国政報告

国政報告(第176号)

 3月の最終週、東京の桜は今が最高潮です。今週は寒い日もあったお陰でお花見の期間が少し長くなりました。次は富山の桜が楽しみです。この間、国会では年度末案件の処理が参議院に移り、25日(月)から3日間連続で総務委員会が開かれました。省内で国会対応で一番ご苦労されているのは新藤大臣で、本会議、予算委員会を含め、殆どの質問の答弁をこなされています。私たちはほんの少しお助けするだけで、私については、郵貯・簡保の新規業務の認可手続きと東京タワーから東京スカイツリーへの放送電波の移転に向けた準備の進捗状況の2問に答弁しました。参院総務委員会には、同郷の又市議員、森田議員が所属されていて、短時間ながら毎回質問に立たれるので、お答えする機会を楽しみにしています。

 28日(木)には衆院本会議で50日間の暫定予算が可決され、29日(金)の参院本会議で年度末案件とまとめて可決されれば無事新年度を迎える事ができそうです。第二次安倍内閣がスタートして3カ月、第一コーナーを通過し、次は、25年度予算案の衆議院通過が課題です。一方、国民の税や社会保障手続きを効率化するために番号制度を導入する「マイナンバー法案」の審議も27日(水)から内閣委員会で始まっています。この法案と、各地の裁判所の違憲判決に対応する衆議院の定数是正法案がいわば今国会の目玉といえそうです。民主党政権の折に良く指摘したように、課題の解決は段取りを組み、先のスケジュールを良く練って進める事が肝心ですが、安倍内閣はこのことがキチンとしている事で安定感を増していると見ています。

 総務省では、若手補佐クラスの皆さんと月1回開催する二つの勉強会を相次いで開き、NHKの外国人向け国際放送「NHKワールド」の現状と活用方策、携帯電話通信事業者の国産端末への想いと支援の現状について、それぞれ関係者にも参加頂き、理解を深めました。NHKワールドは英語放送で、CNNやBBCの国際放送のように、我が国を拠点にアジアや世界の出来事を毎時30分のニュースで伝えるとともに、日本をアピールする多彩な番組を放送しています。国内ではインターネットでしか見る事が出来ないルールになっているのがちょっと残念です。一方、国産携帯端末の性能の良さは、耐水性や電池の持続力にあり、海外でもっとアピールしていきたいものです。

 このほか、ICTを用いた地域の医薬介護の連携方策、情報通信分野のイノベーション促進方策、大震災で見直されたラジオ放送の持続方策など、省内の公式の研究会も逐次開かれました。その成果は、6月を目途に「ICT成長戦略」として取りまとめる一方、官邸のIT戦略会議や産業競争力会議に向けて総務省として発信していくことになります。

 さて来週は、我が国の地上デジタル放送の方式を採用した南部アフリカのボツワナに御礼の、そして採用を検討中のアンゴラにお願いの訪問のため一週間海外出張することになりました。次号で報告しますので、お楽しみに。

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国政報告(第175号)

 20日(水)の春分を前に、東京では桜が咲き始め、週末には早満開の見込みです。急に季節の歯車がギュッと回ったところで、国会も年度末に向けて案件の処理が進んでいます。担当の衆議院総務委員会では、地方交付税法改正案、地方税法改正案、NHK新年度予算案の3案件が、丸2日間審議の上、21日(木)に可決され、22日(金)の本会議に上程されます。来週、参議院に舞台を移し、年度内の成立を目指します。その後、50日間の暫定予算の提出・成立で新年度を迎え、さらに、4月前半には25年度予算案の衆議院通過を目指すものと思われます。

