国政報告

国政報告(第239号)

 先週末の6月29日(日)、南砺市福野で開かれた石破幹事長を囲む会で冒頭にご挨拶をした後、富山空港から飛行機を乗り継いで、羽田経由那覇に入りました。30日(月)、党福岡支部の井村支部長ほか一行の皆さんの沖縄研修に加わり、宜野湾市役所を訪問、屋上から普天間基地を見学、早期返還への想いを松川副市長さんから聴きました。先行して来春返還される西普天間住宅跡地50haの活用については、島尻安伊子座長の下、ワーキング・チームの事務局長をさせて頂いたご縁があり、来週の7月8日(火)には、三たび沖縄に出向き、報告書の発表会に臨みます。

 明けて1日(火)、総務会に出席し、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(閣議決定)の案文を審議、了承しました。報道では、集団的自衛権を認めた部分のみが強調され、現状憲法の枠内に収まる解釈と言えるのか、疑問も投げ掛けられています。しかし、本報告でも折々述べているように、今回の見直しは、近年の我が国を取り巻く国際情勢の変化をも踏まえ、個別的自衛権、集団的自衛権、集団安全保障のそれぞれについて、「戦争放棄・専守防衛」の枠内で、取り得る措置を今一度吟味したものです。

 集団的自衛権は、国際法上、国連憲章第51条にその明文上の根拠があります。武力攻撃が発生した場合、安全保障理事会が必要な措置を取るまでの間に許される権利であり、行使した場合、直ちに安保理に報告しなければならないとされています。また、国際司法裁判所の判例では、攻撃を受けた当事国の要請が必要とされています。今回の閣議決定では、さらに要件を厳しくし、当事国を我が国と密接な関係にある他国に限り、その事態が我が国の存立を脅かす場合に限定されています。日本の外交関係の現状からして、「他国」は事実上米国に限られ、対象となる事態も、朝鮮半島や日本の領海に接する公海上などに事実上限定されるものと思います。

 今後、閣議決定に基づき、必要な法整備が検討され、順次国会に諮られる訳で、法制が整って始めて今回範囲が拡大された行動が取れる事となります。内閣や国会の関与をどのようにするかを含め、必要な行動範囲とその歯止めを国民の皆様に示し、理解を得る努力を重ねて行く必要があります。当面は、14日(月)、15日(火)に予定される衆参の予算委員会での議論を聴きたいと思います。

 1日の午後、2日(水)と県西部の6市を回り、新年度予算要望について伺ってきました。各市とも、新幹線開業に向けた事業や小中学校の耐震補強などが進捗を見ており、「もう一歩」前に進みたいという要望に変わってきたように感じます。一面、農政や文教施設整備など、制度面の改善を求める声もあり、今後、各省庁の担当部署に投げ掛けて行きます。8月末に向け、成長戦略を具体化させる予算・施策づくりに、持ち場で努力していきます。

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国政報告(第238号)

 20日(金)の午後1時から衆議院本会議が開かれました。野党から提出された環境委員長解任決議案と石原環境大臣不信任決議案を否決した後、通常国会の閉会手続きを済ませました。同日夜、参議院本会議も開かれ、22日(日)の会期末を待たずに実質閉会となりました。前号でも述べたように、内閣提出案件は殆ど成立し、議員立法も含め、立法府としては実績の挙がる国会でした。

 一方、会期末近くになって、石原大臣の福島第一原発事故による汚染土の中間貯蔵施設地元受入れ要請を巡る不適切な発言、さらには都議会での未婚女性に対する不適切なヤジが大きな批判を浴びました。3年3か月の野党転落の反省に立った第2次安倍内閣であるだけに、政府・与党の緊張感ある政権運営が改めて求められ、自戒していきます。

 24日(火)には、与党内の議論を踏まえた上で、新年度の政府の取り組みを方向付ける「骨太の方針」、「日本再興戦略(改訂版)」等が閣議決定されました。安全保障法制の見直しについても、自・公間の協議が詰まり、来週にも新たな方針の閣議決定に漕ぎ着けられそうです。これらを踏まえ、各省庁は8月末の新年度予算概算要求締切りに向けて作業を進めます。「衆・参のねじれ」が解消されて、7年振りに落ち着いて予算・施策を準備できる夏を迎えようとしています。

