26日(水)で第181国会が閉会となり、政治の舞台は、23日(日)の都議選に続く参院選へと回り始めました。国会は、前号で懸念していた「波乱」が参議院で生じ、電力システム改革法、生活困窮者支援法や各種条約案件等が審議未了・廃案となりました。私の野党時代に、当時の菅総理、野田総理に対する問責決議が参議院で可決されましたが、今回の安倍総理に対する問責決議は、野党側が求めた今週の予算委員会出席を拒んだことを理由とするもので、根拠は薄すぎると思います。メディアの取り上げ方を見ても、事の重要性が小さく、野党の姿勢は疑問です。一方、与党の立場としては、衆議院で大方のコンセンサスがあった内閣提出法案を、内容ではなく周辺環境のために廃案にした事が残念です。次の国会では、改めて衆議院から審議する事となり、その分、何かの案件の成立が確実に遅れていく事になります。私が野田内閣に一番欠けていると指摘してきた「段取り」の問題が、私たちにも生じた訳です。ではどうすれば良かったのか、と言われれば、参院国対の現場のやり取りも知らずに論じるのは不謹慎ですが、「案件成立=実利優先」でひたすら頑張るのが与党側と言う事かと思います。最終的な内閣提出案件の成立率は84%。これは民主党政権時代から見れば見違えるような好成績です。安倍総理や私たちの新藤大臣の粘り強い国会答弁を始め、与党の皆さんの成果だと感じています。
この間、総務省ではICT成長戦略の取りまとめに向けて24日(月)から26日にかけて集中的に会議が開かれました。既に戦略の重点部分は内閣の成長戦略やIT戦略の中にしっかり位置付けられていますが、省としての今後の予算・施策の羅針盤を仕上げた訳です。それぞれの報告書は今後パブリック・コメントを経て正式決定されますが、まさに、スマホの普及、鉄道や店舗でのICカードの利用、カーナビなどGPS(G空間)の活用、医療や教育分野での取り組みの盛り上がりなど、時代は「ICTの夜明け前」を思わせる状況です。成長戦略の要の一つとして、私自身も、ICTの積極的活用に取り組んで行きたいと思います。
27日(木)、初めての国内出張で長野県塩尻市を訪ねました。ICT街づくり事業のモデル都市として、24年度の総務省予算でセンサーをネットワークしたシステムを構築し、子どもの見守り、地すべりや有害鳥獣の発見、ため池の水位管理など多用途への活用を図っています。さらに、災害時の緊急情報をエリアワンセグ放送で流したり、市内の公共施設にWi-Fi(ワイファイ)設備を整備し、インターネットに容易に接続できる環境を整えています。ICT街づくりの先端を走る塩尻市は、一面、木曽漆器やワインの産地であり、奈良井宿、木曽平沢という二つの重要伝統的建造物群保存地区を持つ、個性豊かな都市です。総務省の本事業推進委員会の岡座長の言われるように、「百聞は一見に如かず」、元気な地域の取り組みを歩いて勉強し、取り入れて行きます。来週からは参院選に入るので、この半年間の政務官としての経験を土台に、ICTの今後の展望を綴ってみようと思います。