国政報告(第634号)

 先月末の例年にない早い梅雨明けの後、今月に入って「戻り梅雨」のような天候が続いています。九州では線状降水帯も発生し、東北でも宮城県で河川の氾濫など被害が出ています。関係の方々にお見舞い申し上げ、気候変動に伴う激しい降雨を踏まえた防災・国土強靭化対策の必要性を訴えて行きます。近年は整備の進んだ大河川よりも、中小河川や中流部での災害が目立ち、国も「流域治水」を施策に掲げ、面的な対策に力を入れています。地元で取り組まれた庄川左岸の国営・県営の農地防災事業も、用排水路を体系的に再整備し、調整池も設けるなど、この概念に沿った取り組みであったと思います。現在、庄川右岸でも県が事業主体となる同様な事業の準備が進められており、早期着工が望まれます。

 先週から東京の事務所に詰めており、8月末の新年度予算概算要求の提出に向け、地元から各省庁への要望事項の中で、新規のものなど、順次担当部局から説明を受けています。近年は、社会資本整備の進展を受け、ソフト面での制度に係る要望が増えています。国の子育て施策の深掘りや、来年度から実施予定の小中学校の部活運営の地域移行への対応など、行政の現場での率直な意見を各省庁に届けることは、自分にとっても良い勉強になります。昨秋の総選挙から始めた地元での対話集会からも、多くの「気付き」を頂いており、問題意識を当局に投げかけるよう心掛けています。

 党本部の政策に係る会議が再始動しつつありますが、私の関わるものは準備段階です。とは言え、情報通信分野では、参院選中のKDDIの通信障害事故の再発防止策を確認する必要があります。選挙制度については、衆議院小選挙区の「10増10減」の区割り案が答申されており、秋の臨時国会には内閣から公職選挙法の改正案が提出される運びとなる予定です。文化関係では、部活の地域移行について、文化部の諸活動の扱いを確認する必要があります。東日本大震災からの復興では、福島県浜通りの原子力災害による「帰還困難区域」についても希望者の帰還を進める段階に入っており、与党として国の具体的な取り組みを後押ししなければなりません。一方、地方財政については、前年度の国税収入が予算を上回って好調であり、地方交付税に組み込まれる財源も底堅く、新年度も心配は無さそうです。焦点は、コロナウイルス・物価高対策で手当てされている地方創生臨時交付金の扱いで、これを絞っていく局面で、自治体現場では、住民・事業者への様々な臨時給付を減額・廃止する際の摩擦が懸念されます。同様の問題は、燃料価格の高騰抑制のために国が元売り各社に支払っている支給金(現在は、9月末までの予定。)にも生じます。このほか、コロナ・ウクライナ・物価高の3課題への対応など主要課題にも論点は多くあり、引き続き、問題意識を持って対応していきます。

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