2023年12月

国政報告(第706号)

 今年最後の報告を議員会館の事務室で綴っています。先週の日本海側の大雪以降、東京も冬らしくなりました。会館前の通りの銀杏の葉が全部落ち、窓から日射しが差し込んできます。穏やかな年の瀬、と言いたい所ですが、派閥のパーティ券を巡る政治資金問題で検察の捜査が続いており、党本部でも政治改革に取り組むと岸田総裁が言明する事態となっています。22日(金)には、渡海政務調査会長、浜田国会対策委員長が新たに就任され、26日(火)には新委員長の下、国会対策正副委員長会議が開かれました。年が明ければ、通常国会が召集され、新年度予算案など150日間の審議が続きます。捜査結果も含め、改めるべき所は改め、国民の皆様の政治不信を払拭して国政を前進させる一年としなければなりません。

 さて、前号で積み残した新年度予算案の報告ですが、総額は112兆円とコロナ対策等予備費の減額で昨年度比2兆円強の減額となりました。定額減税、少子化対策・防衛費の増強など国政の課題解決に資する経費を盛り込み、地元関連では、利賀ダム建設に122億円、北陸新幹線の敦賀以西の調査費に14億円強が計上されました。地方財政も手厚く措置され、永年の課題である臨時財政対策債も新規発行額が5千億円まで圧縮されるなど、一段と健全化しました。一方、財政健全化の視点から見ると、赤字国債の発行額が高止まりし、新たな政策経費の財源の整理も先送り気味です。「Pay as you go」(財源確保無くして新規歳出無し)の原則が貫かれなくなり、先送りした結果がすっきり解決しない状況を危惧しています。来年は2025年度を目標として設定されている財政健全化目標を見直す時期であり、現状を踏まえてしっかり議論したいと思います。

 19日(火)、党東日本大震災復興加速化本部の事務局長として、根本新本部長の東京電力福島第一原子力発電所視察に同行しました。7月に額賀前本部長に随行して以来の訪問ですが、この間にALPS処理水の海洋放出が始まっており、事態の進展を背景に、小早川社長、小野廃炉推進カンパニー代表からは、引き続き緊張感を持って、廃炉に向けた課題を乗り越えていく決意を伺いました。構内の線量の低減、原子炉建屋に流入する地下水の抑制も前進しており、溶融したデブリの取り出しに向けての努力の結実を願っています。一方、事故賠償や除染・土壌対策に充てる費用をいったん立て替える交付国債の発行限度額を13.4兆円から15.9兆円に引き上げる必要が生じ、党本部として関係省庁や東京電力に枠の引き上げと返済に向けた不断の経営改善を求める申し入れを行いました。

 週末の地元では、23日(土)に南砺市の片岸市議の市政報告会で挨拶したのが最後の活動となりました。この1年、地方鉄道の問題など国と地元の課題解決に関われた反面、派閥の政治資金問題が発生し、越年する事態となりました。注視していきます。

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国政報告(第705号)

 臨時国会は、当初設定された会期通りに13日(水)、内閣提出案件全てが成立し、閉会しました。当初課題とされていた旧統一教会の財産保全に係る議員立法も、自・公・国三党による財産移動報告を義務付ける法案をベースにともかくも主要政党が賛成で一致してまとめることができました。国会運営が職務の党国会対策委員会としては満足できる結果のはずですが、我が党の一部派閥のパーティ券収入の不記載問題のために喜べない幕切れとなりました。

 12日(火)には官房長官、13日(水)には内閣全体の不信任案が立憲民主党から提出され、衆院本会議で否決されたものの、15日(木)には清和会に所属する4人の閣僚、5人の副大臣が辞任することになりました。同期の齋藤健代議士が経済産業大臣となるなど、「四志の会」として嬉しい事もありましたが、政治資金問題は捜査状況が連日大きく報道され、19日(火)には派閥事務所が家宅捜索されるに至りました。

 この間、週末の17日(日)には党南砺市連恒例の年末の合同国政報告会が堂故副大臣就任のお祝いも兼ねて開かれました。私の報告の中で、前号で綴ったように、政治資金規正法を遵守する事の重要性を述べ、皆様に疑念を抱かせていることについて党所属議員としてお詫びしました。前日の16日(土)には東海北陸自動車道城端スマートインターチェンジの供用開始式に出席しました。平成17年の社会実験で需要が不十分との判断が下され、故河合常則先生が再度実現に努力された案件で、南砺市、県の努力と北陸地方整備局の助言が実を結び、今日を迎えることができました。この経緯を祝辞の中で感謝の気持ちを込めて申し述べました。続いて、東海北陸自動車道の白川郷IC・清見IC間の四車線化事業着手を求める決起大会が沿線首長参加の下に開催されました。

 先週から今週にかけて、例年通り新年度の税制・予算の取りまとめが進んでいます。税については、定額減税のほか、賃上げやスタートアップ(起業)を応援する特別措置の設定が目玉で、法人の外形標準課税の適正化や森林環境譲与税の配分基準の見直しも盛り込まれました。予算については次号で報告します。

 また、地元関連では、18日に射水市新湊の放生津八幡宮祭の曳山・築山行事のユネスコ無形文化遺産への追加登録申請が決定されました。平成28年に当時国の無形民俗文化財に指定されていた33件の祭礼行事が登録されており、今回は4件が追加申請されるものです。コロナ禍を乗り越え、再び地域活性化の拠り所として期待される祭礼行事の後押しになるよう期待しています。同日、JR城端線・氷見線再構築検討会の第5回会合で実施計画案が正式に取りまとめられました。年内に国に申請し、国土交通大臣の認定を目指します。19日の東京電力福島第一原発視察についても次号にて。