 この間、私は17日(日)の党大会、春分の日の在京当番と、休日の東京暮らしが続きました。4年ぶりに与党に転じての党大会は出席者も一段と多く、再び政権を担う気構えと参議院選挙勝利に向けた緊張感がみなぎる元気な内容でした。司会を田畑代議士、議長団の一角を高平県連幹事長が務め、富山県連も気勢が上がり、出席された堂故氷見市長の参院選地方区での勝利を改めて誓い合いました。総務委員会では、何度か答弁の場面が予定されたのですが、時間の都合もあり、政策を語る答弁の機会はありませんでした。しかし、万葉集朗唱の営みは続けるようにと、民主党の原口元総務大臣、小川元総務大臣政務官から質問で促して頂きました。「梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや(巻五-829)」、「ももしきの 大宮人は 暇あれや 梅をかざして ここに集へる(巻十-1883)」の二首を議事録に残すこととなりました。月曜日からの参議院総務委員会では、実質的な答弁も含め、また心して臨みます。

 総務省の動きについては、委員会審議のため、各種研究会も開かれず、現場見学の予定も延期しました。一方、政務官としての担当分野であるNHK予算の審議を通じ、首都圏における放送波の東京タワーからスカイツリーへの円滑な切り替えの問題、NHKの外国人向け国際放送(NHKワールド)の充実・活用、公共放送としてのNHKの運営姿勢や番組制作への期待など、様々な貴重な意見を同僚議員から寄せて頂き、心して事に当たっていきたいと思います。

 19日(火)には、超高齢化社会におけるICTの役割について、総務省のビジョンと取り組みについての取材を受けました。健康・医療・介護分野の情報通信連携や、ICTによる買い物支援、高齢者の皆さんに対するICT機器の普及など、これまで省内で議論してきたことを自分なりに整理し、他人に伝える良い機会でした。ふと気がつけば、来週で政務官の仕事も丸三カ月、ICTの横文字にも大分慣れてきました。地に足を付けながら、これまでに吸収してきたことを自分なりにまとめ直し、ICT成長戦略の取りまとめ等、当面の目標に向かって頑張っていきます。

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国政報告(第174号)

 今週の国会は、衆議院予算委員会で新年度予算案の審議が進む一方、月末の年度末を控えて税制改正など成立させなければならない案件が各委員会に付託されました。総務委員会を始め、来週・再来週は忙しい展開となりそうです。一方、TPPについて自由民主党内では17日(日)の党大会を前に、対応方針がまとまり、これを受けて安倍総理は今日(15日(金))にも交渉参加を表明する見通しです。国内にはTPPについて多くの懸念の意見があり、党も「例外無き関税撤廃」を原則とする交渉には参加しない事を含め、6項目を公約し、先の総選挙に臨んでいます。今回の対応方針は、公約の遵守を基本に、先月の日米首脳会談の結果を踏まえ、関税を維持したい農産物等、我が国の国益を明らかにしたものとなっています。この間、12日(火)には富山県JAの穴田会長始め多くの方々が上京され、県選出国会議員との会合で、本当に国益が守れるのか、真摯な訴えがありました。内閣が決断する以上、党の公約を踏まえ、皆さんに納得頂ける交渉を進めなければなりません。関係者は重大な決意を持って事に当たるものと思います。

 今後のTPP交渉の流れですが、日本の参加意思表明を受けて、これをアメリカが認める手続きが必要です。その際、日米首脳会談を踏まえ、自動車と保険について、二国間での合意が求められます。報道ベースでは、自動車はアメリカ側の関税を維持する事、保険については継続協議と言われています。総務省関係では、かんぽ生命の取り扱いが該当することになります。二国間合意を経て、我が国は本交渉に参加していくことになります。日本の農産物、米国の工業製品をそれぞれ保護する見通しとなった事から、TPPと一般のEPAとの違いは薄れたものと考えます。日本を巡る東アジアの安定のためには良好な日米関係が不可欠という、外交・安全保障面の国益を含め、守るべきものを守らなければならないと思います。

