今週も16日(火)、19日(金)が総務省の在京当番で、17日(水)は地デジ放送の日本方式を採用頂いたアフリカのボツワナ共和国マシシ大臣が来日、新藤大臣との会談に陪席しました。今週も東京からの報告となりましたが、ICT成長戦略の各論として、今回は、教育分野を取り上げます。
毎年、この時期は県西部6市を中心に、県内各自治体の来年度に向けた重点要望を伺うのですが、数年前、氷見市と立山町から電子黒板の普及について、国の支援制度の強化を求められました。聞くと、総務省のモデル事業で市・町内の一つの学校に電子黒板を設置したところ、教育効果が上がり、全ての学校に展開したいのだが、自治体財政の厳しい折、国の後押しが望まれるとの事。私にも、是非教育現場の取り組みを見てほしいとの熱いお話しを頂きました。
電子黒板は略称で、総務省ではインタラクティブ・ホワイトボード(IWB)と呼んでいます。黒板の代わりの電磁的なディスプレーと誤解を受けた事もあるのですが、教室では黒板とは別に昔の壁掛けやOHPのスクリーンのような補助的役割を務めています。ただ、ICT(情報通信技術)を使うので、コンピュータの画面と同じように様々な画像や動画も見る事ができます。子ども達の勉強する様々な学科に合わせて、学習内容を深めてくれる補助教材を見せることができます。今では、クラウド技術を用いて、教科書出版会社も補助教材のコンテンツをクラウド上に用意していて、学校側は年間契約しておけば、授業の際にこれをダウンロードして使う事もできるようになっています。先生方がコンテンツを全て手づくりする手間はかからなくなっています。
さらに、ここ数年はタブレットの開発が進み、教室で子ども達一人一人に持たせる事も可能になりました。皆で算数の筆算に取り組み、ある子どもの回答をタブレットからIWBに送信して、先生が皆にわかるようにチェックして見せる事ができます。課外学習のまとめも、子ども達がグループに分かれ、材料を持ち寄ってタブレット上で新聞形式に仕上げ、IWBに送信して皆に見せる事ができます。地方圏の学校と自動車製造工場をインターネットでつないで、IWBの画面上で自動車の組み立て現場を「見学」する試みもなされています。総務省では、こんな未来型の授業に学校単位で取り組んでもらうフューチャースクール推進事業を平成22年度から4年間にわたり展開してきました。今回の私の拙い紹介は、この事業の対象校の授業を見学した内容を綴ったものです。
フューチャースクール推進事業の成果を踏まえ、総務省は文部科学省と協力して、中期的に全ての学校の教室にIWBを整備し、子ども達各自がタブレットを持って授業が展開できる環境を整えて行く考えです。もちろん、これまでの黒板への板書も、子ども達のノートも大切な学習手段として残ります。そこにICTの力も加えて、学びの場をより充実させる事が私たちの目標です。