前号の後、15日(木)の朝に羽田空港から飛び立ち、23日(金)の夕刻まで、議院運営委員会から欧州へ9日間出張しました。24日(土)の朝に富山に戻り、天皇・皇后両陛下ご臨席の下、「第35回豊かな海づくり大会・富山大会」の諸行事に参加しました。
大会は、射水市新湊地区を主会場に、大島大会長(衆院議長)、森山農水大臣、丸川環境大臣などのご出席で盛大に開催されました。高度3千mの立山連邦から流れ出る良質な水が注ぎ込む深さ千mの富山湾には、多様な種類のさかなが数多く生息しています。「天然のいけす」を舞台に営まれる漁業と人々の生活や文化に焦点を当て、育てる漁業、良好な環境づくり、そして次代の漁業者育成への決意を参加者が確認し合う有意義な機会となりました。県・射水市関係者の入念な準備の賜物です。とりわけ、大会運営に関わる高校・高専生や、作文・意見発表をする小中学生の元気で清々しい態度と、終始温かく見守って頂いた両陛下のお姿が強く印象に残りました。
欧州出張では、岸信夫団長(衆院議運理事)ほか5名の議員メンバーで、イタリア、スペイン、フランス三国を回りました。各国の下院議事堂、国立公文書館を訪問し、親日議員有志の方々と意見交換しました。イタリアでは、今月末まで開催のミラノ万博も訪問し、洗練された展示と美味しい日本食が評判の日本館を見学しました。スペインでは、独立の動きがあるカタルーニャの州都バルセロナに足を伸ばし、実情を伺いました。
三国とも本会議場は我が国同様、半円形のすり鉢状で、運営についても、議運・国対に似た役割の組織や会議がありました。スペイン、フランスの本会議の定例日は火・水・木(日本は火・木・金)で、週末は議員は選挙区に戻るなど、共通点もありました。目下、欧州では、中東から流入する難民の受入れが課題ですが、当面はドイツの対応を注視しているようです。経済・財政については我が国と同様の問題意識で、成長戦略、観光振興、財政再建など日欧間で意見交換できるテーマが幾つもありそうです。
公文書の取り扱いについては、各国の館で収集・分類・保存が地道に進められていました。憲法、人権宣言(フランス)、通商条約(イタリア)など、基本的文書が国民に向けて積極的に展示されていて、我が国の国立公文書館の在り方の検討方向と一致しています。
私とすれば、2年前に家族旅行させて頂いたイタリアは別として、スペイン・フランスは四半世紀ぶりの訪問でした。街並みが一段と磨かれたトレド、交通渋滞がひどくなったパリなど、変化も感じつつ、街の社会資本に対する地道な投資の重要性を再認識しました。
帰国と同時に政務調査会総務部会長を拝命しました。地方自治、情報通信、行政管理と、取り組んできた分野で頑張って参ります。