 私の所属する内閣委員会は、23日(月)に沖縄県で開催された沖縄戦の戦没者追悼式典への出席を兼ね、2泊3日で沖縄を視察しました。式典の後、西に広がる八重山諸島の石垣島に空路赴き、24日(火)は島内視察、さらに日本西端の与那国島を空路訪ね、25日(水)に島内を視察しました。戦後70年弱、本土復帰から40年余経過した今日、米軍基地の負担は依然重くのしかかっています。日米同盟を発展させながら、沖縄の負担を軽減していく事は、引き続き国家的課題です。

 一方、人口は増え続けており、1人当たり県民所得も、都道府県中最下位ながら、近年は顕著に伸びています。観光客入れ込みも順調に推移し、那覇空港も石垣空港も新ターミナルが早くも容量オーバーだそうです。石垣島の住民人口は5万人弱なれど、島外からの滞在者が5千人程度居ると言われています。与那国島では沖縄振興一括交付金を活用し、町が東京の塾会社と契約して、小3から中3までの児童・生徒向けに放課後学習塾を設けています。講師は優秀な学生で、ADSLを使った双方向の授業を展開しています。通信環境については、近々光ファイバーの敷設が予定されるなど、「ICT(情報通信技術)×教育」の好事例です。基幹作物であるさとうきびに加え、長命草の契約栽培ミドリムシの培養など、新たなプロジェクトへの取り組みもありました。沖縄の青い海、珊瑚礁、前向きな活力を糧に、夏を過ごしていきます。

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国政報告(第237号)

 通常国会の会期末、22日(日)を前に、事実上の最終日である20日(金)の朝を迎えています。今日の衆議院は、午前中に各委員会で国会閉会中の手続きを決め、午後1時に本会議の予定です。石原環境大臣が、福島第一原発事故で発生した放射能による汚染土の中間貯蔵施設の立地場所の選定に関する16日(月)の自らの発言を、誤解を招いたとして謝罪・取り消した事について、野党側から不信任決議案が提出される可能性があります。与党側とすれば、本人が謝罪されている事から不信任は当たらず、否決する事になるでしょうが、最後まで緊張感を持って臨まなければなりません。

 今国会の総括を述べるにはやや早い時点ですが、案件の処理状況を見れば、近年では一番実績を挙げた会期だったと言えます。内閣提出案件は法律案2本等、一部を除いて全て成立し、懸案だった決算審議も、衆議院で平成23年度まで、参議院では24年度まで承諾を終えました。最終局面では、議院立法も10本を超える成立となり、過疎法改正、花き振興法、内水面漁業振興法など各分野の政策遂行の手立てが充実しました。内閣や霞が関の各省庁にとっては、継続審議案件がほぼ一掃され、7月、8月と新年度の予算・政策をじっくりと検討する余裕も生まれました。秋に例年通り、臨時国会が召集されるとしても懸案は十分に絞り込めるので、年末に至るまで政治・外交日程を組みやすくなります。

 歴史を遡ってみれば、この状態こそ、政治が安定していた時期の永田町の風景であり、総理が一年ごとに交代した平成19年からの6年間が異質だったとも言えます。そうであればこそ、政府・与党とすれば、一層の使命感と緊張感を持って、日本の直面する課題の着実な解決に努めなければなりません。

 一方、国会審議案件以外の重要課題を見ると、消費税は4月の8%への引き上げが済み、安全保障法制の見直しは与党内協議が大詰めを迎えています。しかし、TPPはどちらかといえば米国の姿勢が定まらず、交渉妥結に至っていません。九州電力川内原発の再稼働申請も原子力規制委員会の審査が続いており、沖縄の名護市辺野古沖への普天間基地移設工事も未だ着手されておらず、これらの案件の解決はいずれも夏以降の宿題となりました。年末の消費税10%引き上げの可否の判断まで、正念場が続く状況です。

 私自身の活動としては、16日の決算行政監視委員会で今国会2度目の質問に立つ機会を頂き、初めてテレビ生中継を経験しました。恒例の万葉集の披露で始め、決算における基金残高の状況、行政におけるコンピュータ・システムの更なる活用(電子化)を取り上げ、安倍総理始め各大臣の答弁を頂きました。国の行政の電子化は、総務大臣政務官当時に手掛けた問題であり、内閣が業務の効率化と国民の利便性向上の観点から積極的な取り組みの姿勢を示していることを嬉しく思っています。

