国政報告

国政報告(第229号)

 週末の19日(土)、自民党富山県連で「政治学校」の開講式があり、党本部から河野太郎代議士(中央政治大学院長)が来県、私も講話を聴かせてもらいました。今年は党員拡大を始め、党組織の強化策が進められており、政治に関心を持つ若い世代の皆さん向けの大学院の取り組みもその一環です。河野代議士の学生時代の留学経験や、民間企業にて海外進出に携わり、平成8年の総選挙に出馬する決意をされた経緯など、普段、決算行政監視委員会でご一緒していても聴けない話に感銘を受けました。20日(日)は射水市大江支部南砺市上平支部と総会に出席、最近の国政を手短に報告しました。22日(火)には、南砺市井口支部の皆さんが国会見学を兼ねて上京下さるなど、各支部の皆さんとの交流で沢山の元気を頂いています。21日(月)には富山市で堂故参議院議員を支える経済人の会も発足、ふるさとの皆さんの温かいお力添えあってこそ、国会活動に携わる事ができる訳で、感謝申し上げます。

 大型連休を前に、永田町では今週も各委員会・本会議で案件の審議が精力的に進められています。23日(水)の内閣委員会では、平成28年から8月11日を「山の日」として国民の祝日とする法案が超党派で提出・可決されました。17番目の祝日ですが、これ以上祝日を増やす事には抵抗感も出ています。個々の祝日をその趣旨に沿って意義深く過ごせるか、また、「ハッピーマンデー」制度にて祝日の日付を動かしている事の是非など検討課題と言えそうです。

 一方、外交面では、23日にオバマ米大統領が国賓として来日、安倍総理との首脳会談を経た後の共同記者会見では尖閣諸島が日米安保条約の対象となる事を明言するなど、安全保障面での成果が挙がっています。一方、TPP交渉については、早期妥結を目指すとの合意の下、引き続き大詰めの協議が続いている現状です。私たちも交渉の全体像は未だ報道情報に頼るのみですが、焦点は牛・豚肉、乳製品、自動車の関税の扱いで、米や麦については最小限の影響で留まるようです。日本側は、今月前半に大筋合意に至った日豪EPAでの農産物の関税の水準での決着を目指しているものと思います。

 最近、自分なりに注目しているTPP、原発再稼働、沖縄の基地問題ですが、今週の動きも含め、内閣は慎重かつ粘り強く対処していると見ています。一方、消費税8%引き上げの影響も注視されていますが、3月末の駆け込み需要の反動減も概ね想定内の状況で、過日日銀が発表した地域経済動向によれば、100円台の円安を受けて製造業に海外との競争力が回復しており、一部には生産の国内シフトも見られるようです。株価も1万4千円台で推移しており、政府与党では6月にも予定される成長戦略の見直しに向け、法人税の実効税率引き下げの可否を巡る議論も始まっています。財政再建と経済成長の両立、そして公平感ある税制の構築についても、自分なりの考えを整理していきたいと思います。

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国政報告(第228号)

 桜が散ったと思ったら、もう銀杏並木の緑が萌え、外を歩くと暑く感じる位に季節が進んできました。週末の12-13日(土―日)と政務調査会の用務で沖縄へ出張しました。地元の島尻参議院議員、宮崎衆議院議員と、来春米軍から返還される西普天間地区を見学し、宜野湾市の佐喜真市長ほか関係者の皆さんと面談しました。返還される土地の面積は51ha、地主は662名で、住みたい方、売却したい方など思いも様々です。まずは、土地利用構想を固める事が求められています。「帰ってきて良かった」と感じてもらえるよう、国・県・市の連携協力が望まれます。

 週が明けて14日(月)は、女性局の一日研修で、野田総務会長、橋本聖子参議院議員、三原局長ほか皆さんと一緒に、小田原・熱海のMOA関連施設を訪ねました。無農薬の自然農法の取り組み豊かな自然に囲まれた医療施設MOA美術館と巡り、久しぶりに気持ちをリフレッシュできた一日でした。

