5月も最終週に入り、通常国会も会期末まで3週間余となりました。開会時には予想できなかった「コロナ禍」ですっかり様相の違う展開となりました。終盤を迎え、検察庁法を含めた公務員の定年延長法案の成立は見送られましたが、与党とすれば内閣提出案件をできるだけ成立させる努力の時期です。この後、第二次補正予算案の提出も予定されており、日程を苦心しながらの大切な毎日です。
コロナウイルス対策では、14日(木)の39県の緊急事態宣言解除に続き、21日(木)には関西の3府県、25日(月)には北海道と首都圏の4都県も解除されました。4月7日(火)の7都府県の指定以来49日間、ともあれ全面解除を迎えました。各地で学校や営業活動が再開され、安堵感も漂いますが、感染の再発を注意しつつ、「新しい生活様式」に従い、人と人の接触を避けながらの滑り出しです。業種によっては引き続き負の影響が残るものもあり、政府としても第二次補正予算できめ細かく手当てする方針です。今朝(26日(火))時点の世界の感染者数は米国の165万人を始め545万人余、亡くなられた方が34万4千人、我が国の感染者数は1万6千人台で富山県は227人、前号と同数となりました。
先週の動きですが、かねて定年延長について法解釈上の議論があった東京地検の黒川検事長が緊急事態宣言下で「賭けマージャン」をした事が発覚、22日(金)に辞職しました。これを受けて、内閣は公務員の定年延長法案について、廃案も含めて検討するようです。この問題については、自分なりに野党時代から関心があります。年金受給年齢の段階的引き上げに伴い、60歳代前半で無年金状態が生じることから、働き方改革の観点からも、職員本人の希望に従って定年を延長すべきとの立場です。もちろん、処遇や給与は民間の実情も勘案して降格や切り下げは必要と思います。本来は10年前にも制度として構築しておくべきだったのですが、政治や社会経済情勢の変遷の中、取り残されてきた課題です。可能なら、次期国会に向けて継続扱いとなれば、と願っています。
衆院文部科学委員会は、20日(水)、22日と定例日に開催し、内閣提出の著作権法改正案を審議しました。インターネット上でマンガなど著作物を無料で閲覧させる違法サイトが横行する事への対策として、文化庁に関係者が集い、慎重に検討されたものです。サイトから自分のパソコン等へのダウンロード規制の対象について、映像・音楽から著作物全般に拡大するとともに、軽微なものを処罰対象から除くなど、権利者と利用者の間を入念に調整しています。関係者をお招きした参考人質疑でも苦心の跡が良く伝わり、充実した質疑の上、全会一致で可決されました。今後、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期に伴い、明年の祝日を移動させる法案が提出される見込みです。第二次補正予算は次号でお伝えします。