 来週からは国会閉会となるでしょうが、引き続き、新年度予算編成に向けて、「骨太の方針」、「日本再興戦略」の策定など内閣の取り組みに、与党の一員として党政務調査会の会議等を通じ、参加していきます。

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国政報告(第236号)

 先週末は、小矢部市津沢の夜高行灯を見せて頂き、高岡関野神社で淡交会高岡支部青年部の皆さんのお茶会に参加、党氷見支部総会に出席の後、8日(日)夜に上京しました。地域女性ネット高岡の辻会長さんほか一行を国会議事堂にてお迎えしてスタートした今週は、まさに「梅雨本番」、雨の降り続く中、予定をこなしています。8日朝には、桂宮様がご逝去、謹んでお悔やみ申し上げます。

 9日(月)の夕刻と10日(火)の朝一番で、内閣の規制改革会議の厳しい提言を受けて、党としての農業委員会・農協組織の改革案が農林部会幹部の皆さんから示され、議論を尽くした上で了承されました。焦点の農協中央会や全農の在り方については、5年の期間を置いて、当事者で今後の在り方を取りまとめる段取りに落ち着きました。引き続き、11日(水)には、今年の「骨太方針」や「日本再興戦略」(改訂版)について、政府側から政務調査会全体会議に柱立ての全体像が示されました。来週には個々の文章も入った全体像が示され、2度目の政調全体会議での議論を経て閣議決定に向かう事となります。

 一方、通常国会の会期も来週を残すのみとなり、10日、13日(金)の本会議では、条約等残る内閣提出案件と各委員会でまとまった議員立法を処理しています。前国会で成立した特定秘密保護法に関し、国会に監視機関を置くための国会法改正案等の案件も、議院運営委員会で成案がまとまり、参議院に送付される見込みです。16日(月)には衆議院の決算行政監視委員会にて平成21年度から23年度まで3年度分の決算審議の締めくくり総括質疑が予定されており、衆議院では政府提出案件は殆ど積み残しの無い状態となります。後は、参議院で会期末に向け、精力的な処理ができれば、と念ずるところです。昨年夏の参院選で「ねじれ」が解消し、国会審議が着実に進む状況となり、政府にも新年度に向けて施策をしっかり練る余裕が生まれてきました。当面は、「安全保障法制整備に関する与党協議会」において、合意点を見出すことが焦点です。

 さて、私の活動では、12日(木)に党沖縄振興調査会で西普天間基地跡地振興に関するワーキング・チーム事務局長として、島尻安伊子座長とともに、国際医療拠点構想の提言案を説明、了承頂きました。来春、普天間基地に先駆けてアメリカから返還される米軍住宅跡地50haの活用について、地元の宜野湾市、沖縄県の意向である琉球大学医学部、附属病院の移転新築や、重粒子線治療施設の建設に加え、米国海軍病院から提供頂く医療データを元に、新薬治験機能を盛り込もうというものです。昨年秋から構想作成作業に携わり、関係者からのヒアリングや4月の沖縄現地調査も踏まえ、取りまとめ・公表に至りました。事柄の性格上、提言がまとまって始めてオープンにできたものですが、今通常国会の間の自分なりに満足できる成果となりました。来週は、会期末に向け、緊張感を持って臨んで行きます。

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国政報告(第235号)

 6月に入り、暦通り東京も梅雨入りとなりました。会期末まで、来週・再来週を残すのみとなり、衆議院に残る内閣提出案件も後僅かです。来週にかけて与野党が一致できる議員立法の整理が進むようで、5日(木)の本会議では、花き振興法や養豚振興法が全会一致で可決、参議院に送られました。商工会などから要望の強かった小規模企業基本法も、政府提出案が全会一致で通過しました。

 与党内では、安全保障の自公両党協議のほか、夏場の新年度予算要求に向け、内閣が今月下旬に策定する「骨太方針」や「日本再興戦略」の改訂に向け、法人税減税や規制改革の議論が精力的に進められています。このうち、税制については5日の党税調で、代替財源を確保しつつ、法人税の実効税率を引き下げる方針が固まりました。農業委員会・農協組織の改革については、内閣に置かれた規制改革会議の厳しい提言に対し、来週以降、党としての意見集約が図られるものと思います。報道では農協中央会の廃止が取り沙汰されていますが、正確には、農業協同組合法で法定組織として置かれている中央会を、個々の農協の総意で組織する団体に切り替えようという提案です。全農の株式会社化を含め、農業者や個々の単位組合の意思を尊重する事が原則となっており、現状は、農協側の自己改革案の提起が待たれるところです。