 15日(火)には、2カ月ぶりに党のTPP対策委員会が持たれました。週末のシンガポール出張から戻られた西川公也衆議院議員の報告の後、アメリカでのフロマン代表との厳しい交渉に出向かれる甘利大臣を皆で激励しました。日米間の交渉の最新の状況は、進展を見つつも、未だかなりの距離感があるとの事で、24日(木)のオバマ大統領訪日に向け、ギリギリのやり取りとなりそうです。

 今週は所属する三委員会が全て開かれ、それぞれ、理事として運営を円滑に進めるための環境づくりに努力しました。16日(水)は内閣委員会で「重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協力の強化に関する法律案」、東日本大震災復興特別委員会で、委員長提案の「東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案」がそれぞれ可決され、17日(木)正午過ぎの本会議で可決・参議院に送付されました。さらに17日午前、決算行政監視委員会で平成23年度及び24年度の予備費使用・国庫債務負担行為が審議、承認されました。大型連休に入る前の来週も、内閣委員会で法案審議が予定されています。

 一方、17日には各電力会社から夏場の電力需給見通しが出揃いました。関西電力と九州電力は東京電力から一部融通を受けて、ギリギリ需要を満たす事ができるとの計画で、「稼働原発ゼロ」の状況の厳しさが浮き彫りになりました。九州電力川内原発の再稼働申請の審査については、月内にも九電から審査を踏まえた申請書が出る段階となっており、いつパブリック・コメントに入る事が出来るかが焦点となってきました。このように、今週は、TPP、原発再稼働を巡る情勢が緊迫する中、基地移設問題を抱える沖縄に赴く事となり、これら国政の最重要課題の解決に自分なりに努力していくよう、肝に銘じた次第です。

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国政報告(第227号)

 東京は桜が風に舞い、富山もそろそろ盛りを過ぎるようです。新年度最初の週末は、党福野支部、平支部の総会に出席し、国政の現状について、見たまま、感じたままでお話ししました。前号でも触れた日豪EPAについては、日本が牛肉等農産物で、オーストラリアが自動車で、それぞれ可能な限り譲歩する事で大筋決着しました。党内でも、ギリギリの線でまとまった内容に、良く頑張った交渉との評価が大勢です。もっとも、影響を受ける方々もおられる訳で、きめ細かな対策は望まれます。ただ、関税を引き下げて行く期間にも余裕があるなど、TPP交渉の良き先例としたい所です。

 週が明けて7日(月)は富山に留まり、党北信越ブロック県連幹事長会議に向けて来県された鴨下幹事長特別補佐、竹下組織運動本部長のお伴で、県内の各経済団体を訪問し、景気の現状や経済政策への要望を伺いました。それぞれ、短時間でしたがトップや幹部の皆様に対応頂け、アベノミクスへの一定の評価と併せ、地方経済にも明るさが広がるよう、一層の努力を求められました。私どもからは、政府・与党のメッセージとして、法人税の減税分を企業のベースアップに充てて頂き、景気回復が家計にまで行き渡るよう、特段の配慮をお願いしたところです。ベアが難しければ、夏季賞与において還元頂ければ、との思いです。また、新幹線開業を一年後に控え、地域発展への期待感や、ジェネリックを始め、県内薬業の一層の飛躍を期しているという心強いお話しも承りました。私自身は、当日夕方にも県西部の経済界有志の皆様と懇談する機会があり、消費税8%引き上げ直後ではあるものの、先行きへの期待感を受け止め、気持ちも新たに上京した次第です。

 今週も、8日(火)、10日(木)、11日(金)と定例日全てに本会議が開かれ、各委員会で審議を終えた案件の可決・参議院送付と、新たな法案の趣旨説明・質疑が進んでいます。内閣委員会でも、我が国の医薬学研究を一層推進しようとする「健康・医療戦略推進法案」が可決され、内閣提出の7案件のうち3案件の審議を終えました。6月22日(日)の会期末まで残り半分という時点で、まずは順調な展開で推移しています。このまま緊張感を持って進むように、と国会対策委員会から指示を受けています。

 一方、国政上の重要課題については、24日(木)の米オバマ大統領来日に向け、TPPを巡る2国間協議が続けられています。先行きは、正直なところ不透明です。また、原子力発電の位置付けを含め、議論が続いていたエネルギー基本計画の閣議決定案が、公明党との協議を踏まえ、8日の総務会で了承されました。九州電力川内原発の再稼働申請の審査が先行して進められており、夏場の電力受給見通しに組み入れられるかが焦点となっています。これら課題の動向にも目配りしながら、毎日を過ごしていきます。

