国政報告(第662号)

 立春を過ぎて、「三寒四温」、まさに寒気と暖気が入れ替わりながら、季節が春へと進んでいく候となりました。通常国会は、衆院予算委員会の審議が三週目に入りました。先週の10日(金)には 地方公聴会が開かれ、今週の16日(木)には中央公聴会が予定され、審議終局へと着実に進んでいるようです。国税、地方税の本会議での趣旨説明・質疑も終わり、内閣、財務金融、総務の3委員での質疑も始まっています。党では内閣提出法案のうち、予算関連法案の審査手続きが終わり、政務調査会の活動も、6月の骨太方針に向けての政策検討・提言の議論にシフトしています。

 本日(14日(火))、内閣から次期の日本銀行総裁・副総裁の人事案が国会に提示され、10年間務められた黒田総裁から植田氏への交替の見込みとなりました。10年前、第二次安倍政権の下、異次元の金融緩和、大胆な財政出動、成長戦略の三本柱で「アベノミクス政策」がスタートしました。金融政策を受け持つ日本銀行は、政府と物価上昇率2%達成を目指す共同声明を発出し、黒田総裁の下、ゼロ金利の下、国債の購入により市場にマネーを大量に供給する思い切った金融緩和策を実行しました。当初は2年程度でインフレ目標を達成する目論見でしたが、実現を見ないまま、短期金利にはマイナス金利を導入し、長期金利についても、10年物まで上下0.25%の範囲で調節するYCC(イールド・カーブ・コントロール)を実施しました。

 コロナ禍を経て、原油高・ウクライナ危機を契機に、世界各国が急激な物価上昇に見舞われ、各中央銀行が相次いで金利を引き上げたため、我が国にも金利上昇圧力がかかるようになりました。次いで国内の消費者物価も昨年末には前年同月比4%の上昇を記録し、日本銀行も10年物金利の調節幅を上下0.5%に拡大するに至りました。今年に入っても、物価は食品を中心に騰勢が続き、今春の春闘の賃上げも3~5%台が予想されるため、更なる物価への波及があり得ます。現在、黒田総裁の下での日本銀行は、消費者物価の先行きが再び2%を下回る見通しの下、金融緩和策を継続するとしていますが、私は、情勢が転換点を越えたと見ており、新総裁の下で、金融政策を徐々に方向転換するものと予測しています。金利がゼロを脱すると、経済財政政策にも影響が出ると思われ、新年度の動きを注視したいと思います。また、副総裁には富山県出身の氷見野前金融庁長官が提示され、嬉しく思います。

 週末の地元では、11日(土)に高岡市選出の川島県議の事務所開き呉西郵便局長会総会党井波支部総会党小矢部支部新年会に出席し、12日(日)は野上参議院議員の新春講演会党砺波支部立春の集いにて挨拶しました。今週は、永田町にて私が座長を務める会議が続いており、その内容は次号で報告します。

カテゴリー: 国政報告 パーマリンク