 政務調査会で私が主に関わる水産部会では、「水産日本の復活」を合言葉に、漁獲から加工・流通まで一体としての産業振興策と漁村の活性化を目指し、政策を提案しています。また、総務部会の情報通信戦略調査会では、ICT(情報通信技術)を産業・社会の様々な分野に実装する事で、国と地域の元気の素となるよう、具体策の提言に向けた作業を進めています。このほか、議員が任意に集まって政策を議論・推進する「議連」が次々に発足しており、私も地域公共交通の活性化、都市再生、鋳物産業振興、慢性の痛み対策など、様々な分野の議連に所属する所となっています。22日(日)に予定される通常国会の閉会後はこれらの取り組みが各省庁の予算要求作業に反映されていく事となります。質問を通じて政府に物申していた野党時代とはやはり勝手が違うな、と正直、思います。

 先週末、31日(土)の党富山県連定期大会では、来春の県議選を睨んで、党員増強運動に精力的に取り組む旨、皆さんの気持ちが揃った印象です。続いて、砺波、大門、金山の各支部総会や、南砺市吉江地区の後援会にも出席し、国政の進展を報告させてもらいました。東京では、4日(水)朝、石井知事・高平議長から富山県の新年度に向けた要望事項を説明頂き、全国市長会総会にて上京の6市の市長の皆さんにもお会いしています。党内の議論と、地元からのご意見を重ね合わせながら、各省庁の施策に反映させるべく、8月末の予算要求締め切りに向けて努力していきます。

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国政報告(第234号)

 東京の日中は、はや梅雨の走りのような蒸し暑さです。朝は結構涼しかったりして、体調管理に気を使う時節です。先週末から今週は地元からの国会見学が相次ぎました。23日(金)が党福光女性部(武田県議ほか)、26日(月)が射水市伊勢副議長後援会、27日(火)が党福野支部(山辺県議ほか)、28日(水)が福光南部地域(川辺副議長ほか)と皆様に来訪、激励頂きました。改めて厚く御礼申し上げます。ちょうど国会見学も、中学生の修学旅行を始め、最高潮で、全国から1万人近い見学者が訪れる日もありました。

 この間、24日(土)は裏千家淡交会の信越・北陸地区大会が新潟県佐渡島にて開催され、高岡支部長として出席しました。25日(日)は東京にて結婚披露宴に出席、一晩だけ富山で過ごし、在京が続いています。27日は北陸新幹線の事業促進大会にて石井知事ほかの上京、県内10市の議長さん達も恒例の県選出国会議員への要請行動にて揃っての来訪となりました。

 一方、国会審議は淡々と日程をこなしており、衆議院は27日と29日の本会議で15件の法案・条約を可決し、小生の所属する内閣委員会は、30日(金)に最後の内閣提出案件の審査を終える見通しです。会期末まであと3週間余り、参議院の案件審議状況を睨みつつ、議員立法をどの程度で成立させる事ができるのか、関係者が気を揉む展開です。もっとも、民主党政権下の3年と、参議院選挙を控えた昨年はこのような状況にはならず、内閣退出案件の処理で手一杯でした。この点での違いも、第二次安倍内閣への素朴な評価ではないかと思っています。

 さて、国政における重要課題の動きですが、TPPは引き続き肉類の関税について日米間の事務レベル交渉が行われており、九州電力川内原発の再稼働は申請書の指摘箇所の訂正に時間を要し、提出が6月にずれ込む事となりました。6月末の成長戦略改訂に向け、法人税の実効税率引き下げの議論に加え、雇用・医療・農業分野での規制改革の提案が内閣の産業競争力会議や規制改革会議から相次いで打ち出され、党側の考えをまとめなければならない局面を迎えています。来週も、参院側での案件審議を精力的に進める一方、夏場の新年度予算概算要求と併せた制度面での新規施策の展開に向けた党内の議論が進んで行くものと思います。安全保障問題についても、28日の衆院予算委員会集中審議等も踏まえ、自公両党間の協議が続きます。