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国政報告(第226号)

 桜が満開の東京で新年度を迎え、佳境を迎えた案件審議で委員会続きの毎日です。先週末の29日(土)は高岡駅の新駅ビルのオープニングに出席し、2階デッキから今までにない視線で眺めた高岡の中心部の街並みが心に残りました。1階には万葉線が引き込まれ、そのレールはいつでも氷見線の7番ホームに伸ばしていける設計となっている事を挨拶に含めました。第三セクター化される北陸本線と氷見線、城端線、万葉線が相互に行き来でき、県西部の6つのマチがレールでしっかり結ばれる姿を目指し、頑張りたいと思います。

 セレモニーから急いで富山市に向かい、地方議員連絡協議会主催の石破幹事長講演会に出席しました。現下の国政が抱える諸課題に要領良く触れて頂き、来春の統一地方選での勝利を目指し、今年は党組織の足腰を鍛えるという方針を明快に語って頂きました。夜は党小杉連合支部の総会に出席、盛会でした。

 明けて30日(日)は、天候は風雨でしたが、待望久しかった牧野大橋の開通式に参列しました。同席の野上国土交通副大臣には、東海北陸自動車道の県内区間の四車線化に向け、関係者の協議の場を設けて頂き、確かな一歩を踏み出して頂いた事、御礼申し述べました。石井知事には、新幹線開業の一年前に竣工頂いた御礼と併せ、残された中曽根・作道間の2期工事をよろしくお願い致しました。

 毎週同じように、月曜の31日に上京し、1日(火)は本会議、2日(水)は内閣委員会、3日(木)は東日本大震災復興特別委員会、4日(金)は再び内閣委員会、決算行政監視委員会に本会議と会議に押されています。そんな折、党水産部会関係では、国際司法裁判所(ICJ)で、日本の南極海での調査捕鯨が違法との予想外の判決が下り、部会でも対応に苦慮する事となっています。裁判を提訴したオーストラリアとは、今週末にアボット首相が来日し、日豪EPAの交渉が重大局面を迎えようとしていただけに、外交面でも難しい判断が迫られます。

 3日午後の水産部会では、出席議員から、判決を詳細に分析し、改めて日本の鯨食文化のPRを内外で展開するとともに、我が国近海での捕鯨に影響が及ばぬよう努力すべきとの意見が出されました。また、3月18日(火)未明に三浦半島沖で衝突沈没したパナマ船籍貨物船から洩れ続けているC重油による漁業被害も議題となりました。地元選挙区の漁協が被害に遭っている千葉の浜田靖一議員、神奈川の小泉進次郎議員から国の適切な対応を求める要請がありました。3月のウクライナ情勢といい、今回のICJ判決といい、国政を巡っては、予期せぬ事態が次々に起こり得る訳で、これらを切り抜けながら所期の政策を着実に実行していく胆力が政府には求められます。それを支えて行くのが与党の役割と心得、持ち場の委員会の案件審議促進に、来週も汗をかいていきます。

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国政報告(第225号)

 春分を過ぎて、さすがに春らしくなってきました。22日(土)は、南砺市井口の恒例の椿まつりの開会式があり、週明けの東京は桜が開花したとのこと。朝、党本部に行く時も、帰りに宿舎に戻る時も、どこか空気や景色が違ってきました。そんな中、先週末の参院での新年度予算成立を受けて、今週の国会は本会議・委員会ともに案件審議が精力的に進められています。

 25日(火)の本会議は健康・医療戦略推進法案の趣旨説明・質疑、26日(水)の内閣委員会は内閣法改正案の質疑・採決、27日(木)の本会議は農業経営安定交付金法改正案等の趣旨説明・質疑と続き、28日(金)は内閣委員会の一般質疑と本会議での不当表示等防止法改正案の趣旨説明・質疑が予定されています。各委員会で審議を終えた法案は順次本会議で採決され、参議院に送られます。ちなみに、27日の本会議ではNHK予算案を含め、9案件を可決しました。年度内に法案審議がこれほど進捗しているのは久しぶりの事であり、ゴールデン・ウィーク前には6月下旬の会期末までの見通しも立ちそうな勢いです。