 さて、総務省の業務については、11日(月)に新東京郵便局、13日(水)にNHKの国際放送スタジオを訪問しました。新東京局は江東区にあって、東京23区と全国との郵便物を集中的に捌いており、我が国の郵便配達ネットワークの心臓部と言えます。大きな建物の中に、郵便物を番号で読み取り、行き先別に仕分けする装置が配置され、さながら工場の観です。稲澤局長は富山県出身とのことでご縁を感じながら説明を受けました。ゆうパックについては、配送のみならず、保管や軽加工など、周辺の物流業務への進出も今後は考えていくべきと感じました。

 NHKでは、外国人向けの「ワールドTV」のスタジオや編集部門を見学しました。アメリカのCNN、イギリスのBBCのように、海外から信頼される報道と日本への理解を進める目的で放送開始して4年が経過しています。業務としては軌道に乗る一方、所期の目的達成に向けてさらなる改善に取り組む時期だと思います。引き続き、現場に足を運び、ICTの様々な可能性を議論し、年央の政策取りまとめに向け、努力していきます。

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国政報告(第173号)

 今週は、4-6日(月-水)と衆・参両院で先週末の四大臣演説に対する各党の代表質問があり、7日(木)からはいよいよ衆議院予算委員会で新年度予算案の審議が始まりました。予算の性格、安倍政権により見直された内容、また、TPPへの今後の対応等が論戦の焦点となりそうです。

 私については、7日に東京高岡会の会合があり、「総務省というところ」と題して、最近の活動状況を話させて頂きました。炭谷会長はもちろん、高校時代の同級生が10人出席してくれて、政務官就任を祝うブーケを用意して激励頂きました。卒業から34年が経ちますが、こうやって折々顔を見る事ができるのは心強いです。たまたま前日の6日には、国家公務員時代にイギリスに留学させて頂いた時の懐かしい友人5人が久しぶりに集まる機会もありました。総務省の仕事を始めて2カ月余り経ち、ようやく皆さんに自分の役割を具体的に語れるようになったように思います。

 さて、政務官としての一週間ですが、7日に横浜国立大学附属横浜中学校へ電子黒板とタブレット端末のパソコンを使った授業を見学に伺いました。総務省のフューチャースクール推進事業の実証実施校として、生徒が一人一台の端末を持ち、教員の皆さんがICT機器を活用した授業に取り組んでおられます。鈴木学長、蝶間林校長始め皆さんのご案内で、1年生と2年生の理科・数学・英語・総合学習の授業を見せて頂きました。気象庁のホームページから当日の各地の天候や天気図を読み取ったり、専用のソフトウェアを使って与えられた数値でグラフをきれいに描いたりする生徒の皆さんの手際の良さに感心しました。英語では、「What am I 」(私は誰でしょう?)というクイズを学習した英語表現を用いて各自が作り、答え(「ピカチュウ」とか「非常口表示」とか、色々でした。)も画像や動画で表現していました。先生が指名した生徒の端末から瞬時にクイズの内容が電子黒板に伝達され、とんちの効いた問題と答えにクラス中が沸きました。総合学習では、鎌倉での校外学習のレポートを5人毎の班に分かれてパワーポイントで制作していました。

 授業の後で生徒代表と先生方から感想を伺いました。生徒の皆さんはICTのもたらす様々な力を通じて授業に興味を持っており、先生方はICTを効果的に授業に取り入れる反面、生徒同士のコミュニケーションが活発になるように特に注意されているとの事でした。電子黒板については、以前に富山県内の首長さん達からその効果について聴いていたのですが、この見学を通じて留意点を含め、理解を深める事ができました。

 一方、7日、フランスのオ・ラン県(ライン川上流の意)から東日本大震災への日本の取り組みを視察に来られた消防職員にお会いしたほか、「ICTコトづくり」「イノベーション創出」「G空間×ICT」「生活資源」と四つの会議に出席しました。省内では、ICT成長戦略の立案に向け、議論が急ピッチで展開しており、まさに「百花繚乱」の観があります。自分なりの視点と座標軸を大事にしながら、成果を出していきたいと思います。引き続き、総務省と国会を往復している様子を報告していきます。

