国政報告(第406号)

 この冬はラニーニャ現象で寒くなるとの気象庁から発表されましたが、11日(月)夜からの寒波で富山も早々と積雪状態になりました。一方、東京はいつの間にか銀杏並木もすっかり葉が落ちて蒼い空の下にビルの稜線が陽光にくっきりと刻まれています。

 9日(土)に特別国会が会期末を迎え、富山での週末は県薬剤師会の表彰者祝賀会瘧師県議の後援会総会に出席しました。11日朝に上京し、今週は新年度の税制改正案の党内審議に参加しました。党税制調査会は、宮沢会長、額賀小委員長の下、例年通り濃密な議論が進められ、14日(木)に「税制改正大綱」として了承されました。私は自治体行政に携わった立場から、地方税収の安定的確保や大都市圏・地方間の税収の偏在性是正を求める意見を述べました。

 今回の税制改正は、平成31年10月からの消費税引き上げを前に、所得税の再分配機能の拡充、森林環境税の制度設計、国際観光旅客税の導入、税務手続きの電子化など注目すべき点が多くあります。所得税では、基礎控除を10万円増額する一方、給与所得控除を10万円減額した上、上限額を220万円から195万円に引き下げました。これにより、年収850万円以上の給与所得者が増税になる一方、中間層以下の大方の納税者の負担は軽減されることになります。さらに、基礎控除は年収2500万円以上は適用されない事になり、年金受給者についても高額所得者の控除額が減額されるなど、「格差の是正」を図る改革となります。

 地方の町村部を中心に粘り強く要望活動が進められてきた森林環境税は、一人当たり年額千円で個人住民税に併せて市町村が徴収する形での導入が決まりました。課税がスタートするのは、東日本大震災からの復興財源としての増税が終わる平成36年度ですが、自治体には31年度から先行して総額200億円が譲与される事となります。配分は県に1割、市町村に9割で、「間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備」に基礎自治体たる市町村が主体的に取り組む体制に変えていく前提です。

 国際観光旅客税(仮称)は、平成31年1月7日以後に我が国を出国する者(外国人も含まれます。)に新たに1回千円を徴収するものです。出入国手続きの迅速化、観光PR、文化・自然を活用した観光資源整備、観光受け入れ体制の充実等に充てられます。

 税務手続きの電子化については、法人税の電子申告を促進するほか、所得税の年末調整についても、保険料控除の手続きを電子的にできるようにするなどICT(情報通信技術)の活用が進みます。さらに、地方消費税の清算基準の変更により、実質的に地方圏への配分額が増える見込みです。これらの改正については、次期通常国会に法案として提出、成立を目指します。来週は補正予算・本予算の編成結果について報告できる見込みです。

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