 その分、ここしばらくは委員会審議に追われそうで、来週も水・木・金と内閣委員会の開催が予定されています。さらに、決算・行政監視委員会、東日本大震災復興特別委員会にも審議案件があり、4月は日程が混んできます。ただ、以前から報告しているように、与野党が真っ向から対立しそうな案件は、農業経営安定交付金法改正案等に限られていて、むしろ4月1日(火)からの消費税8%への引き上げなど、「院外」の経済、さらには国際情勢が気になります。

 とりわけ、ウクライナ情勢の急展開とロシアのクリミア併合の動きは、欧米の厳しい反発を受けて、ロシアが今後どのような対応に出るのか予断を許しません。25日(火)のオバマ米大統領の仲介による日米韓首脳会談の実現は明るいニュースでしたが、同時間に北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射するなど、「隣近所6カ国」の外交にはまだまだ紆余曲折が予想されます。4月下旬に予定されるオバマ大統領来日に向け、難航しているTPP交渉が動き出すのか、日豪EPA交渉が先にまとまるのか、これも不透明です。

 エネルギー問題も、4月下旬には今夏の電力需給の見通しと対策の立案に着手せねばなりません。北陸電力の志賀原発2号機下の断層については、原子力規制委員会の審査が長引く模様です。与党内で議論が続いている「エネルギー基本計画」の閣議決定をどうするか、そして九州電力川内原発の再稼働申請への対応など、世論の動向も注意しつつ、適時の判断が必要です。

 年度末/年度初めは人事異動の時節でもあります。お世話になっている県東京事務所でも本庁との間の異動があり、竹田所長様はじめ皆様の挨拶を頂いています。新聞記者の皆さんを始め、同じく富山県内から「単身赴任」の上、頑張って頂いた方々に感謝申し上げ、新たに着任される方々とともに、さらに前進して行きます。

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国政報告(第224号)

 春分の日にしては寒く、あられ模様の21日(金)、久し振りに富山で国政報告を綴っています。昨20日(木)、戦後3番目の早さで新年度予算が参議院で可決・成立し、通常国会は各種法律・条約案を処理する後半期間に入りました。私の所属する内閣委員会も19日(水)から内閣府設置法改正案の審議に入り、来週からは委員会定例日の水・金曜で継続開催の予定です。

 私にとって、今週一番の出来事は17日(月)の総務懇談会でした。国会開会中の総務会は原則、火・金曜の午前11時から、議事堂内2階の第15控室で開かれ、内閣から国会に提出される各種案件を中心に審議・決定しています。年初来からこの間、集団的自衛権の取り扱いや、内閣の要である内閣官房・内閣府の組織の在り方について、ベテランの先生方から種々ご意見が出されました。そこで、野田聖子総務会長の判断で、各総務が自由に意見を延べ、円滑なコミュニケーションを取るべく、総務懇談会が開催されました。

 懇談会の前例は平成17年、郵政民営化を巡り、党内の議論が割れた際に、総務会の意思を集約する目的で持たれました。このため、一部報道では安倍内閣に対する党側の牽制とのとらえ方もされました。しかし、現場感覚では、何かを決めるというよりは、お互いの意見を学び合う場であり、私自身、良い勉強になり、考えの整理ができたと思います。

 懇談会での具体的なやり取りの外部への公表については総務会長に一任されたので、他のメンバーのこ発言の紹介は控え、議論を踏まえて、集団的自衛権についての自分なりの考えを述べます。集団的自衛権は、個々の国の自衛権とともに国連憲章によって各国に保証されています。集団的自衛権が行使できるのは、紛争・事案が生じてから安全保障理事会が行動を起こすまでの期間に限られ、取った措置については安保理への報告が義務付けられています。また、集団的自衛権は安全保障について同盟関係にある国とともに行使するものであり、今の我が国ではアメリカ以外の国との行使はできません。

