国政報告(第477号)

 通常国会の会期もあと1か月となり、内閣提出案件の審議も順調に進み、来週中には大方参議院に送付できる情勢です。この間、衆議院の解散・ダブル選挙について政府・与党首脳部の発言が相次ぎ、政治報道の中心を占めている感があります。私は、10月の消費税10%への引き上げは、ここまで準備が進んだ段階では実施すべきであり、国民に問うべき重要な政策変更が無い以上、解散は無いと考えます。復興副大臣の職責を務め切ることを第一に臨みます。

 渡辺大臣の主導で進めている在京大使館訪問活動(「復興五輪」海外発信プロジェクト)の一環として、週末の17日(金)はボツワナ20日(月)はシンガポール大使館に伺い、大使と面談しました。ボツワナは、総務大臣政務官を務めた折に、我が国の地上デジタル波放送の技術を採用頂き、2度訪問しています。シンガポールは以前から大使館職員と交流があり、昨年夏は予算委員会視察で訪れるなど、両国とも個人的にもご縁があり、大震災からの復興支援や農産物輸入規制の緩和(シンガポール)の御礼と併せ、被災地の復興の現状をお伝えする機会を得ました。

 地元では、18日(土)に党第三選挙区支部幹事会高橋高岡市長後援会総会、19日(日)に党福岡支部総会上平支部総会などに出席し、週明けの21-23日(火-木)は20回目の東北出張で岩手県・宮城県に伺いました。主要用務は、復興五輪の取り組みとして、21日午前に盛岡市で開催される予定だった「旧国立競技場炬火台除幕式・点火式」への出席でしたが、悪天候で行事が中止になりました。このため、午後、盛岡市で整備された県営災害公営住宅の見学から始め、復興支援道路として建設が進む宮古盛岡横断道路の新区界(くざかい)トンネルの工事現場に伺いました。昨年1月に貫通したトンネルの総延長は4,998mで、令和2年度予定の宮古盛岡横断道路整備完了時には、宮古~盛岡間の所要時間が約30分短縮されるそうです。三陸沿岸では、大槌町の浪板海岸の砂浜再生事業現場に立ち寄りました。翌日見学した釜石市の根浜海岸とともに、大震災前は白砂青松の海水浴場として賑わっていたのが、地震・津波で砂浜が消失し、復旧が強く要望されていたものです。関係者の努力で、復興・創生期間中に再生できる見込みです。

 山田町で宿泊し、22日は釜石市鵜住居で、野田市長にご案内頂き、駅前に整備された「うのすまい・トモス」で大震災の記憶や教訓を伝える「いのちをつなぐ未来館」を見学し、ラグビーワールドカップの試合会場となる「釜石鵜住居復興スタジアム」に立ち寄りました。午後は、岩手大学釜石キャンパスで水産システム学コース開設による復興支援の現状を伺い、陸前高田市に移動して、広田湾遊漁船組合の海中での飲料熟成のユニークな試みの説明を受けた後、戸羽市長・伊藤議長のご案内で区画整理後の土地の利用状況を確認しました。商業施設「アバッセたかた」周辺、高台の今泉地区とも、2年前に比べ、着実に建物が増えており、低地部の農地では今季から稲作が再開されるなど、復興・まちづくりの堅実な歩みを感じました。被災地の区画整理後の土地について、利用率の低さが指摘されることがありますが、インフラの整った街の中心部の土地は、将来に発展可能性を残すものでもあり、中長期的に息長く活用を図っていくべきと考えます。

 仙台市で一泊の後、23日午前は宮城県市長会の佐藤会長(塩釜市長)、伊藤副会長(大崎市長)から、応援職員派遣、復興庁後継組織、観光振興などについて市長会の要望を受けました。今回の出張では様々な事業箇所に立ち寄ることができ、これからの復興の取り組みに有益な情報を頂きました。これを糧に努力を続けます。

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