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国政報告(第172号)

 先週末の安倍総理の訪米で、日米間の外交上の懸案は新たな展開を見せました。事前の予想通り、日本側は普天間基地の移設問題での具体的な努力とハーグ条約への加盟を約束し、TPPについての米側の真意を探る出方となりました。首脳間の率直な会談の結果、文書で「例外なき関税撤廃をあらかじめ想定するものではない」との合意に至りました。日本側は農産物、米側は工業製品について関心が高いことも認め合いました。一方、自動車と保険の2分野については、米側が、日本のTPP交渉参加の前に協議したい旨、明確な姿勢を示しました。これを受けて、25日(月)の自民党役員会で交渉参加の判断を総理に一任する一方、総選挙時の公約は堅持する旨、内閣に申し入れました。

 この推移について、国内では様々な反応がありますが、私なりには総理訪米に際して準備が周到に進められたことで、外交的には日米関係の再構築という目的が達成されたものと受け止めています。TPPの前途は、総理が参加の意思表示を慎重に判断されるものと思いますが、一点大切なポイントは、米側が日本の参加を了承する前に自動車と保険の2分野についての事前協議が明らかに必要となったことです。この点は私が野党時代から政府に何度となく確認してきた問題で、牛肉は子牛の検査を緩和したことでクリアしましたが、残った2点の解決策は現状では未だ見えておらず、TPP交渉参加への道のりはそう単純でもないように思います。

 今週は26日(火)に補正予算が参議院で1票差で可決・成立し、28日(木)には両院で恒例の4大臣(総理・外務・財務・経済財政担当)演説があり、新年度予算の審議がスタートしました。来週の4―6(月-水)日に両院での代表質問が行われ、7日(木)以降、衆院予算委員会を舞台に本格的な論戦が始まります。例年より1か月遅れの運びとなっており、ゴールデン・ウィーク前後の成立を目指す事になりそうです。

 安倍内閣の2カ月間は、内政・外交とも堅実な歩みとなり、与党の一員としてもまずは順調な推移にほっとしています。持ち場の総務省では、経済再生のための「3本の矢」の最後の成長戦略に情報通信分野で寄与すべく、23日(金)に有識者からなるICT成長戦略会議が立ち上がり、その下で、今週は超高齢社会構想会議と放送サービス高度化委員会が開催され、出席しました。一方、見学は千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」で電力制御システム、ICTを活用した健康づくり、さらに千葉大学の植物工場を訪問しました。この2カ月で情報通信技術(ICT)の活用分野として、医療・教育・エネルギー・健康・農林水産業など様々な分野の可能性を実感しています。いずれも、関係者のニーズをいかにうまくとらえ、ネットワークに参加する方を増やすことで「スケール・メリット」を出し、商業ベースに乗せる事ができるかが課題であり、その解決に私自身も努力していきたいと思います。

 先週の20日(水)、今週の25日(月)と、省内の若手・中堅職員の皆さんとの語り合いも始めました。テーマは、「日本の放送番組をいかに海外に売り出していくか」「日本製の携帯電話の市場シェアをいかに取り戻していくか」の2つです。職員の皆さんの日ごろ業務に裏打ちされた的確な情報と、新鮮な問題意識に啓発されるところが大きいです。「どんな番組が必要なのか」、「携帯電話にどんな工夫が必要なのか」、それぞれ月1回ペースで話し合っていこうと思っています。参議院選挙前の6月頃を当面のゴールとして、総務省での仕事を進めていきます。

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国政報告(第171号)

 今週は補正予算の審議の舞台が参議院予算委員会に移り、21日(木)に政務官として初答弁しました。谷岡郁子議員からの日本郵政株式会社の純資産は幾らか、という事実関係の質問で、11兆円余りと答えただけですが、ともかく政務官としての国会初仕事でした。たまたま、小矢部市議会の創生会の議員の皆さんが上京されていて、傍聴席で見守って頂きました。

