国政報告(第334号)

 引き続き梅雨空の下、富山で参議院選挙の応援活動を続けています。この間、12日(日)は、高岡高校の近畿圏同窓会に出席するため、大阪に日帰りで出かけました。総会に先立つ講演会では、東京と富山を行き来しながら文化マネジメント活動に携わる林口さんが講師を務めました。美術館の企画展、歌手のコンサート、寺院の文化活動など様々なジャンルのコーディネートの傍ら、地元では日本遺産に選定された高岡のPR事業を請け負っている由。フリーペーパーの制作や大手雑誌記者の受け入れツアーなど、地域文化の発信に貢献されています。地方創生が国の重要な政策課題となる中、北陸新幹線も活用する林口さんのような「二拠点活動」をする方が増えることを期待しています。また、地元にUターンされる人材を活かし、地域活動の輪にうまくネットワークしていけるように、地域の側でも受け入れ態勢を整えることが大切だと感じました。

 週明けの13日(月)の午後に上京して各省庁からのレクを済ませ、あとは県西部中心の毎日です。霞が関は幹部の人事異動が進む中、消費税増税延期の決断を受け、限られる財源の下で社会保障の改革や制度設計をどう進めるか、早くも29年度予算に向けた検討が始まっており、党財政再建特命委員会としても選挙後にはフォローして行かなければなりません。また、舛添都知事の政治資金等の問題が都議会の審議で深刻になり、15日(水)には辞職に至りました。「想定外」の事態も生じる中、参議院選挙に向けては緊張感を持って進まなければなりません。

 さて、本号では、林口さんのお話にちなみ、「文化GDP」について紹介したいと思います。我が国には素晴らしい文化財がたくさんあり、これまでもその保存・修復は文化庁を中心に粘り強く取り組まれています。これを一歩進めて貴重な観光資源として活かすべきとの意見が、昨年末から党内で強く出てきました。折しも、訪日外国人客数が二千万人の大台に近づき、政府も新たに四千万人の目標を設定しようとしており、日本らしさを強調できる文化財の役割が注目されています。さらに、安倍政権は「新三本の矢」として、名目GDPを600兆円まで到達させると打ち出しており、文化の分野でも、様々な付加価値により、GDPの成長に寄与できるものと考えられます。また、文化庁も京都への移転の方針となり、新たな機能を持って文化行政を展開したい意向が出てきました。

 以上のような背景を受けて、党文化伝統調査会の小坂会長や馳文科大臣のご指導の下、堂故政務官とも連携しつつ、今春、「文化GDP」のプロジェクト・チームを立ち上げました。私が座長、実質的な推進役の事務局長には滋賀県選出の新進気鋭の二之湯武史参議院議員がつき、有識者ヒアリング等の検討の末、文化GDP拡大に向けた提言をまとめ、政府に提出しました。文化財修理に観光にも資する視点を入れること、修理自体を産業と位置づけること、ソフトな文化活動をコーディネートする人材を育成すること、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、文化面の発信を強化すること、等々早速骨太の方針にも反映させることができました。

 参議院選挙後もさらに文化GDPの様々な側面を検討し、新たな提言につなげていきたいと考えています。

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