1月28日(月)、通常国会が召集され、安倍総理の所信演説と各党の代表質問が衆・参両院で行われました。初日の総理の演説は、内閣として優先的に取り組む事項に絞られ、簡潔でわかりやすい内容でした。吉田茂元首相以来の再登板の総理であり、前回の反省も冒頭にはっきり述べられ、この国の再生のために皆で自信を持って頑張ろうという呼びかけも力強く心に響きました。衆議院では、30日(水)、31日(木)と代表質問がありましたが、民主、維新の2大野党は、自らの政策の重心が未だ定まらない印象で、結果として議論の焦点の絞込みは来週の予算委員会を待つ事になります。
内閣発足以来の顕著な変化は、我が国の通貨が円安に振れ、株価が上昇したことです。今月の各地の新年会でも、経済界の方々を中心に明るいムードを感じましたが、企業の輸出や収益の上では明らかにプラス要因と言えます。内閣が掲げる経済再生の「3本の矢」は、まずは財政政策と金融政策で経済を刺激し、これを成長戦略に乗せて自律的に再生させ、成長軌道に乗せようという考えです。この点に絞って私たち政府・与党の政策を評価するとすれば、足元の円安と株高が持続するうちに、2段目の経済成長のエンジンに点火できるかがポイントになります。自分の職責で言えば、大型補正予算を着実に執行し、初期の効果を発現させること、そしてICT分野での成長戦略を描き、確実に実行することです。
もちろん、我が国が当面する課題には、東日本大震災からの復興や外交の立て直し、エネルギー政策の見直しなど、多岐にわたっており、安倍総理も2月下旬には初訪米の予定で、外交活動も本格化していきます。やがて、政策の論点は幾つも浮き彫りになってくるでしょうが、一つ一つの問題を丁寧に解決し、内閣の目的を果たして行けるよう、持ち場で努力していきます。
総務省での所管分野の動きとしては、29日(火)に新年度予算が編成され、情報通信分野では、防災対策上の情報基盤整備、新世代テレビの開発、日本のテレビ番組などコンテンツの海外展開など、過日の補正予算の狙いをさらに前進させる内容となりました。また、ICTの応用分野として期待される医療・教育についての省のこれまでの取り組みについて説明を受け、取るべき政策について議論しました。ICTのネットワークを生かすには、ユーザーサイドで通信網に接続する端末を整備し、適切なソフトウエアを装備する必要があります。医療や教育に携わる方々の意見を十分聴き、使いやすく効果の挙がるシステムを構築しなければなりません。全国各地で総務省がモデル的に進めている事例をあまねく水平展開できるならば、一番素晴らしい結果になります。そんな基本認識を持ちながら、来週開かれる有識者の検討会議に臨みます。
新年度予算に合わせ、地方財政計画も固まりました。焦点の地方公務員の給与引き下げは、時期を繰り下げ、7月からの実施を要請し、26年度以降の扱いは別途協議することとなりました。浮いた財源も国が吸い上げるのではなく、自治体の防災事業や活性化施策に充てる形になり、地方交付税の減額は4千億円に留まりました。新藤大臣始め省内関係者の努力の成果であり、地方側の理解をお願いしていきます。その他、富山県内の国の事業については、概ね順調に進む見込みであり、今後ともフォローしていきます。