国政報告(第299号)

 国会閉会中の今週ですが、一番の動きは10月5日(月)、TPP交渉の大筋合意の知らせでした。民主党内閣時の参加検討表明から5年、安倍内閣となって交渉に参加してから2年半の長期間にわたる取り組みでした。この間、甘利担当大臣を中心に農業分野5品目(米、麦、乳製品、肉類、甘味作物)を守るという方針のもと、粘り強く交渉に当たってきました。当初は関税の即時撤廃との不安もありましたが、安倍総理と米オバマ大統領との首脳会談でお互いにセンシティヴィティを持つ重要な品目がある旨の合意ができ、米や麦の関税率は変更されませんでした。

 もちろん、各品目について、輸入数量の拡大や関税の引き下げ等、市場開放に向けた措置が取られますが、当初の交渉方針は守られたものと思っています。また、製造業の品目はもとより、和牛や水産物など我が国が輸出に力を入れている農水産品について、相手国の関税撤廃など交易条件が改善する効果もあります。今後、合意内容の詳細が明らかにされるとともに、農業分野を中心とした対策が立案され、協定署名後の年明けには批准に向けた国会審議が始まることになります。

 最終合意の段階では、医薬品等の分野で米国と他の国が激しく対立し、閣僚会議は当初の予定を2日延長しての折衝となりました。この間、甘利大臣が大筋合意に向けて米フロマン代表ほかのメンバーに強く呼び掛けるなど、我が国が重要な役割を果たしたものと見ています。これで、民主党政権以来の国政上の三つの重要課題として私が注視してきたTPP、原発再稼働、沖縄基地移設のうち、二つが大きく展開したことになります。九州電力の川内原発は1号機が順調に稼働し、2号機も今月中旬に稼働開始の予定で、四国電力の伊方原発が後に続く見込みです。残るは沖縄の普天間基地の辺野古への移設ですが、翁長県知事が辺野古沖の埋め立て工事の許可取消しを準備するなど、予断を許さない状況が続いています。ここを乗り切って2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、「日本を取り戻す」という公約実現に政府与党として進んで行きたいものです。

 私自身の今週の主な動きですが、3日(土)に若宮健嗣代議士をお招きし、富山第三選挙区・女性部共催の平和安全法制セミナーを開催、夕刻は才川昌一議員後援会で国政報告の機会を頂きました。4日(日)は陸上自衛隊富山駐屯地53周年5日(月)の国立富山高等専門学校創立50周年・創基110周年、6日(火)の全国すし(寿司)連富山大会と式典出席が続き、7日(水)は党北陸新幹線敦賀以西のルート検討委員会にて福井・石川・富山三県知事の意見を伺いました。また、3日朝には、高岡市伏木の勝興寺門前のポケットパークにて、地元自治会の皆さんによる大伴家持卿の銅像・歌碑の除幕式がありました。「しなざかる 越(こし)に五年(いつとせ)住み住みて 立ち別れまく 惜しき宵かも」との万葉集の家持卿の和歌を小生にて揮毫させて頂きました。恐れ多い事でしたが、元越中国庁跡に家持卿の銅像を建立したいという地元の皆さんの熱意に共感し、国会でも万葉集を披露させて頂いているご縁に感謝してお引き受けした所です。

 7日(水)には第3次安倍改造内閣が発足、9人の閣僚が交代しましたが、骨格の皆さんは留任となり、安定感のある布陣だと思います。これに伴い、私たち議員の人事も行われますが、国会で仕事をする機会を頂いて7年目、気持ちも新たに自分の営みを少しでもカタチに残せるように努力して行きます。

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