 国際法上認められているこの権利を、我が国が国内法である日本国憲法の下で行使できるか否かが、今、提起されている問題であり、仮にこれを憲法解釈上可能とするとしても、我が国周辺での限定的な事態への対処に限られ、その内容は立法府たる国会が定める法律で厳密に規定されなければなりません。

 このような問題の絞り込みが、報道や世論には十分理解されているとは言えず、その努力が必要です。また、消費税、TPP、原発再稼働等の国内課題、日米韓首脳会談、北朝鮮情勢、クリミア情勢等の外交の現状も踏まえつつ、いつ議論する事が妥当か、慎重な見極めが必要です。私自身は、この立場から国政の動きに対処して行こうと思います。

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国政報告(第223号)

 春は「三寒四温」と言われますが、週明けの富山の朝は雪が降りしきり、13日(木)の東京は生温かい強風が吹き荒れ、行きつ戻りつの季節の歩みです。9日(日)、上京後、悪寒に襲われて発熱、解熱剤を処方してもらって夕方からひたすら眠り、何とか一日で快復しましたが、体調管理も気を使う3月です。

 8日(土)は小矢部市の有志の方々の前で国政報告をさせて頂き、9日(日)は党福光連合支部の党員大会にて、堂故参議院議員の国政報告を聴かせてもらいました。氷見市長としての豊富な経験談と、初めての国政の場での新鮮な感想、そして地方に軸足を置いた政治活動への力強い抱負が印象に残りました。

 東京では、参議院での新年度予算案審議も佳境を迎え、衆議院では法律・条約案件の審議が始まりました。前号で報告の通り、国家公務員法改正法案は、12日(水)の内閣委員会で質疑・採決がなされ、自公民三党の賛成で修正議決しました。14日(金)の本会議で参議院に送付される見込みです。また、11日(火)には、東日本大震災三周年追悼式が天皇皇后両陛下ご臨席のもと、国立劇場にて粛々と挙行されました。3年前のその日の午後2時46分、私は浜松町のモノレール駅に向かうタクシーの中で大きな揺れを感じました。人それぞれに、色々な記憶があり、被災地で亡くなられ、また避難を余儀なくされた方々への想いと併せ、改めて復興推進と防災対策充実への決意をお互いに確認し合えたものと思います。

 一方、全国で全て停止している原子力発電所の再稼働申請を受けた、原子力規制委員会の安全審査も進捗し、13日には鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発の1号機、2号機の手続きが最優先される事となりました。電力需給が全国的に逼迫する夏場に再稼働させるには、そろそろ審査もまとめに入らないと間に合わなくなる所でした。4月からの消費税引上げ、TPP交渉妥結への努力という国政上の重要課題について、何をいつ実行するか、内閣としての政権運営の見取り図を、胸の中で良いから明確に持つべき時期に来ています。そこには、沖縄県名護市辺野古への米軍基地移設工事着手のタイミングも書き込まなければならないでしょう。国会における案件審議と並行し、国が当面する課題を一歩一歩解決していく地道な努力の正念場です。

 13日には、我が国の「山・鉾・屋台行事」のユネスコの世界無形遺産登録を目指す政府方針が正式なものとなり、文化庁から発表されました。具体的には、国の重要無形民俗文化財に指定されている、高岡御車山、城端曳山、魚津タテモン始め32行事が対象となります。各祭の関係者で組織する全国山・鉾・屋台保存連合会の会長を仰せつかっている私にとっても、積年の願いが前進し、早ければ来年秋にはユネスコで審査される訳で、とても嬉しく思っています。これを契機に、それぞれの祭行事がさらに盛んになり、良き伝統を後世に受け継いでいけるよう念じています。

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国政報告(第222号)

 3月に入り、風が冷たい日もあるものの、陽は確実に伸びて春を感じる候となりました。国会も、新年度予算案を28日(金)夕刻の本会議で可決、今週からは舞台を参院予算委員会に移しての審議となっています。既に予算案の年度内成立が確実となり、次は税法等の年度内改正が必要な案件の処理が視野に入りつつあります。

 私の所属する3委員会中、内閣委員会では、各大臣の所信に対する質疑の内、TPP交渉でシンガポールへ出張されていた甘利大臣に対する部分を5日(水)と7日(金)で合計3時間実施します。次は前国会積み残しの国家公務員法改正案の採決を目指す展開です。