 週末には安倍総理が初訪米され、来週には補正予算も参議院で採決されて成立する見通しです。日米間では、普天間基地の移設問題、近隣諸国への対応、TPP問題、ハーグ条約への加盟等の案件が話し合われる見込みです。首脳間の意思疎通を土台に、安倍外交が本格的に展開し始めることになります。月末からは、新年度予算案の審議が始まり、さらに内閣提出の法案・条約へと議論が進んでいきます。政府・与党として、慎重かつ着実に国政を前進させて行かなければなりません。

 総務省では、20日(水)に東京都の檜原村と神奈川県の相模原市に出かけ、地域で頑張っている郵便局の実情を見てきました。檜原村は都心から50キロ離れた東京の西の山あいに位置し、人口は2500人余りです。奥秋川に沿って村内に集落が点在し、一通り郵便配達をすると100キロ程度走らなければならないとのこと。金融機関は檜原郵便局とJAあきかわの支店だけで、坂本村長さんは、昨年春の郵政民営化法改正案の国会審議の際に、参考人として村における郵便局の存在の重要性を強く訴えられたことが私の印象に強く残り、今回訪問させて頂きました。大切な時間を割いて、村の産業・教育・福祉面の取り組みを伺う事ができ、地元の木材を活用して小中学校の教室の木質化や図書館の建築を進めたこと、村の診療所に電子カルテを導入し、CT撮影の結果を遠隔地の病院に送り、即時に診断できる体制を作ったこと、空き家を村営住宅に改築して若い世代の定着に努力していることなど、前向きに頑張っておられる姿に感銘を受けました。檜原郵便局の吉野局長も村民で、地域に根差した局運営を心掛けておられます。郵便物の集配・配達はあきる野市の局に集約されていますが、村内では新聞も郵便物として配達している地域があること、未舗装の山道をオートバイで走る箇所もあることなど、ユニバーサル・サービスを現場で担うご苦労の一端に接しました。

 村長さんからは、人口が希薄な地域における郵便局の重要性を再度承り、次は、神奈川県の最北端、旧津久井町で現在は相模原市緑区の三ヶ木簡易郵便局を訪ねました。簡易郵便局は郵便局のネットワークの足りない地域で個人の受託者にお願いして窓口を設け、業務を遂行頂いているものです。成瀬局長は神奈川県の簡易局長の会長も務めておられ、業務内容の細かい変更にも的確に対応され、他の簡易局の相談にも乗っておられるとのこと。世代交代等で、簡易局の受託者が確保できない事が「郵便局閉鎖」問題につながっており、後継者育成の重要性を説かれました。

 このように、所管分野について一つ一つ現場の姿も体感しながら、職責を少しでも果たしていければ、と思っています。今週から、省内の課長補佐クラスの皆さんとの勉強会も始めました。来週はその報告もしたいと思います。

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国政報告(第170号)

 前号でお知らせした通り、この建国記念日の土・日・祝の3日間は総務省の在京当番となり、東京で過ごしました。国政に関わらせて頂いて以来、週末はほぼ必ず富山に戻ってきたので、「東京の週末」を公務員時代以来、久しぶりに体感させてもらいました。といっても、23区内に常時いる事が決め事なので、上野の都立美術館で「エル・グレコ展」を見た他は、デパートを覗いた程度です。冬晴れの中に春の明るい日差しを感じさせてもらいました。

