師走に入って急に暖かくなり、汗ばむ位かと思う内、週末に向けては一気に気温が下がり、降雪も予想されるようです。臨時国会は10日(月)の会期末まで今日(6日(木))から実質3日間となり、出入国管理法等改正法案が参議院で採決のヤマ場を迎えています。内閣不信任案の提出が取り沙汰されるなど、荒れ模様の印象が強いですが、内閣提出案件は、漁業法改正法案や日EU経済連携協定批准など全て成立の見込みです。衆院国土交通委員会では、トラック事業者の皆さんから運転手の働き方改革のために強い要望のあった貨物自動車運送法改正法案が全会一致で可決されるなど、立法府としての役割も与野党協力して果たしている旨、報告します。
先週末の1-2日(土-日)は、埼玉県秩父市で全国山・鉾・屋台保存連合会の総会が開催され、現在、副大臣就任のため会長職を休止している私は夕方の懇親会と翌日にかけての祭礼見学に参加しました。開催地の秩父夜祭は、江戸時代に名産の絹の市を盛り上げることから豪華絢爛な屋台と笠鉾が師走の街を練り歩く秩父神社の祭礼として大いに発展したものです。各町の役員が明るい色のいなせな着物を着流しているのも、秩父の特色であり、名産の絹織物「秩父銘仙」をアピールしているものと思います。全国の重要無形民俗文化財の祭礼関係者が一同に会し、心意気を分かち合う本総会は、来夏は青森県八戸市で開催する事となりました。
富山にワンタッチして東京に戻り、4日(火)午前は衆院の東日本大震災復興特別委員会で3時間の質疑があり、税制、復興五輪の取り組みの2問に答弁しました。午後から5日(水)にかけて、渡辺大臣に随行し、福島県浜通りに出張しました。初日の夕刻は、富岡町、楢葉町、広野町、川内村の町村長さんと懇談の機会を持ち、有害鳥獣対策としての森林整備の促進、イノベーション・コースト構想の下での若者世代の人材育成、新たな特産農産物の開発など、多様な意見交換ができました。5日は大熊町で整備されている中間貯蔵施設を見学した後、東京電力福島第一原子力発電所を訪問しました。私にとっては、前任の際、2年前の訪問以来で3回目となりましたが、関係者の努力で廃炉作業が一歩一歩前進していることが確認できました。敷地内の放射線量の低減が進み、マスク無しの通常の服装で行動できる範囲は、1~4号機周辺を除く全域へと格段に広がりました。汚染水を多核種除去装置(ALPS)で処理したものを貯めているタンク群や、使用済み燃料の取り出し準備が進められている3号機のオペレーティング・フロアも見ることができました。ここでは事故後の原発の廃炉という、前例の無い作業に取り組んでいる訳で、慎重に粘り強く手順を踏んでいく事が肝要と改めて痛感しました。今月は、この後も数度被災地を訪問し、現状を理解し、解決すべき課題の把握に努めて行きます。