 この間、委員会では与野党間で法律案の修正協議がなされました。自公民三党は、国家公務員の定年(原則60歳)を、年金支給開始年齢が62歳に引き上げられる平成28年度に向けて検討する事を政府に義務付ける修正案を提出しました。また、維新・みんな二党は独自の法律案を提出し、以上も踏まえて審議・採決し、成案を参議院に送付して新たな案件の審議に入る段取りです。

 一方、党内では、TPP交渉の推移を見守る一方、原子力発電所に関連するエネルギー基本計画の政府案の検討がヤマ場を迎えています。将来に向けて原発への依存度を低下させて行く事は共通認識ですが、足元でどの程度頼らなければならないか、また、再生エネルギーの普及をどれくらい加速できるかなど、議論を煮詰めている所です。また、総務会では組織が肥大化した内閣府・内閣官房の見直しや集団的自衛権の取り扱いなど、これまでの会議で各総務から出された意見を踏まえ、17日(月)から総務懇談会を数回開催し、コンセンサスを得て行く事とされています。

 私も、党総務を始め、与えられた職責に従って関係する会議で意見を述べ、勉強する毎日です。エネルギー基本計画については、スマートメーターの普及を急ぎ、一般家庭向けを含め、電力料金を需要に応じてきめ細かく設定する事で、ピーク・シフトなど必要発電量の低減を図るべきと述べました。また、集団的自衛権については、石破幹事長が出版された「日本人のための「集団的自衛権」入門」を読み、論点把握に努めています。国際連合憲章が大本となるこの問題を考える上で、総務会では、「戦後我が国は国連の常任理事国となる事を目標としていたが、今はどうだろうか?」という指摘に啓発されました。高度経済成長で国力を高め、世界第二位の経済大国となって、ODAなど外交に力を入れて来た日本ですが、今は、少子化で人口が減少し、GDPでは中国に抜かれ、財政ひっ迫でODA予算も削減されてきました。これからの我が国の目標、「国家目標」をどうするかが究極、大切なテーマだと痛感しています。

 6日(木)、総務部会で日本郵政グループの中期経営計画をヒアリングしました。郵政民営化、その見直しと、とかく党内にあつれきのあった分野ですが、将来に向けて落ち着いた議論ができる雰囲気が戻ってきました。国政の様々な分野について、議論し、前進させるよう取り組んでいきます。

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国政報告(第221号)

 21日(金)、今国会始めて内閣委員会で質問に立ちました。冒頭の万葉集はいつもの通りで、梅の歌を詠みました。内閣府の各大臣の所信に対する一般質疑ということで、関東甲信地方の大雪対策から、テレワークの推進(森大臣)、クールジャパンの推進(稲田大臣)、電子政府の推進(山本大臣)など、内閣府の広範な行政分野から一問づつ考えを聞いた上で、かねてから取り上げてきた組織の問題を深彫りして尋ねました。

 現在の国の行政組織は、橋本内閣の時に大掛かりな見直しをされ、平成13年に発足したものです。当時は省庁の数を集約し、省を横断する課題については、時の内閣が重要と判断するもののみを内閣官房や内閣府で扱い、その他は省同士で調整するものと想定されていました。しかし、それから13年経つ間に歴代の内閣が、自分たちが重要と考える課題を取り上げては内閣官房・内閣府に担当させ、それらを整理せず、組織や職員数が膨張するままに今日に至っています。これを整理し、組織をスリム化しようとすれば、省を横断する課題を各省に戻し、省同士で調整に汗をかく形に変えなければなりません。また、職員数が増えた現状では、審議官・参事官といったスタッフ制では誰が何を担当するのか不明確であり、局・部・課といったライン制の組織形態が望ましい場合もあるでしょう。与党の立場ではありますが、野党時代から温めてきた問題意識を率直に披露し、稲田大臣に問題意識を共有頂けました。

 国の中枢の官邸では、人事や安全保障など国の根幹に関わる事項や、時の最重点課題に特化して司令塔機能を発揮頂き、難所を越えた課題は各省に任せていくのが理想だと思っています。内閣府の在り方については、党でも今後検討していく事となっており、自分の考えが役立てば嬉しいところです。

