令和4年最後の国政報告は、地元にて綴っています。一年を振り返ると、国政上の重要課題は、コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵略、物価高の3項目であったと思います。3年目に入ったコロナウイルスは、感染拡大が第7波に及びましたが、5度目に至るワクチン接種とウイルスの弱毒化で、社会経済活動への明確な制限無しに「共生」できそうな方向です。目下、第8波と思われる感染拡大期に入っていますが、このまま行動制限無しに過ごすことができれば、感染症法上の2類から5類への変更も俎上に上がるものと期待されます。一方、ゼロコロナ政策を強力に推進してきた中国は、対応が限界に達し、感染爆発の状況にあるようです。一連の動きを振り返ってみて、国民への健康被害を最小限に抑えながらも、集団免疫を獲得させる対処法が最善の道ではないかと思います。
ロシアのウクライナ侵略を契機に、世界各国で自国の防衛体制を見直し、強化する動きが強まり、我が国も今後5年間で防衛費を43兆円上積みし、GDP比2%まで引き上げる事になりました。このため、「防衛3文書」を改定・閣議決定するとともに、その財源について、歳出改革や特別会計からの捻出と併せ、所得税・法人税・たばこ税など、国民から広く負担を仰ぐ方針を党税調で確認しました。防衛の強化と、その一部の国民負担については、報道各社の世論調査でも国民の皆様の一定の理解はあるものの、今後とも丁寧に説明し、議論を深めていく必要があると思います。抑止力を高めつつ、幅広い外交の展開で安全保障の実を挙げるよう望みます。
原油高や欧米のインフレ亢進に端を発した物価高は、国の11月の統計でも生鮮食品を除く物価指数が前年同月比3.7%に達しました。このため、国も今年度第2次補正予算で29兆円規模の国費を投入して経済対策を実施しています。石油元売りへの補助金によるガソリン価格の抑制に続き、家庭用電力料金も明年1月から9月まで国が一部負担することとなりました。石炭など燃料価格の高騰により、地元の北陸電力も、今年度決算が千億円の赤字予想となり、家庭向け規制料金の45.84%値上げを国に申請しています。日本銀行は、物価上昇率は来年末に向けて再び2%以下に落ち着くとしていますが、上振れリスクも皆無ではありません。来たる春闘での賃金水準の引き上げや、下請から元請への適正なコスト転嫁など、経済を成長・分配の両面で循環させていく取り組みが欠かせません。DX、GX、スタートアップ(起業)、研究開発といった分野を主に、成長戦略を着実に実行する事が大切です。
以上、今年を振り返ってみましたが、我が党は旧統一教会問題や閣僚の政治資金問題で政治不信を招いていることも事実であり、来年は襟を正し、緊張感を持って政策遂行に邁進して行きたいと思います。北陸新幹線を含め、新年度予算は正月明けに報告します。