国政報告(第190号)

 久し振りに富山で報告を綴っています。先週末の土・日は在京当番、1日(月)はアフリカのアンゴラから地上デジタル放送方式の調査に来日された情報通信省のサフェッカ副大臣、テタ副大臣に対応し、2日(火)朝から富山に入っています。梅雨終盤の蒸し暑さの中、路傍のアジサイの鮮やかな花を楽しみながら、参議院選挙の活動をこなしています。

 サフェッカ副大臣には4月初めのアンゴラ出張の際に、日本方式の採択をお願いしています。今回の調査が良い結果につながることを期待しています。これも、総務省のICT成長戦略の一環です。我が国の優れた技術を海外にパッケージとしてシステム売りし、国内産業の成長に結び付けようとする取り組みです。政務官を拝命して半年間、総務省の通信・放送・郵政分野を担当させて頂いて、まさに日本がICT(情報通信技術)を生かして飛躍するチャンスの時、「夜明け前」であるとの思いを強くしています。

 たとえば、ここ1、2年の間に皆さんが使われる携帯電話の半数近くがスマートホンに変わっています。これまでの携帯電話に比べ、スマホはその機能が一段とコンピュータに近付いたと言えます。パソコンで有線の通信回線を使ってインターネットを使うのではなく、スマホで無線の通信回線を使うため、この帯域の電波の使用量(通信された情報の量)は1年間で倍増の飛躍的な伸びを示しています。振り返ってみれば、20年前には固定電話だったものが、オフィスから家庭へとパソコンが普及し、皆さんが携帯電話を使うようになり、さらにスマホへと急速な変化が続いています。日本経済にとっては「失われた20年」ともいわれる同時期が、ICTにとっては変化と成長の20年だった訳です。

 さらに、パソコンの機能を手軽に持ち歩ける形に集約したタブレットが出現し、タブレットとスマホの違いは通信機能の有無だけという、コンピュータと電話の「融合の時代」を迎えました。いわば、情報(information)と通信(communication)の融合、まさにICT(情報通信技術)の時代が到来しようとしていると言えます。

 身の回りを見てみると、テレビやエアコンのリモコン、自動車の鍵など、スイッチを入れたり切り替えたりする度に、私たちは微弱な電波を使っています。鉄道で便利なICカードも、改札の読取り機との間は電波で情報をやり取りしています。高速道路のETCカードやカーナビもしかりです。このように、個々の端末の情報を通信回線でやり取りし、ネットワーク化することで、経済社会を思わぬ形で変えていくことができる、それが私たちの目指すICT成長戦略です。次回以降、個々の分野におけるICT活用の現状と展開可能性について、この半年間の経験から得たものを順次報告していきます。

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