 明けて12日(火)の昼休み、北朝鮮の核実験のニュースに驚かされました。週末に起こっていれば、自分も総務省と連絡を取って行動しなければならなかったのかと思うと、在京当番も緊張感を持って臨まなければ、と改めて自戒させられました。早速、衆議院では14日(木)の本会議で抗議決議が全会一致でなされました。補正予算も同時に賛成多数で可決され、参議院に送付されました。これに伴い、総務委員会で地方交付税法の審議があり、新藤大臣以下政務三役も就任挨拶をさせて頂きました。やがて自分の担当分野の審議があれば、答弁に立つ事になります。今回は坂本副大臣、北村政務官の出番でした。まずは、安倍内閣として衆議院での初仕事が終わり、来週後半の総理訪米の前後で補正予算も成立の見込みです。おって、月末から新年度予算の審議が始まり、今国会も佳境に入っていきます。

 内閣の大きな動きを見ると、政府の円相場、株価が引き続き経済界を安心させる水準で推移する中、その好影響を賃金上昇を通じて家計に及ぼすよう、総理自ら経済団体に働きかけています。さらに、来週の訪米で安倍外交が本格的に始動します。日米間の懸案は、沖縄の普天間基地の移設、TPPへの対応、そして我が国のハーグ条約批准の3点に絞られるようです。最後の条約は、皆さんには余り馴染みがないかも知れません。国際結婚した夫婦が離婚の際に、子どもをいずれの親が引き取るかでもめた場合、片方が勝手に国外に連れ去る事を禁止するものです。もちろん、正当な理由があり、手続きを踏めば、禁止は解除されます。今回の訪米に向けて、ハーグ条約の対応は前進させようというのが目下の流れのようで、党内の議論が進みつつあります。一方、TPPについては、選挙公約を遵守し、慎重に臨むものと思われます。

 私自身の動きとしては、8日(金)にNHKの技術研究所と研修センターを見学しました。研究所では、開発が急ピッチで進められているハイビジョン、すなわち4K・8Kテレビの実物を見せてもらいました。画面がそれぞれ今の液晶テレビの4倍、16倍細かくなり、雑踏の人混みを離れた所から見た映像でも、一人一人の顔が鮮明に見えるくらいの素晴らしい解像度です。ここまでくると、画面の中の物が自然に立体的に見えてくるし、音響も20を超えるスピーカーでとらえる事ができ、オーケストラも目の前で実際に演奏しているように聞こえます。この画面を分割し、インターネットも併用して多様な情報を双方向でやり取りすること(ハイブリッド・キャスト)も可能です。これからのテレビの可能性の広がりを感じるひと時でした。このほか、EU議会から代表団一行が来日され、13日(水)には、日本側国会議員の有志との間で意見交換するセッションが催され、出席しました。ICTから外国語まで、盛りだくさんの一週間でした。

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国政報告(第169号)

 立春を過ぎて、富山も東京もそれぞれに春の気配が漂い始めました。国会も第2週となり、補正予算が上程され、麻生財務大臣の財政演説と本会議質問に続き、7日(木)から衆院予算委員会がスタートしました。野党時代は委員会室に毎日のように出入りしていたのですが、与党に転じ、政務官を仰せつかったため、公務をこなしながら外から審議の推移を見守る立場になりました。論点は、予算の規模と経済効果、地域への波及効果といった所が浮かび上がってきたように思えます。政権発足後、円安が続いて93円台、株高が続いて1万1千円台とそれぞれビジネスには良好な状況が続いていますが、この水準が定着し、さらに経済成長へと橋渡しできるかが焦点です。私の担当分野であるICTの活用も、役割を果さなければなりません。

 そんな思いで、4日(月)には医療分野と教育分野でのモデル事業の成果を確認する委員会に出席し、今日(8日(金))は次世代テレビである4Kテレビ、8Kテレビの見学に出かけます。現場で起こっていることを見聞きすることはとても勉強になります。医療分野では、島根県、広島県等で先進的な取り組みがなされています。地域内の病院、診療所、介護施設等が同じ形式の端末・ソフトウェアを備え、診療情報や投薬情報を共有します。急性期病院から一般病院や介護施設への受け渡しや、過去の健診、検査データの共有化など、医療・介護がスムーズに効果的に進むよう、ICTが役割を果たしています。地域の皆さんは、1枚のカードを診察券として使い、本人同意の上で診療情報を医師が端末で得ることができます。島根では、このシステムが「まめネット」と名付られ、今年の正月から正式稼働しています。医師会の皆さんが運営する協会が主体となって県内の病院、診療所と県民の参加を呼びかけており、今後の推移が期待されます。将来は、保険証と診療券が一つのカードになって、国民が医療・介護を効果的に受けられるような情報基盤が全国ベースで形成されることが期待されています。

