国政報告(第531号)

 第201国会(常会)も明17日(水)が会期末です。開会当初は夏に東京オリンピック・パラリンピックを控え、与党としては、件数も絞り込まれた内閣提出案件をきちんと処理することが目標でした。しかし、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大して国政上の最重要案件となりました。オリ・パラは1年延期となり、国会で新型インフルエンザ等対策特措法を改正して、コロナウイルスにも適用できるようにしました。次いで、4月の緊急事態宣言から5月中下旬の段階的解除まで、「人と人の接触制限」を基本に、日常の社会経済活動はもとより、県境を超える移動も自粛を余儀なくされました。予算案件も、会期冒頭の令和元年度補正予算案から、2年度当初、第1次補正、第2次補正と合計4つの予算が編成・可決されました。まさに「想定外」の事態に遭遇し、日々の感染者数に一喜一憂しつつ、流行という点では感染者数累計1万7千人台でどうにか抑え込みつつあり、安堵感が漂います。しかし、社会経済への影響がどこまで拡がるのか、まだ測りかね、「第2波」への不安・緊張感も色濃い実情です。今朝(16日(火))時点の世界の感染者数は797万人、亡くなられた方は43万人。南米などは今まさにウイルスの猛威に見舞われている現状です。

 文部科学委員会では、内閣提出の文化観光振興法と著作権法等改正法の2本の法律案を審議・可決しました。先の臨時国会では大学入試共通テストのへの英語民間試験、記述式問題の導入が焦点となり、熱のこもった議論も踏まえ、萩生田大臣が延期を決断されました。今国会当初は、静かな滑り出しと感じていましたが、コロナウイルスの影響で、2月末に学校の一斉休校を要請する事態に至り、「学びの保障」が重大な課題となりました。法案審議を挟んで設けられた所信・一般質疑では、学校が閉鎖される事に伴う子どもや家庭の対策、困窮学生への支援、また、文化・スポーツ関係の方々への支援について議論が集中しました。立法府として、行政のチェック機能を果たす上で、野党の厳しい批判は当然ですが、地元選挙区の現場の声を反映した指摘や提言も数多くありました。大臣始め文科省当局の答弁も的確で説得性があり、より良い政策を練り上げる場としての機能も幾らか果たせたと思います。著作権法等改正法の審議は、参考人質疑が充実し、議員の質疑の内容も豊かになり、最終的にネット上の不正対策が全会一致で可決された事は、委員長として良い思い出になりました。オリ・パラの一年延期に伴い、来年の祝日の移動等を行うオリ・パラ特措法は審議できず、議員立法も先送りとなりましたが、一定の成果は挙げられたかと思います。

 党では、自粛されていた政務調査会の会合も順次再開され、19日(金)からは県境の移動制限も解除されます。コロナ下ではありますが、政治活動も徐々に日常に戻しつつ、報告を続けます。

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