台風11号が四国、中国に上陸、被害が心配される17日(金)朝の報告です。今週の国会の焦点は昨日衆議院を通過した平和安全法制の扱いでした。13日(月)の中央公聴会の後も、特別委員会での審議が続けられ、15日(水)に安倍総理出席の下、締めくくりの総括質疑があり、討論・採決の結果、可決すべきものと決し、16日(木)の本会議に上程された訳です。
この間、野党からは採決は時期尚早との意見がありましたが、質疑時間は116時間に達し、論点もほぼ出揃った段階での採決は妥当と私も思います。私が野党時代にも「強行採決」を何度か経験しましたが、その場合は審議途中に与党側から「打ち切り動議」が出され、討論もなく即座に採決するパターンでした。今回は、事前の理事会で質疑終局が決められ、維新の党の討論もあり、これまでの「強行採決」とは様子が違いました。本会議にも、ほとんどの野党が出席し、反対討論をした上で、採決だけは退席しており、議事運営について委員長等の責任を問う動議も出されませんでした。私の6年弱の国会の経験からすれば、手順を丁寧に踏んだ運びであったと思います。
この国政報告で何度か述べてきたように、平和安全法制は今日の日米安全保障条約を基軸とする我が国の安全の保持と、国際社会の平和維持活動において我が国に期待される任務の遂行のために必要な法案です。その起草に当たっても、昨年夏の基本方針の閣議決定以来、政府・与党にて現行憲法の枠内でできることを細心に吟味して練り上げています。もちろん、法案審議の過程で出された様々な意見は傾聴すべきであり、場合によっては参議院で部分修正や附帯決議がなされるかも知れませんし、それは立法府の大切な役割だと思います。この点、維新の党からは対案が出されましたが、民主党からは領海警備以外の部分に対案が出されず、吟味の具体的な成果を得られなかったのは残念です。
もっとも、総理や浜田平和安全特委員長も述べられているように、政府・与党としても国民の皆様の理解を十分に得たとは言い難い現状であり、審議の途上でも党内から不適切な発言があったことなど反省すべき点があります。この法案は、現に起きている事態を対象としたものではないだけに、理解を頂く事が難しい面もあります。自衛隊や安保条約と同様に、歴史の経過を経てその真価が問われるものであり、そこに今日の政府・与党が負うべき責任もあるものと思います。参議院でのさらなる充実した審議を見守っていきます。
さて、週末の11日(土)は有村治子女性活躍担当大臣、12日(日)は林幹雄衆議院議院運営委員長が来県され、それぞれご講演を頂きました。有村大臣からは、高岡市ファミリーサポートセンターの開設10周年記念式典にて、少子化対策、男女共同参画について聴衆を元気付けるお話を頂きました。林委員長には、「松村謙三先生の精神に学ぶ会」にて、日中議会交流の現状や、議会人として議員立法に努力されてきた経験から政治に携わる際の心構えを教えて頂きました。
先輩の諸先生の背中に学び、今日の国会に気を引き締め、月末のTPP閣僚交渉、8月に予定される原発再稼働、沖縄辺野古沖の埋立工事の着手など、節目の事態をしっかり見つめ、与党の一員としての職責を果たして行きたいと思います。