 教育分野では、フューチャースクール事業の指定校で、電子黒板やタブレット型端末を使った教育手法の取り組みが進められています。電子黒板は、私たちが学んだ昔の教室で大きな壁掛けやOHPが果たしてくれた役割をより効果的に果たしてくれます。図面やグラフ、写真のみならず、動画も見せる事ができるので、児童・生徒の教科に対する理解が深まります。以前、富山県内でモデル事業が展開された市町の首長さんから紹介頂いたのですが、今後は機器が廉価になり、教科書会社等もコンテンツを提供する事で、さらに普及していく事が期待されます。

 このほか、今週は、日本アニメの海外展開に携わった中学・高校で同級の鶴宏明さんから、総務省が目指す「コンテンツの海外展開」に関わるアドバイスを頂いたり、資源エネルギー庁が進める民生部門の節電の切り札、「スマートメーター」の取り組みを学んだりしています。自分なりに、一歩一歩、学んだことを発信し、生かしていく努力を続けます。今週末は「在京当番」、三連休は東京に残り、地元の催しは失礼します。ご容赦下さい。

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国政報告(第168号)

 1月28日(月)、通常国会が召集され、安倍総理の所信演説と各党の代表質問が衆・参両院で行われました。初日の総理の演説は、内閣として優先的に取り組む事項に絞られ、簡潔でわかりやすい内容でした。吉田茂元首相以来の再登板の総理であり、前回の反省も冒頭にはっきり述べられ、この国の再生のために皆で自信を持って頑張ろうという呼びかけも力強く心に響きました。衆議院では、30日(水)、31日(木)と代表質問がありましたが、民主、維新の2大野党は、自らの政策の重心が未だ定まらない印象で、結果として議論の焦点の絞込みは来週の予算委員会を待つ事になります。

 内閣発足以来の顕著な変化は、我が国の通貨が円安に振れ、株価が上昇したことです。今月の各地の新年会でも、経済界の方々を中心に明るいムードを感じましたが、企業の輸出や収益の上では明らかにプラス要因と言えます。内閣が掲げる経済再生の「3本の矢」は、まずは財政政策と金融政策で経済を刺激し、これを成長戦略に乗せて自律的に再生させ、成長軌道に乗せようという考えです。この点に絞って私たち政府・与党の政策を評価するとすれば、足元の円安と株高が持続するうちに、2段目の経済成長のエンジンに点火できるかがポイントになります。自分の職責で言えば、大型補正予算を着実に執行し、初期の効果を発現させること、そしてICT分野での成長戦略を描き、確実に実行することです。

 もちろん、我が国が当面する課題には、東日本大震災からの復興や外交の立て直し、エネルギー政策の見直しなど、多岐にわたっており、安倍総理も2月下旬には初訪米の予定で、外交活動も本格化していきます。やがて、政策の論点は幾つも浮き彫りになってくるでしょうが、一つ一つの問題を丁寧に解決し、内閣の目的を果たして行けるよう、持ち場で努力していきます。