 いずれも、万人を納得させる解答が容易に見出せず、慎重な検討が求められる一方、安易な先送りが許されないものばかりです。考慮すべき条件を落とさずに、より良い答えを見出すべく、丁寧に議論し、時期を逃さず決断する。そんな地道な作業が最盛期を迎えつつあり、まさに正念場です。持ち場である党の総務会や政務調査会部会で、自分も努力を重ねていきます。

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国政報告(第233号)

 通常国会も会期末の6月22日(日)まであと一カ月となりました。衆議院側では、内閣提出案件の審議の目途が立ってきた委員会も出てきていて、内閣委員会も現在審議中の独立行政法人通則法の一部改正案の後は、内閣提出案件が1本残るのみです。今週は20日(火)、22日(木)と本会議があり、教育委員会や電力事業の制度を改革する法案を可決、参議院に送られました。一方、参議院の審議は大詰めを迎えており、与党国対関係者も気の抜けない毎日となっています。21日(水)には、参議院本会議の議場配布資料に政府事務方のミスがあり、議事が紛糾したまま散会する事態となりました。ここから先は1日たりとも審議を無駄にできない局面で、緊張感を持続させる踏ん張りどころです。

  先週末の17日(土)、18日(日)と地元6市の市会議員の皆さんの集まり(慶政会)経済界等支援者の皆さんの集まり(慶友会)が二晩続きで開かれ、この間の国政の動き、当面する課題等、報告する機会を頂戴しました。概ね、この場で毎週綴っている事柄をまとめてお話しした所ですが、選挙区内の国の事業では、庄川河口部の新庄川橋(国道415号)の万葉線橋脚と一括しての架け替え、倶利伽羅トンネル(国道8号)の新規開削、砺波東バイパス(国道359号)、利賀ダム関連工事(連絡道路)及び能越自動車道氷見南インター新設工事の進捗等を指摘しました。いわば、「ポスト新幹線」の立場で、地域の交通体系の不十分な箇所に今しばらく注力する必要があると考えます。また、能越道小矢部砺波JCT・高岡IC間の無料化、高岡駅での氷見線・城端線の直通化等、注力すべき課題も残っています。県・6市の当局・議会の皆さんとも連携して地域の発展のためにも頑張ります。

  20日の夜は、野上副大臣・堂故先生とともに、3人揃って高岡商工会議所議員有志の皆さんと東京で親睦を深め、22日の朝には、党本部でTPP対策委員会に臨みました。甘利大臣と西川議員から、週初にシンガポールで開催された閣僚級交渉の結果報告がありました。4月の日米首脳会談等、日米間の個別交渉の成果を関係12カ国で共有した上、難航している物品市場アクセス(関税)と知的財産権、国有企業、環境の3分野について交渉を加速化するよう、各国の足並みを揃えたとの事。米国とは、来週、交渉次席の大江・カトラー間の協議を再開する由、農産物5品目を中心に、我が国の国益を守りつつ、ギリギリの交渉が続きそうです。

 以前から度々述べてきた、TPP、原発再稼働、沖縄辺野古基地の建設という当面する3課題の解決を目指す一方、安全保障上の諸問題にも道筋をつけて向き合わなければなりません。通常国会での法案成立率も一定の水準を超える状況である一方、第二次安倍内閣は国政の重要局面にさしかかりつつある現状です。6月には、昨年同時期に策定した「日本再興戦略」の見直し・施策追加が予定されており、法人税の実効税率の引き下げも、見合いの財源確保の前提で、関係議員が強く希望しています。党税調もここしばらく、重要な局面を迎えています。

 来週も、参議院を主に、審議の大詰め状態が続きます。また報告します。

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国政報告(第232号)

 5月も半ばとなり、東京の緑は日に日に濃くなり、雨が降れば、早くも梅雨の走りのようです。連休明けの国会は、引き続き重要案件の審議が進み、本日(15日(木))の本会議では、医療・介護の一括法案を可決、参議院に送付しました。所管の厚生労働委員会では、総理入り質疑を含め、39時間の審議で、野党側からは時間不足との意見もありますが、自分なりに野党・与党を経験した感覚からすれば、与党として一定の対応はされていると思います。

