前回の報告を書き終えてから、週末にかけて東日本大震災からの復興にとって、「まさか」と思える困った事件が起きました。まず、10日(水)の夜、議員宿舎に戻ったところで知り合いの新聞記者さんから桜田五輪担当大臣がつい今しがた辞任したとの知らせを受けました。理由は、同僚議員のパーティでの「復興よりも同僚議員の方が大切」との発言と聞いて、言葉に詰まりました。思えば、復興に関わり、パーティでの発言で政務が辞任に至った例が2度ありました。当時、伊吹前衆議院議長が「六つの「た」」として、「多数の場での挨拶」や「たとえ話」は注意するように、と戒められたのを忘れた発言でした。当然、許されるものではなく、私ども復興庁としても、復興五輪を盛り上げようと被災地の皆さんに働きかけている立場も含め、深くお詫びするものです。安倍総理は改めて、全大臣が復興大臣との自覚をもって事に当たるよう指示されましたが、心していきます。
次いで12日(金)朝、東京電力福島第一原発の事故に起因する我が国水産物に対する韓国の厳しい輸入規制措置について、我が国がWTO(世界貿易機構)に提訴していた案件の上級審の判断が明らかになりました。1審では、我が国から輸出される水産物の安全性が認定され、韓国の規制は国際ルールに照らし不当に厳しいものとの判断でした。しかし、上級審では1審の判断が維持されるだろうとの我が国の予想を裏切って、韓国の規制について、自国の国民の安全を守る立場から不当とは言えないとして1審の判断を破棄しました。WTOの判断としてはこれが最終となるため、我が国としては韓国の措置を国際ルール違反として撤廃を求めることができなくなりました。今後は韓国に対し、我が国の水産物が厳しい検査を経て放射線の面で安全であることを粘り強く説明し、韓国側が自主的判断として規制を撤廃するよう働きかけていかなければなりません。WTO勝訴による輸出の解禁を期待されていた水産業関係の皆様、とりわけ、三陸地方でホヤ(震災前はキムチの原料として韓国に大量に輸出されていました。)の養殖に励んでおられる方々を落胆させる結果となり、政府の一員として申し訳なく思います。折しも同日、「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」が復興庁で開かれ、一日も早く輸出が再開できるよう、風評払拭に努めていく旨、一同決意を新たにしました。
地元では、11日(木)に高岡市の大和百貨店が8月25日をもって閉店するとの発表がありました。全国的に百貨店の営業が厳しい情勢の下、残念ですがやむを得ない判断と受け止め、今後の空きスペースの活用など中心市街地への市当局の取り組みを応援していきます。厳しい「まさか」の事件が3件続いた今週、これを乗り越え、それぞれの政策目的実現に向かっての前進を誓うものです。