 総務省での所管分野の動きとしては、29日(火)に新年度予算が編成され、情報通信分野では、防災対策上の情報基盤整備、新世代テレビの開発、日本のテレビ番組などコンテンツの海外展開など、過日の補正予算の狙いをさらに前進させる内容となりました。また、ICTの応用分野として期待される医療・教育についての省のこれまでの取り組みについて説明を受け、取るべき政策について議論しました。ICTのネットワークを生かすには、ユーザーサイドで通信網に接続する端末を整備し、適切なソフトウエアを装備する必要があります。医療や教育に携わる方々の意見を十分聴き、使いやすく効果の挙がるシステムを構築しなければなりません。全国各地で総務省がモデル的に進めている事例をあまねく水平展開できるならば、一番素晴らしい結果になります。そんな基本認識を持ちながら、来週開かれる有識者の検討会議に臨みます。

 新年度予算に合わせ、地方財政計画も固まりました。焦点の地方公務員の給与引き下げは、時期を繰り下げ、7月からの実施を要請し、26年度以降の扱いは別途協議することとなりました。浮いた財源も国が吸い上げるのではなく、自治体の防災事業や活性化施策に充てる形になり、地方交付税の減額は4千億円に留まりました。新藤大臣始め省内関係者の努力の成果であり、地方側の理解をお願いしていきます。その他、富山県内の国の事業については、概ね順調に進む見込みであり、今後ともフォローしていきます。

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国政報告(第167号)

 今週の政府全体としての動きは、内政では新年度予算の編成作業、外交ではアルジェリアの邦人人質事件への対応が主でした。犠牲となられた方々に謹んでお悔やみ申し上げ、改めてテロの無い、平和な国際社会の実現を念ずるものです。

 総務省での所管分野の動きとしては、先週に引き続き、3つの会議がありました。22日(火)は年1回の地域情報化アドバイザー会議で、全国各地域でICTを利用した取り組みの相談に乗っておられるアドバイザーの方々に参集頂き、活動を通じた意見交換が活発になされました。ICTは大変便利な道具で、うまく使えば地域に画期的な効果を与えるものの、いかに使うかが課題です。ユーザーサイドの意欲や持続力が重要で、意欲的な地域にはアドバイザー側も腰を据えて関わるべきとの意見でした。総務省も、有望なプロジェクトに持続的に関わるマネージャー事業を立ち上げており、今後はその成果を期待するところです。

 23日(水)は放送政策調査研究会、24日(木)は生活資源対策会議に出席しました。通信・放送・郵政分野では、近年大きな制度改正が相次ぎました。現在は、新たな枠組みの中で関係者に自らの事業を積極的に展開頂き、経済社会に貢献する分野となることを目指しています。総務省とすれば、民間の皆さんの取り組みを応援し、また、調査研究を通じて新たな方向性を打ち出す役割を果たさなければなりません。前政権の取り組みを受け、新藤大臣の下、ICTによる成長戦略を固めるために今夏に向けて主要分野についての研究会が設けられています。放送政策研では、平成19年度に拡充・強化されたNHKの海外外国人向け国際放送の発展方策を議論しました。CNNやBBCのような国際社会における信頼される地位の確立が目標です。また、生活資源会議では、ICTを資源探索、インフラの維持管理など我が国の課題解決に役立てる具体的な取り組み分野を見出そうとしています。担当政務官として、現状を学び、議論に参加していこうと思います。併せて、各分野の現場にも伺うこととして、今週はNTT東日本の電話交換機システムを見学し、光ファイバーの導入で様変わりした現状を再認識しました。

 一方、予算・税制を巡り、国と地方の調整が続く公務員人件費等の問題について、22日(火)に地方六団体代表者と政務三役との会合がもたれました。席上、新藤大臣から、東日本大震災等、国の厳しい現状の下、国家公務員の給与を7.8%減額している事に鑑み、地方公務員についても25年度について同様の措置を講じ、浮いた財源を各自治体において防災・活性化等に回してほしいとの要請がありました。山田知事会長始め、地方側の出席者からは、これまで取り組んできた行革努力を正当に評価すべきで、単純な国横並びの要請は受けられないとの発言があり、引き続き調整が進められています。この結末については、来週の報告となりました。

 28日(月)からいよいよ通常国会、本格始動です。心新たに報告を続けて行きます。

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