 先週末の10日(土)は、党の南砺市利賀支部井波支部の総会に連続して顔を出しました。通常は、国道471号で行き来できるのですが、生憎、土砂崩れで通行止めとなっており、行きは東海北陸道の五箇山インターから平地区経由、峠越えで入り、井波へは同じく平から国道156号を下るルートで迂回しました。利賀の皆さんからは、471号の復旧はもちろん、利賀ダム関連工事で予定されているトンネル掘削による直通道路の一日も早い着手を望まれ、まさに努力の必要を「痛感」したところです。

 明けて13日(火)、党総務会に続き、懇談会が持たれ、最近、肥大化が指摘されている内閣官房・内閣府の組織の見直しが話題となりました。折々の内閣が重要と考える施策の立案・遂行をついつい総理膝元の内閣官房・内閣府に命じてしまう事が歴代積み重なって今日の事態を招いており、一部事務を各省に戻すべきとの認識で概ね一致しました。もとより、総論はOKなのですが、具体的にどの仕事を、という各論は難しいものと思われ、今後、党の行政改革本部で具体案を検討していく事となります。

 さて、今週も、TPP始め重要課題には少しずつ動きがありました。TPPは、ベトナムでの首席交渉官レベルの協議が終わり、週末からシンガポールで閣僚レベルの交渉が予定されていますが、どうやら今回も「水入り」で終わりそうです。14日(水)にはJAグループの皆さんの中央集会もありましたが、政府は、牛肉・豚肉を始め各項目について引き続き慎重に交渉に当たっていくようです。エネルギーについては、夏場の電力需給見通しがまとまり、原発抜きで、火力等のフル稼働と自主的節電の徹底で凌ぐ方針となりました。近年の再生エネルギー導入と節電努力の積み重ねが形になってきた訳ですが、安定的な供給のためには安全性の確認された原発の再稼働が必要と思います。鹿児島県の川内原発の再稼働申請について、九電が原子力規制委員会から指摘された書類上の不備を訂正し、来週は次の段階に進めるか、注視しています。

 15日には、内閣に設けられた懇談会の取りまとめが公表され、集団的自衛権を含め、今日の我が国を取り巻く環境の下でのあるべき姿を与党内でも議論し、成案を煮詰めて行く事になります。「集団的自衛権」自体は、国際連合憲章に基づく概念で、今日議論されている様々なケースを必ずしも指す概念ではない事が、誤解を招いている面もあるように思います。例えば、集団的自衛権は相手国の了解の下に行使される訳ですから、今日現在、対象はアメリカしか存在しないし、仮に行使した場合は国連の安全保障理事会に報告しなければならない事など、前提が抜け落ちた形で議論されています。今後は個別的自衛権でのグレーゾーンから始めて、慎重な場合分けが必要と考えます。この点も自分なりに考えを深めて行きます。

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国政報告(第231号)

 ゴールデン・ウィーク後半、1日(木)に高岡御車山祭の勢揃い式を見て、2日(金)は全国山・鉾・屋台保存連合会総会にて、愛知県知立市へ出向きました。今回は、3月末に国の無形民俗文化財となっている各会員の祭りを一括してユネスコの無形遺産登録を申請するとの文化庁の決定があったことで、350名の参加で大いに盛り上がりました。地元知立の本祭りが3日(土)で、2日間にわたり、林市長さん、加藤会長さんはじめ地元の皆さんに大変お世話になりました。知立は、元は「池鯉鮒」と書き、東海道五十三次の39番目の宿場町です。市内の旧街道筋には、往年を偲ぶ松並木が残り、郊外の景勝、「八橋」は京都の銘菓八橋の発祥の地とのこと。平安初期の歌人、在原業平が伊勢物語で「かきつばた」を歌に詠んだ場所だそうです。祭りの見どころは、屋台を担ぎ上げ、どーんと落とす仕草で、観客の声援が盛んに飛びました。穏やかな晴天に恵まれた宵祭りも風情があり、「知立祭 踏ん張る曳き子 星ひとつ」(雲仙人)と詠んでみました。

 富山に戻って、5日(月)は南砺市城端で庵唄を聴き6日(火)の氷見市新市庁舎開所式で連休を終えました。元の県立有磯高校の体育館2棟を活用、リフォームされた庁舎には、本川市長始め職員の皆さんのアイデアが随所に散りばめられていました。市民の皆さんの手続きをワン・ストップで処理する工夫が印象に残りました。

