21日(金)、今国会始めて内閣委員会で質問に立ちました。冒頭の万葉集はいつもの通りで、梅の歌を詠みました。内閣府の各大臣の所信に対する一般質疑ということで、関東甲信地方の大雪対策から、テレワークの推進(森大臣)、クールジャパンの推進(稲田大臣)、電子政府の推進(山本大臣)など、内閣府の広範な行政分野から一問づつ考えを聞いた上で、かねてから取り上げてきた組織の問題を深彫りして尋ねました。
現在の国の行政組織は、橋本内閣の時に大掛かりな見直しをされ、平成13年に発足したものです。当時は省庁の数を集約し、省を横断する課題については、時の内閣が重要と判断するもののみを内閣官房や内閣府で扱い、その他は省同士で調整するものと想定されていました。しかし、それから13年経つ間に歴代の内閣が、自分たちが重要と考える課題を取り上げては内閣官房・内閣府に担当させ、それらを整理せず、組織や職員数が膨張するままに今日に至っています。これを整理し、組織をスリム化しようとすれば、省を横断する課題を各省に戻し、省同士で調整に汗をかく形に変えなければなりません。また、職員数が増えた現状では、審議官・参事官といったスタッフ制では誰が何を担当するのか不明確であり、局・部・課といったライン制の組織形態が望ましい場合もあるでしょう。与党の立場ではありますが、野党時代から温めてきた問題意識を率直に披露し、稲田大臣に問題意識を共有頂けました。
国の中枢の官邸では、人事や安全保障など国の根幹に関わる事項や、時の最重点課題に特化して司令塔機能を発揮頂き、難所を越えた課題は各省に任せていくのが理想だと思っています。内閣府の在り方については、党でも今後検討していく事となっており、自分の考えが役立てば嬉しいところです。
明けて25日(火)には、東日本大震災復興特別委員会の所信質疑があり、予算委員会も27日(木)で質疑は大詰めを迎え、与党は28日(金)の新年度予算案採決を提案しています。ここで衆院を通過すれば、参院の審議の推移に関わらず、3月末までに新年度予算が自然成立する事となり、通常国会は前半の大きなヤマを越して行く事になります。
一方、22日(土)から25日までシンガポールで開催されていたTPPの閣僚交渉から甘利大臣始め関係者が帰国され、27日に与党で報告会が持たれました。結果として、貿易ルールの部分は進展を見たものの、関税部分は日米間の隔たりが大きいまま、当面は事務レベルの折衝に委ねられる事となりました。このため、4月下旬に予定されるオバマ大統領の訪日に向け、交渉の行方がどうなっていくのか、注目されます。少なくとも年度内の交渉妥結はまず難しく、日本の重要課題とすれば、消費税の8%引き上げが先行しそうです。このほか、26日(水)には次期エネルギー基本計画の政府案が党に示され、安全が確認された場合の原子力発電所の再稼働も視野に入れての議論が始まりました。来週からは予算審議の舞台が参院に移る中、消費税引上げから始まる重要施策の展開に目を凝らしていきたいと思います。