国政報告(第296号)

 この報告は18日(金)の深夜、平和安全法制の審議が参議院本会議で行われている時点で書いています。15日(火)の中央公聴会、16日(水)の横浜での地方公聴会の後、参議院では、法案の委員会・本会議採決に向け、状況が緊迫しました。17日(木)には、鴻池委員長の解任動議が否決された後、夕刻に委員会採決がなされ、舞台が本会議に移りました。問責決議案が議院運営委員会委員長、中谷防衛大臣、山崎議長、安倍総理と4本出され、各々否決された後、18日午後2時に安倍内閣不信任案が衆議院に提出されました。

 この間、私たち衆議院の国会対策委員会では、参議院での審議を見守りつつ、終盤国会での案件成立を可能な限り増やす努力を進めてきました。状況が厳しくなる直前の16日午前の参議院本会議でも、内閣提出の医療法改正案、議院提出の琵琶湖保全法案が可決成立しました。内閣提出法案で言えば、75本中成立は66本超となる見込みで、成立率は88%強となりそうです。この点、会期末手前の24日(木)、25日(金)の審議にも期待をかけたい所です。

 とはいえ、16日午後以降は、参議院での平和安全法制の進捗をひたすらサポートする流れとなり、18日午後4時半に開会した衆議院本会議で内閣不信任案を否決したのが一番の仕事になりました。これで法案の審議が参議院本会議で再開され、冒頭、鴻池平安特委員長の問責決議案が出されましたが、否決されました。いよいよ、明19日(土)午前0時10分再開予定の本会議で法案の採決が始まるものと思われます。

 平和安全法制の成立までには、まだ緊張感を欠く事ができない状況ですが、敢えて所感を述べるとすれば、衆参両院で200時間を超える審議がなされ、様々な意見が出されました。法案の起草過程では、昨年の政府部内での検討、方針の閣議決定、そして具体的な法案の作成と、幾つもの段階で慎重な検討がなされ、集団的自衛権についても十分に限定的な内容にまで絞り込んで例外的に認める内容となっています。この間、昨年秋までは、私も党総務会のメンバーとして、法案に携わった政府職員の皆さんとも意見交換し、憲法の定めと整合する内容となるよう微力ながら努力した自負はあります。高村副総裁や公明党の皆さんも随分と努力され、当初の構想から見れば、極めて抑制的な内容に仕上がっていると思います。

 そうは言っても、多くの心配の声もある訳で、法案の提出、成立に努力した私たち、政府・与党とすれば、法案成立後は、その運用において、反対した方々の懸念を払拭するように努力しなければと思います。抑止力を高め、我が国の安全保障を強固なものとするとともに、近隣諸国との外交関係をより良いものに築いていかなければなりません。「戦争法案」というレッテルは全くの誤解だと思いますが、将来、確かにそうなるよう努力していきます。

 シルバーウイークをはさんでいよいよ会期末、最後まで実りある国会となるよう努めます。

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