 7日(水)に上京し、いよいよ通常国会も後1か月半、所属の内閣委員会も9日(金)の一般質疑から審議再開です。この後、憲法改正手続法の改正案や医療・介護関係の法案など重要法案を精力的にこなしていく事となります。一方、消費税8%への引き上げから1カ月余りですが、日銀の地域レポートや景気の先行き見通しを見ても、駆け込み需要とその反動減はあるものの、内需や輸出の先行きは底堅いようです。TPPについては、12日(月)からベトナムのホーチミン市で首席交渉官の会合が設定され、先の日米首脳会談を受けた展開が注目されます。「道筋は見えた」とされている訳ですが、具体的に国益を巡り、どのような落ち着きに、いつ、向かっていくのか、注視していきます。原発については、先月末に九州電力から原子力規制委員会に提出された川内原発の再稼働申請書について、8日(木)の審査会合で27項目42件の不備が指摘されました。九電がこれを補充し、委員会が審査書を作成した段階で、これを4週間のパブリック・コメントにかける手順を踏んで行く事になります。

 集団的自衛権については、内閣に設けられた懇談会の取りまとめが近く公表されるとのことで、沖縄の辺野古沖での基地建設の工程とともに、今後の進め方が焦点となってきます。後半国会も、所属委員会の円満な運営に与党理事として汗をかきながら、国政の重要課題の進展を総務会等の場で見守っていきます。

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国政報告(第230号)

 ゴールデン・ウィークに入り、富山各地の行事・祭礼に顔出ししながらも、30日(水)は党情報通信戦略調査会のNTT研究所視察に参加するため、いったん上京しています。この後、5月2日(金)は全国山・鉾・屋台保存連合会総会出席のため、愛知県知立市へ出向きます。このため、週半ばで変則ですが、先に国政報告を出すこととし、次号は9日(金)頃にさせて下さい。

 前号の後、25日(金)に米オバマ大統領は韓国へと離日されましたが、焦点のTPPは合意に至りませんでした。精力的に交渉に当たった甘利大臣を迎え、同日、衆議院内閣委員会の質疑がありました。元々、甘利大臣が担当している地域活性化支援機構法案を連休前に処理しようという事で、6時間20分の審議が予定されていたのです。深夜に及ぶ交渉で睡眠も十分に取れない状態の甘利大臣には申し訳ない設定となってしまいました。かくも交渉が難航するとは関係者も想定しておらず、質疑者も大臣の体調を気遣いながら審議を進める事となりました。主題は法案とは言っても、交渉の内容は誰もが知りたい所で、TPP絡みの質問が結構ありました。甘利大臣は普段から丁寧でじっくりと落ち着いた答弁が持ち味ですが、交渉については猶の事、慎重に言葉を選んだ発言が続きました。要約すると、「交渉は大きく前進したが、日米の主張には、なお明らかな隔たりがある。これをどのように解決していくかの道筋は合意できたが、再度事務レベルでの交渉を積み上げた上、閣僚協議に臨みたい」との事です。個別品目については、当然のことながら、交渉途上であり、明確な言及はありませんでした。

 大臣自身、抽象的な答えで済まないと言われたのに対し、委員は与野党を問わず、国益を背負って奮闘されてた大臣のご苦労に敬意を持ち、暖かい拍手で審議は終わりました。TPPの今後の展開は予断を許しませんが、大臣の生の声を聴いた観測としては、焦点とされる肉類や自動車に係る一段の両国の歩み寄りによって、そう遠くない時期にギリギリ国益を守った形での妥結に至るのでは、と思います。そうなれば、今回の日米首脳会談は、安全保障・経済について、着実な成果を挙げたものと評価できるでしょう。

 27日(日)は衆議院鹿児島二区の補選と沖縄県沖縄市長選の投票日でした。いずれも、我が党の推す候補が当選を果たし、政権運営の追い風となりました。特に沖縄市長選の情勢は厳しいとされていただけに、普天間基地移設・辺野古沖基地建設の推進にも寄与するものと言えます。28日(月)には、仲井真沖縄県知事、佐喜真宜野湾市長が、来春に先行して返還予定の西普天間地区の活用について、菅官房長官に財政支援を要請しました。先だって私も現地を見せて頂き、市長のお話も直接聴いただけに、沖縄の将来にとってプラスとなる展開を期待し、また、努力していきます。

 このように、我が国が直面する重要課題は少しづつ解決に向けて前進しています。連休明けからまた、自分の関わっている部署で推移をしっかり見つめながら、頑張っていきます。

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