この報告を14日(水)午後10時に会館事務室で綴っています。18日(日)の通常国会の会期末を前にして、組織犯罪処罰法案の審議を巡って与野党の対立が深まり、昨13日(火)の参院法務委員会は、金田法務大臣の問責決議案が提出され、いわば民進党等の審議拒否とも言える形で中断されました。今日の参院本会議で問責決議案は否決され、与党側は委員会審議を打ち切って中間報告を受ける形での本会議での採決を目指し、これに抵抗する形で野党側から安倍内閣不信任案が提出されました。これから、衆院本会議が日付を跨ぐ形(延会)で開かれ、与党側は不信任案を否決処理して参院での法案採決を目指す方針です。
組織犯罪処罰法案の審議では、処罰対象が広がることへの懸念が主たる論点でしたが、与党側は対象となる行為を絞り込み、政府も一般国民が故無く捜査の対象になるようなことはあり得ないと答弁を尽くしてきました。いたずらに不安をあおり、反対のためだけに審議を中断する行為を繰り返す民進党等の姿勢は疑問であり、一定の審議時間を消化した現時点での採決はやむを得ないと考えます。
一方、終盤国会では、学校法人加計学園の愛媛県今治市での獣医学部設置許可を巡り、内閣府と文科省との協議の過程において官邸上層部の意向が影響を与えたか否かが焦点となりました。これに絡んで文科省から流出したメモの真偽を巡り、文科省の調査が不十分との批判が世論に広がり、再調査する事態となりました。政府側の説明では、この間の判断は文科省の責任によるものとされており、再調査の結果は説明責任を果たせるものでなければなりません。
一面、今国会はご退位法案を与野党の実りある議論によりまとめ上げるなど、立法府の機能を十分に発揮する成果も挙げてきただけに、終盤でのこの波の高い状況を残念にも思います。
さて、先週末は9日(金)の福島県川俣町佐藤町長、富岡町宮本町長との面会のための出張の後、10日(土)のみ富山で過ごし、11日(日)は東京で妻の母の一周忌を営ませて頂きました。富岡町には、今春の避難解除以降、初めての訪問でしたが、中心部にオープンした「さくらモール」は近隣の住民や作業員の皆さんで賑わっており、秋に常磐線が再開する予定の富岡駅周辺も急ピッチで整備が進められていました。二次救急を担う医療センターも着工の運びとなり、デイ・サービスも再開し、来春の小・中学校の再開が待たれる状況です。帰還された住民の数はまだまだ少数ですが、月ごとに着実に増加しており、郡山市から帰還した役場の皆さんの表情も明るさが増したように感じました。今国会で成立した福島復興再生特措法に基づく基本方針の閣議決定に向けた与党内の手続きも進んでいます。帰還困難区域での「特定復興再生拠点区域」の設定により、残る避難指示区域にも住民の皆さんが帰還できる環境を創り出すべく、復興庁としても努力していきます。