2024年7月

国政報告(第736号)

 本号は、海江田衆院副議長の中国訪問団の一員として22日(月)から26日(金)まで訪中させて頂いた報告です。立憲民主党の神谷議員、日本共産党の穀田議員とともに、超党派の構成でコロナウイルスの影響で令和2年から途絶えている全国人民代表大会(全人代)との議会間交流の復活を呼びかける目的での訪問でした。

 22日、羽田から空路で北京に入り、早速、夕刻に全人代常務委員会の趙委員長、肖副委員長と相次いで会談しました。議会間に限らず、あらゆる分野で交流が細っていた両国ですが、私たちのほか、武見厚相、森山党総務会長と今月は訪中が相次ぎ、機運の高まる中での会談でした。岸田総理も昨年11月に習主席、今年5月に李総理と会談、両国の「戦略的互恵関係」を再確認し、政治的指導力をもって建設的、安定的な関係を構築する旨、合意しています。議会間交流も再開すべく必要な手続きを進めていくことで一致しました。

 最近の両国間の懸案として、海江田副議長から、中国での邦人拘束、東シナ海情勢、ALPS処理水放出に伴う水産物等の輸入規制、短期滞在ビザの問題を挙げ、ビジネス環境を含め関係改善の取り組みを求めました。中国側は、平和共存、友好協力の基本的方向に沿って共通の利益を追求すべきとし、諸課題について話し合いを深め、解決していく姿勢を示しました。処理水については科学的見地から両国の実務者協議を進めること、ビザ免除については相互主義に基づきお互い努力しようとの回答でした。両国の文化、政治体制の違いを認め合った上、幅広く相互理解の醸成に取り組もうとの呼びかけがあり、青少年を含めて交流拡大の想いで一致しました。

 23日(火)、中日友好協会役員、金杉中国大使との面会を済ませて空路、陝西省西安市に入りました。西安は歴史を辿れば唐の都、長安であり、万葉集の昔に遡って、両国間関係の源流の地とも言えます。省人代常務委の庄副主任との会食の席で、717~770年の長きにわたって唐で過ごした阿倍仲麻呂の歌、「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」(古今集406番)を紹介し、朗唱する機会を得ました。

 24日(水)は近郊の秦始皇帝の兵馬俑(よう)、唐玄宗の華清宮、長安の城壁など歴史的な故地を案内頂き、25日(木)はBYDの自動車製造工場を見学しました。自動車産業に参入してわずか20年余りで急成長し、運行性能の高い電気自動車を量産しています。その研究開発意欲には学ぶものがありました。同日夕刻、空路上海市に入り、市人代の黄主任と会談、26日に上海虹橋街道起草立法連絡点を訪問して法律・条令制定時に国民の意見を前広に聴取する制度を導入した旨、説明を受けました。最後に赤松総領事から現地事情を伺い、「百聞は一見に如かず」、6年ぶりの中国の変化を肌で受け止め、交流の大切さを痛感して帰国した次第です。

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国政報告(第735号)

 富山では、週末の19日(金)から20日(土)の朝にかけて激しい雨に驚かされましたが、その後は夏空が広がって一気に気温が35度を超えました。昨年は9月末まで暑い日が続きましたが、今年はどうなのか、お互いに体調に留意して乗り切りましょう!

 先週の東京では、選挙制度、氏制度それぞれに動きがありました。7日(日)投開票の東京都知事選では56人が立候補し、ポスターに候補者と関りのない内容を掲示し、掲示枠を第三者に売るなど、これまで想定されなかった行為が多数発生しました。基本的に立候補者の良識に立脚して過度な規制を行わない公職選挙法の規定では、このような行為を抑止できないことが問題となりました。選挙本来の目的に沿った選挙運動から外れた、公序良俗に反する行為や営利目的の行為を抑止するために、抑制的な形ではあれ、公職選挙法の改正が必要だとの認識が報道機関や主要政党の間で広がっています。このため、我が党でも選挙制度調査会にて役員レベルで具体策を検討することとし、連立与党の公明党の関係者とも19日に打ち合わせを持ちました。自民・立民の国会対策委員長の間でも、臨時国会において公職選挙法の改正を議論することで一致したとの報道もあり、私も調査会事務局長として検討作業に加わっていきます。

 18日(木)には、渡海政調会長も出席されて、党氏制度のあり方に関する検討WTが逢沢座長の下、3年ぶりに開催されました。我が国の氏制度は明治の民法で夫婦同氏制度が採用され、戦後の改正民法でも維持されて今日に至っています。この間、平成8(1996)年には政府の法制審議会から選択的夫婦別氏制度の導入を提言する答申が出されましたが、法改正はなされていません。一方、結婚後も婚前の氏を通称として使用する方が増えており、マイナンバーカードや運転免許証も旧姓併記が可能となっています。WTでは、制度の経緯、諸外国の事例、世論の動向、子の氏の扱い、女性の社会進出上の問題点など多面的な観点からじっくりと議論していく方針について出席された議員の賛同を頂きました。このWTについても、事務局長として運営に関わっていきます。

