国政報告(第211号)

 先週末の国会会期末は、結局6日(金)の午後に会期が2日間延長され、7日(土)未明にかけて参議院で特定秘密保護法案ほか数案件が可決成立して幕を閉じました。懸念していた会期の短さから、国家公務員法改正案は衆議院で継続審査となり、参議院の委員会審議は荒れ模様となりました。それでも、内閣提出案件の成立率は87.5%と、民主党政権時を大きく上回り、正常な姿になりました。特定秘密保護法案の必要性は理解されたものの、秘密の範囲の絞り込み、国民の「知る権利」との調和など、世論にも厳しい見方が残っており、この上は法の丁寧な運用を通じて懸念を払拭していく必要があります。

 8日(日)は党女性局長代理として、香川県高松市に出張し、昨年に引き続き四国ブロックの女性局大会に出席しました。9日(月)からは、税制改正、補正予算編成、当初予算編成と与党らしい年末の仕事が主体となりました。政務調査会で自分の持ち場である水産、総務、経済産業部会の立場で税制調査会の議論や財政当局への要請に加わりました。来年度に向けての税制改正は、消費税の8%への引上げに伴い、地方法人税や自動車への課税について変更の必要がありました。漁業については、燃油が高騰する中、石油石炭税の免税・還付措置の継続措置の継続が最大課題であり、水産部会長代理として要請の発言をしました。12日(木)の総務会で党税制改正大綱が了承され、地方法人税の一部の交付税化、自動車所得税の軽減、漁業用燃油の特別措置の延長など、私の関わっていた案件は概ね良好な取りまとめを頂きました。

 一方、消費税引上げ対策を主眼とする5兆5千億円規模の補正予算案も13日(金)に閣議決定されました。復興特別法人税の1年前倒し廃止に伴う復興財源の確保や、学校耐震化の推進、中小企業・商店街活性化策など多様な内容が盛り込まれました。さらに、新年度予算編成方針と党の取り組み方針も決定され、来週1週間で内示に向けた詰めがなされます。公共投資や地方財政計画は概ね今年度並で、2年に1度の診療報酬改定の内容の議論が進むなど、最終結論に向かっています。

 一方、シンガポールで開催されていたTPP交渉は、関税等合意に至らぬ分野が残り、最終妥結は新年にずれ込む気配です。このほか、沖縄の普天間基地移設問題も辺野古沖の埋め立てに対する知事許可が焦点となるなど、安倍内閣は依然として重要な課題を抱えて2年目を迎えようとしています。

 富山に戻ってみると、時雨に雪が混じるようになり、年の瀬に向かう慌ただしさを感じます。18~19日(木~金曜)には、衆院東日本大震災復興特委の委員視察で、福島第一原発・岩手・宮城県の被災地を回ってきます。次号では視察結果と新年度予算の骨格について報告しようと思います。

カテゴリー: 国政報告 パーマリンク