

 H3ロケット1号機の打ち上げ失敗は残念でした。とりわけ、人工衛星として搭載していた「だいち3号」も失われる結果になり、その価格は280億円に上るそうです。ロケット2段目の電気系統の不具合が原因との事ですが、その究明と再発防止、そしてロケットの信頼性を高めつつ、高価な衛星を最初から搭載する事の可否も良く吟味してほしいと思います。

 9日(木)、10日と黒田総裁の下で最後の日本銀行の政策決定会合が開催され、これまでの金融緩和策が維持されました。植田新総裁の下で、4月の会合でどのような判断が示されるか、注目したいと思います。消費者物価指数がエネルギー、食料品を除く基調の部分も着実に上昇しており、長期金利を抑制するための日銀による国債の買い入れも増大するなど、政策は転換点に近いと思います。

 10日には、「佐渡の日」にちなんで、金山の世界遺産への登録機運を盛り上げようと、私が座長を務めるPTが主催し、党本部で物産展が開催されました。花角新潟県知事、渡辺佐渡市長も出席され、佐渡産コシヒカリなどが販売されました。

 週末、地元に戻って11日(土)は南砺市井波地域で、一般社団法人ジソウラボの、街づくり活動の現場を訪問しました。島田さん、藤井さん、山川さんなど、地域の若手世代の有志が業種の垣根を超えて連携し、空き家をリフォームした新規開業を40軒以上に拡大されています。宿泊施設、クラフトビール、パン屋、香油製造など、瑞泉寺の門前町、木彫刻の伝統といった地域の特性も生かしながら、市外からも人材を呼び込み、起業事例を積み重ねています。党社会的事業特別委員会で議論している立場でも大いに参考になり、何より元気をもらえる良い時間を過ごせました。午後は金沢市で北陸地方郵便局長会の総会に出席、12日(日)は党南砺市井口支部総会にて国政報告の機会を頂きました。県議選告示を31日(金)に控え、統一地方選での勝利に向けて頑張っていきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第665号)

 弥生三月に入り、東京では早咲きの桜が開花しています。国会も、先月28日(火)に衆院本会議で新年度予算案、国税・地方税改正法案が可決し、参議院に送付されました。これで、予算の年度内成立が確定しました。1日(水)からは舞台を参院予算委員会に移して引き続き審議が続いています。衆院側は、各常任委員会が活動を開始するべく準備を進め、文部科学委員会も7日(火)に理事懇談会を開き、8日(水)に永岡大臣の所信を聴取しました。

 この間の論戦を振り返ると、防衛費の増額、次元の異なる少子化対策といった岸田内閣の中長期にわたる考え方について、その必要性には理解が深まったように思います。一方、その具体的な取り組み、特に財源の手当てについては、今後、詰めが必要であり、政府与党においても議論を積み重ねなければなりません。

 一方、統一地方選が4月9日(日)(県議選等)、23日(日)(市町村議選等)に予定されており、後半では衆議院の補欠選挙(千葉5区、和歌山1区、山口2区・4区)も重なります。このため、防衛・少子化の具体策は、財源論を含めて選挙後から6月の骨太方針決定の間に議論が進むのではないかと見ています。3日(金)には当面のエネルギー・食料を中心とした経済対策の立案指示が岸田総理からなされました。新年度予算の予備費の活用も念頭に、党政務調査会でも検討を進める事になっています。

 私が責任者となっている会議としては、1日(水)、党「地方鉄道のあり方に関するPT」の第4回会合を開催しました。JR西日本、えちごトキめき鉄道の鉄道活性化や代替交通手段への転換の取り組みと併せて、車両メーカーである新潟トランシス、コンセプト列車を保有する東急の現状をヒアリングしました。過剰設備を整理して路線維持コストを下げる工夫や、通勤・通学ではなく、観光ツールとしてローカル鉄道の存続を図るアイデアなど、提言に取り込んでいきたい話がありました。7日(火)には社会的事業推進特別委員会の第2回会合で「特定地域づくり事業協同組合」をテーマとし、青森県南部町、島根県海士町での組合の取り組みを伺いました。いずれも、地域で若者世代の雇用を創出し、農業、漁業、地域づくり等の分野での活躍につなげており、社会課題解決の多様なツールの一つとしての有効性が確認できました。

 党組織運動本部として、3日(金)午後、小渕本部長、上田地方組織・議員総局長に同行し、復興庁勤務以来、久しぶりに仙台市へ出張し、党宮城県連幹部の皆様と意見交換しました。週末の地元では、4日(土)、高岡市選出の針山県議の事務所開き党砺波市連女性部総会にて挨拶しました。週が明け、日韓間の徴用工問題の進展、H3ロケット1号機の打ち上げ失敗と、新たな事態が生じ、週後半の日銀政策決定会合も注目されます。次号にてまた報告します。

カテゴリー: 国政報告 |