 地元では、20日に高岡市伏木・吉久地区で第32回対話集会を催しました。事前に元旦の地震で液状化の被害を被った地区を見て回った上で、出席頂いた自治会役員の皆さんの意見を伺いました。発災から半年が経過した時点で、今後の下水道管や道路の復旧工事について段取りや完成時期など具体的な情報を早く知りたいとの想いを痛切に受け止め、私の立場でも自治体に伝えます。このほか、南砺市の川崎橋の開通式山口高岡市議の後援会総会に出席し、21日(日)は横野富山市議会議長の就任祝賀会南砺市の金沢湯涌福光線期成同盟会に出席して上京、明22日(月)からは、26日(金)までの予定で中国を訪問します。次号で報告します。

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国政報告(第734号)

 気象庁によれば、いよいよ今週は梅雨明けしそうとのこと、夏本番を前に、東京では選挙区内6市の新年度に向けた重点要望に基づき各省庁から説明を受けています。

 今年の特徴は何と言っても、元旦の能登半島地震からの復興に係る要望です。家屋解体、液状化対策、災害公営住宅建設、庁舎建替え等への財政支援、事業者の補助金申請手続きの簡素化など、現状を踏まえた具体的な内容であり、内閣府、国土交通省、経済産業省など担当部局に実情と併せて伝えました。このほか、自治体に有利な地方債の制度の継続、少子化対策としての「こども誰でも通園制度」に係る国の支援強化、有機農業への支援など広い分野にわたる要望があり、公共事業に係るものも含め、努力していきます。

 このほか、10日(水)には党東日本大震災復興加速化本部事務局長として、福島県浜通りの富岡町の町長、議長ほか皆さんと面談しました。帰還困難区域から避難されている方でも希望されれば除染した上で戻ることが可能となる特定帰還居住区域の設定を受けて、この区域外に所在する帰還意向の無い方の家屋等の扱いも早急に検討してほしいとのご要望を頂きました。医療、教育など生活環境の充実に係る要望などと併せ、政府とも対策を議論していきます。

 11日(木)朝は、党富山県連会長として、秋の知事選での新田八朗知事の推薦申請を党本部の選挙対策委員会に提出しました。小渕優子委員長もちょうど在室されており、直接お願いすることができました。夕刻には全日本トラック協会のパーティに出席しました。本年4月から運転手の時間外労働の規制が導入され、トラック業界は物流のあり方を見直さなければならない「2024年問題」に直面しています。国土交通省ほか各省庁が荷主にも契約の見直しなどの対応を働きかけており、適正な運賃の設定や輸送条件の弾力化など必要な対応が進むよう、党トラック議連事務局長として注視しなければ、と思っています。

 3連休となった週末、地元に戻って13日(土)はJCHO高岡ふしき病院支援の会に出席しました。高嶋院長からは、コロナウイルスへの対応が一段落し、高岡市北部地域の地域包括ケアシステムへの貢献など、回復期に重点を置いた特色ある病院づくりに努力しているとのお話を伺いました。海の日の15日(月)は、県柔道整復師会が主催する日整全国少年柔道富山県大会の開会式で挨拶した後、第95回都市対抗野球大会に出場する伏木海陸運送硬式野球部の高岡市主催激励会に出席しました。夕刻に、南砺市選出の安達孝彦県議の後援会総会で挨拶、上京しました。

 来週22日(月)から26日(金)まで、海江田衆院副議長の中国訪問に同行することになりました。目的は、しばらく休止している議会レベルの交流再開を働きかけるもので、次々号で報告します。

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国政報告(第733号)

 梅雨明けを前に真夏を思わせる暑さに見舞われ、地球温暖化を実感させられます。昨年の線状降水帯による豪雨も思い出され、防災意識も持ちながら、夏場を乗り切っていきたいです。

 7月に入り、1日(月)は高岡市で中日本高速道路株式会社の高岡工事事務所の開所式に出席しました。今春、東海北陸自動車道の四車線化工事が最後の未着工区間(白川郷~清見)でも始まったことから、高山、高岡の二つの工事事務所で分担して施工を促進することになりました。既に県内では小矢部砺波JC~南砺、福光~城端間が供用されており、明かり区間、トンネル区間ともに順調に工事が進んでいます。最後は全長10kmを超える飛騨トンネルをもう一本掘る難工事が控えていますが、全区間四車線化に向け、沿線自治体の皆さんとしっかり取り組みます。