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国政報告(第704号)

 我が党の派閥のパーティ券の金銭の処理を巡り、疑念が生じ、政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部が調査を進めているとの報道が続いています。その中で、一部派閥のパーティ券の売り上げが収支報告書に記載されずに所属議員側に還流(キックバック)されている疑いが浮上しています。事態の進展を見なければ、事実か否かの判断はできませんが、一般論として政治資金の収支はルールに基づいて正確に記帳し、所管庁に報告しなければならないのは当然です。資金の流れに従って正確に記帳し、誤りがあれば訂正する事が基本であり、政治資金を受け取ったのに記帳しなければ、その使途も不明となり、疑念を持たれることになります。私は無派閥の立場で、政治資金パーティを開催したこともありませんが、規正法の趣旨に基づき、改めて政治資金の取り扱いに注意します。

 先週は、5日(火)、7日(木)、8日(金)と党税制調査会で来年度の税の在り方についての議論が進みました。私が関心を持つ地方税制では、まず、森林環境譲与税の自治体間の配分基準の変更が課題となりました。納税者各自が年千円負担する資金を「森林面積5割、人口3割、林業就業者数2割」の基準で市町村に配分してきましたが、森林の現状が厳しく、都市部では必ずしも有効な使い道が十分ではない現状です。このため、森林面積のウエイトを高めるよう見直される方向です。一方、資本金1億円を超える企業が対象となっている地方法人税の外形標準課税については、近年資本金を1億円以下に減資して対象から外れる企業が相次いでいます。純資産が百億円を超える文字通りの大企業の事例も見られることから、歯止め策が議論されています。資本金を減資して資本準備金に振り替えるだけのいわゆる「外形逃れ」を阻む一方、これまで対象外となっていた中堅・中小企業やスタートアップ企業を巻き込まない形で、資本準備金に一定の基準を設ける案が検討されています。地方自治体出身の私も、党有志からなる「地方税勉強会」に所属し、あるべき税制に想いを巡らしながら、議論に参加しています。

 このほか、5日午前には衆院農林水産委員会が開催され、畜産・酪農の現状についての質疑がありました。議連については、6日(水)に「街の酒屋さんを守る議連」、7日(木)に栄養教諭議連の会合があり、酒屋を含めた商店街の振興や、栄養教諭の配置数の増について要望を受けました。

 週末の地元では、9日(土)昼に田林修一県遺族会長の叙勲祝賀会、夕刻に県薬剤師会の受賞者祝賀会に出席し、10日(日)は党支部役員の皆さんへの年末ご挨拶を進めました。

 今週は、13日(水)の臨時国会会期末に向けて参議院に残されている法案の成立を期しつつ、細心の注意を払っての国会運営となります。税・財政の仕上がりを含め、次号以降で報告します。

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国政報告(第703号)

 師走に入って最初の週末の富山は、断続的な時雨模様で、晩秋から初冬の装いとなりました。2日(土)は射水市の党金山支部で4年ぶりの「夜なべ談義」に出席しました。次いで3日(日)朝、25回目のミニ対話集会を射水市大門・大島地区の方を対象に開催しました。瀧田県議、西元市議にも出席頂き、少子化対策や物流分野の2024年問題(働き方改革)、地域の水害対策など、今回も幅広い質問で、あっという間の一時間でした。午後には高岡市野村地区で坂林市議との合同報告会を開催し、少子化対策とこども家庭庁の設置についてお話しました。角田市長にも出席頂きました。

 4日(月)朝の国会対策正副委員長会議が正午に設定され、久しぶりに日曜夜は地元に残り、朝7時台の新幹線で上京しました。臨時国会は13日(水)の会期末まで残り10日を切り、先週の11月29日(水)には補正予算案が参議院でも可決、成立しました。今後は旧統一教会の被害者救済を目指す議員立法の取り扱いが懸案です。裁判所に解散命令請求が出されたものの、未だ結果が出ていない団体に対し、国が財産保全等の行為ができるのか、憲法の保障する「信教の自由」との関係で慎重な議論が必要と考えます。自公国3党案はこの点を踏まえ、教会に主要財産の処分時の届け出のみを義務付けることに留めています。与野党担当者による法案修正協議も精力的に進められており、できるだけ多くの議員の賛同を得て成案を見ることができれば、と思います。

 この間、29日午後、衆院本会議場にて、来日中のベトナム社会主義共和国のトゥオン国家主席の演説がありました。近年、日越両国は緊密な関係にあり、経済を始め二国間の活発な交流が見られるところ、今回は国交樹立50周年を記念した訪問です。

 一方、党税制調査会は主要項目の議論へと審議が進んでおり、5日(火)には個別項目の審議(〇×審議)が予定されています。今回の主要項目の一つは外形標準課税制度です。近年、資本金を1億円に減資して、外形標準課税の適用対象から逃れる動きが見られます。とりわけ、純資産が数十億円規模の企業が、一時の経営不振への対応として課税を逃れるケースが増えており、何らかの歯止め策が必要です。その方策については、総務省と経済産業省との間でも調整が進められており、注視します。

 11月28日(火)、石川県羽咋市と氷見市の間を結ぶ国道415号線の県境部分の改良要望にて、堂故国土交通副大臣との関係者の面会に同席しました。30日(木)夕刻、党本部で文科部会・文化立国調査会合同で「文化講座」を催し、文楽の解説と実演を鑑賞しました。1日(金)には東日本大震災復興加速化本部総会が開催され、補正予算の結果等とともに、東京電力福島第一原発の事故に伴う、廃炉等処理費用の現状報告を受けました。

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