 明けて25日(火)には、東日本大震災復興特別委員会の所信質疑があり、予算委員会も27日(木)で質疑は大詰めを迎え、与党は28日(金)の新年度予算案採決を提案しています。ここで衆院を通過すれば、参院の審議の推移に関わらず、3月末までに新年度予算が自然成立する事となり、通常国会は前半の大きなヤマを越して行く事になります。

 一方、22日(土)から25日までシンガポールで開催されていたTPPの閣僚交渉から甘利大臣始め関係者が帰国され、27日に与党で報告会が持たれました。結果として、貿易ルールの部分は進展を見たものの、関税部分は日米間の隔たりが大きいまま、当面は事務レベルの折衝に委ねられる事となりました。このため、4月下旬に予定されるオバマ大統領の訪日に向け、交渉の行方がどうなっていくのか、注目されます。少なくとも年度内の交渉妥結はまず難しく、日本の重要課題とすれば、消費税の8%引き上げが先行しそうです。このほか、26日(水)には次期エネルギー基本計画の政府案が党に示され、安全が確認された場合の原子力発電所の再稼働も視野に入れての議論が始まりました。来週からは予算審議の舞台が参院に移る中、消費税引上げから始まる重要施策の展開に目を凝らしていきたいと思います。

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国政報告(第220号)

 関東甲信地方は2週続けての大雪となり、甲府市の積雪は一時1メートルを超えるなど、各地に被害が広がりました。関係の皆様にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を願っています。普段は雪の心配が少ない地域でどこまでの備えをすべきか、警報の出し方も含め、今回の災害を教訓に新たな対策が望まれます。

 14日(金)は京都で全国山・鉾・屋台保存連合会の常任理事会があり、雪の東京から一足早く東海道新幹線に乗ったため、大雪に遭わずに週末を富山で過ごしました。15日(土)には射水市大島地区の青年部有志の皆さんの前で国政報告をさせて頂きましたが、その後の動きで見立てが違ってきたのはTPP交渉を巡る動きです。先週までは、物品に対する関税など諸国間の隔たりが大きく、2月のシンガポールでの閣僚会議での進展は無いだろうという情報で、4月のオバマ大統領の来日後の詰めの動きと報告していました。しかし、先週末の甘利大臣の訪米後は日米間も交渉を一段進める流れの報道が相次ぎ、党内でも「TPP対策委員会」の組織が補強された上、20日(木)に会議が開かれました。私も、郵貯・簡保、政府調達などを扱う第2グループの副主査をおおせつかり、出席して政府から閣僚会議直前の情勢報告を聴きました。依然として関税等、隔たりは大きいものの、党公約の範囲内で一段の歩み寄りの努力をしてみて、週明けの24-5日(月-火)頃にどの程度進展するかというヤマ場を迎えるとの事。西川委員長、宮腰先生、赤澤先生はシンガポールへ出向かれるとの事です。続きは来週報告します。

 一方、衆院予算委員会は21日(金)の地方公聴会、25日(火)の中央公聴会と日程が決まり、月内の通過を目指し、関係者が努力しています。予算は参議院に送付すると一か月で自然成立するので、年度内成立はもとより、年度末に有効期限が来る税制等の改正法の処理も見通しが立ってきます。今のところ、野党側の審議要求を概ね受入れながら、手堅く案件処理が進んでいる状況です。もっとも、以前から述べているように、今国会の焦点は、個々の内閣提出案件よりも、消費税引上げ、TPP交渉、原発再稼働、沖縄の基地問題など、「院外」にある訳で、これら重要課題への政府の対応という点では、これからが本当の正念場です。

 一方、衆院の各委員会も動き始め、19日(水)には内閣委員会で各閣僚の所信を聴取しました。21日の所信に対する質疑では、私も25分間の時間を頂き、今国会初めて質問に立ちます。野党時代に比べると格段に貴重な機会ですが、万葉集を含め、最近の問題意識で閣僚の皆さんに質していこうと思います。このほか、東日本大震災復興特別委員会も、21日に所信聴取、25日に質疑を予定しています。いよいよ、議員会館と党本部と国会院内を行ったり来たりする春本番、自分なりの成果を目指し、取り組んでいきます。

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