 2日(火)、3日(水)は第三選挙区内の6市の市長さんをお訪ねし、来年度予算編成に向けた重点要望事項を伺いました。毎年恒例の活動ですが、今年は能登半島地震からの復興を中心に、地域の基盤整備や少子化対策等の制度改善などが提起されており、各省庁にも伝えるとともに、実現に向けて努力します。

 週の後半は東京に戻り、4日(木)は党東日本大震災復興加速化本部事務局長として福島に出向きました。夏に予定している復興加速化のための与党提言(第13次)に盛り込むべき事項について県庁幹部の方々と意見交換しました。帰還困難区域に特定帰還居住区域を設けて希望する住民が帰還できるようになり、東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出が始まるなど、復興は一歩一歩前進しています。今後、さらに解決すべき課題を与党として提示し、政府の取り組みを促すべく、提言案を練っていきます。

 週末は再び地元に戻り、6日(土)朝、田中昌史参議院議員を囲む県理学療法士の皆さんの集いに出席しました。医療・介護の現場でリハビリなど患者に欠かせない治療を担う職種として、理学療法士は全国に34万人おられ、平均年齢は34歳との由。田中議員には、職域代表として現場の想いを国政に届けるべく、益々の活躍を期待致します。午後には、高岡市選出の嶋川武秀県議南砺市選出の武田慎一県議の集会で挨拶した後、選挙区内6市の市議会議員有志で結成頂いている「慶政会」の総会・懇親会に出席しました。会長は2年半務めて頂いた嶋田茂氷見市議から才川昌一南砺市議に、幹事長は狩野安郎高岡市議から曽田康司高岡市議にそれぞれ交代となりました。会員市議の皆さんの支援に感謝し、昨年来亡くなられた赤池伸彦南砺市議、雨池弘之砺波市議、福島正力小矢部市議のご冥福をお祈りして国政報告させてもらいました。7日(日)朝、党県連女性部のハッピーオレンジ運動(児童虐待防止の啓発活動)の冒頭で挨拶の後、上京しました。地元・東京の往復が続きます。

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国政報告(第732号)

 通常国会が終了し、しばらく地元での日程をこなす日々が続いています。梅雨らしい天候と、夏を思わせる好天が交互に現れ、体調に気をつけながら猛暑に備えなければ、と思います。

 6月28日(金)、昨年来何度か日程を調整しながら果たせなかった立山山麓の地熱調査地点と砂防事業の実地見学が実現しました。生憎、霧雨の天候でしたが、県企業局の牧野局長はじめ職員の皆様に同行頂き、国土交通省立山砂防事務所の石田所長ほか現地職員の皆様の案内で主要施設を直に見ることができ、深く感謝する次第です。

 当日は有峰ダムから立山カルデラの中に入りました。有峰ダムは、戦前に県企業局で建設を構想して用地買収まで進んだところで戦中の国策で事業主体が変わり、今は北陸電力の貴重な電力源となっています。立山地域への観光客を輸送する富山地方鉄道立山線も、元はダム建設の工事用軌道として敷設されたものだそうです。改めて、先人が治水と併せて水力による電源開発にカを入れ、工業県としての郷土の発展に努力された足跡を偲びました。安政5(1858)年の大地震で大鳶(とんび)・小鳶山が崩落し、常願寺川の下流一帯を土石流が襲ったことに端を発する立山砂防の取り組みは、明治39(1906)年の県による工事着手、大正15(1926)年の国への事業移管を経て今日に至ります。現在も夏場は常時300名を超える工事関係者がカルデラ内の宿舎で寝泊まりして様々な工事に携わっておられます。昭和14(1939)年に完成した白岩砂防堰堤は平成21(2009)年に国の重要文化財に指定されました。今回、その威容を眼前にし、機械力に乏しい当時の施工関係者のご苦労と、80年を超えても主要施設としてしっかり機能している構造物としての優秀性に感銘を受けました。

 県企業局が地熱調査のために掘削した調査井はカルデラ内の旧立山温泉跡地の傍にありました。温泉は、千寿ケ原から室堂までの道路が開通するまで登山客で賑わい、昭和48(1973)年に廃湯されました。井戸は、表層の地質探査等の準備を経て、1500m先まで掘削されましたが、残念ながら得られた熱水の温度、量が十分ではなく、事業化を見合わせた状態です。しかし、前述した先人の電源開発に賭けた意気込みにも照らし、現地見学を通じて捲土重来、再挑戦への願いを新たにしました。

 29日(土)は秋の知事選に向け、党県連として推薦決定した新田八朗知事との政策協定締結式に臨み、さらに県第三選挙区支部女性部総会田中南砺市長後援会総会高岡地区後援会青年部総会に出席しました。30日(日)も南砺市にて県手をつなぐ育成会大会に出席したほか、県第二選挙区支部大会堂故参議院議員を支援する堂峰会の総会党魚津支部総会にて県連会長として挨拶しました。週明けも地元を回り、7月3日(水)午後に上京の予定です。

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