国政報告(第169号)

 立春を過ぎて、富山も東京もそれぞれに春の気配が漂い始めました。国会も第2週となり、補正予算が上程され、麻生財務大臣の財政演説と本会議質問に続き、7日(木)から衆院予算委員会がスタートしました。野党時代は委員会室に毎日のように出入りしていたのですが、与党に転じ、政務官を仰せつかったため、公務をこなしながら外から審議の推移を見守る立場になりました。論点は、予算の規模と経済効果、地域への波及効果といった所が浮かび上がってきたように思えます。政権発足後、円安が続いて93円台、株高が続いて1万1千円台とそれぞれビジネスには良好な状況が続いていますが、この水準が定着し、さらに経済成長へと橋渡しできるかが焦点です。私の担当分野であるICTの活用も、役割を果さなければなりません。

 そんな思いで、4日(月)には医療分野と教育分野でのモデル事業の成果を確認する委員会に出席し、今日(8日(金))は次世代テレビである4Kテレビ、8Kテレビの見学に出かけます。現場で起こっていることを見聞きすることはとても勉強になります。医療分野では、島根県、広島県等で先進的な取り組みがなされています。地域内の病院、診療所、介護施設等が同じ形式の端末・ソフトウェアを備え、診療情報や投薬情報を共有します。急性期病院から一般病院や介護施設への受け渡しや、過去の健診、検査データの共有化など、医療・介護がスムーズに効果的に進むよう、ICTが役割を果たしています。地域の皆さんは、1枚のカードを診察券として使い、本人同意の上で診療情報を医師が端末で得ることができます。島根では、このシステムが「まめネット」と名付られ、今年の正月から正式稼働しています。医師会の皆さんが運営する協会が主体となって県内の病院、診療所と県民の参加を呼びかけており、今後の推移が期待されます。将来は、保険証と診療券が一つのカードになって、国民が医療・介護を効果的に受けられるような情報基盤が全国ベースで形成されることが期待されています。

 教育分野では、フューチャースクール事業の指定校で、電子黒板やタブレット型端末を使った教育手法の取り組みが進められています。電子黒板は、私たちが学んだ昔の教室で大きな壁掛けやOHPが果たしてくれた役割をより効果的に果たしてくれます。図面やグラフ、写真のみならず、動画も見せる事ができるので、児童・生徒の教科に対する理解が深まります。以前、富山県内でモデル事業が展開された市町の首長さんから紹介頂いたのですが、今後は機器が廉価になり、教科書会社等もコンテンツを提供する事で、さらに普及していく事が期待されます。

 このほか、今週は、日本アニメの海外展開に携わった中学・高校で同級の鶴宏明さんから、総務省が目指す「コンテンツの海外展開」に関わるアドバイスを頂いたり、資源エネルギー庁が進める民生部門の節電の切り札、「スマートメーター」の取り組みを学んだりしています。自分なりに、一歩一歩、学んだことを発信し、生かしていく努力を続けます。今週末は「在京当番」、三連休は東京に残り、地元の催しは失礼します。ご容赦下さい。

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